一般販売されていない音源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/27 01:11 UTC 版)
「VOCALOID」の記事における「一般販売されていない音源」の解説
VOCALOIDの歌手ライブラリには、パソコン向けパッケージとして一般向けに提供されていないもの、商品化が未定のものも存在する。ヤマハによるVOCALOID開発の際には歌手のみならず開発者自身の声をサンプリングするなどといったことも行われており、当時のヤマハの専務の声をサンプリングした音源なども作られているという。こうした商品化されていないライブラリの中には、企業のキャンペーンになどに使用されているものもあるという。また、ビープラッツが販売したVY1のような元々はヤマハ社内で研究開発目的で作られたライブラリが、後にパソコン向けパッケージとして商品化された例もある。ライセンス先においても製品化に至らなかったライブラリや、イベントでのデモ用に即席でライブラリが作られたケースがある。以下は明らかな形で使用はされてはいるものの、パソコン向けの製品として一般販売はされていない音源である。 CV-4Cβ 「CEATEC JAPAN 2009」などのイベントで行われた産業技術総合研究所開発の女性型ヒューマノイドロボット「HRP-4C未夢(ミーム)」のデモンストレーションで、「HRP-4C」の声に声優の中村繪里子の声をサンプリングして作られたライブラリ「CV-4Cβ」が使用されている。このライブラリは元々クリプトン・フューチャー・メディアのキャラクター・ボーカル・シリーズ(CVシリーズ)として試作されていたものであるが2010年10月現在、CVシリーズのパッケージ製品としての発売は予定されていない。なお、「CV-4Cβ」という名前は「HRP-4C」からつけられたものである。 『メタルギアソリッド ピースウォーカー』(AIを積んだ巨大兵器の声など) 2010年4月29日にコナミより発売されたゲームソフト『メタルギアソリッド ピースウォーカー』のために、女優の菊地由美の声をサンプリングしたオリジナルのライブラリが作成された。日本国外向けの製品のために英語版のライブラリも用意されている。作中に登場するAIを積んだ巨大兵器の声にVOCALOID-flexを使って作成された声が使用され、また後述のNetVOCALOIDを使ったサービスも行われている。 あきこロイドちゃん コンビニチェーンローソンのキャラクター「ローソンクルーあきこちゃん」を元にした、ヤマハとの共同開発のキャラクター「あきこロイドちゃん」のライブラリが作成されている。ライブラリの音声は、あきこちゃんの声を担当している有本の声を元に製作されている。「あきこロイドちゃん」は、2011年8月30日に開設されたニコニコ動画の公式チャンネル「ローソンチャンネル」のナビゲーターとして登場し、2011年9月13日からローソンで行われた、VOCALOIDの限定オリジナルグッズや楽曲などが抽選で当たる「ボーカローソンキャンペーン」に合わせ、「あきこロイドちゃん」の歌声を用いた楽曲が公開された。「あきこロイドちゃん」は「あきこちゃん」の兄が作ったアンドロイドという設定となっている。 galaco(ギャラ子) galaco(ギャラ子)は、音楽ユニットgalaxias!のイメージキャラクターである。ギャラ子のVOCALOIDは、ヤマハが主体となってスターダスト音楽出版とともに企画し、ライブラリはインターネットにより制作された。ニコニコ動画で2011年11月15日から2012年6月30日にかけて開催されていた「VOCALOID3発売記念楽曲コンテスト」で、応募作品の再生数が1000回を超えた投稿者への賞品として配布されている。なお、2014年8月に、本ライブラリを改良した製品版の「ギャラ子」がヤマハから発売されている。 植木ロイド 2011年に過去の人の歌声を再現するデモンストレーションとして発表された、植木等(2007年没)の声を再現したライブラリ。2012年6月に、植木ロイドの歌声を使ったCDが同年夏に発売される予定と発表されていたが、2015年現在、いまだに発売されていない。 hide未発表曲のボーカルパート再現 2014年12月10日発売のシンガーソングライターhideの生誕50周年記念アルバム『子 ギャル』に収録される未発表曲「子 ギャル」の制作に際し、ユニバーサルミュージックから依頼を受けて、ヤマハがVOCALOIDの技術を用いてボーカルパートの再現を行った。 リング・スズネ 「みんなのボカロ計画」及びそれを引き継いだ「VOCALOID NEXT」によって開発が進められ、2012年ゴールデンウィーク頃をめどに発売する予定だったが、結局開発中止になってしまった。ライブラリにはDaisy×DaisyのMiKAを予定しており、デモソングも公開されていた。また、同時並行で「ヒビキ・ルイ」の開発も進められ、2012年春頃に音声提供者を募集する予定だったが、結局募集は開始されず、こちらも開発中止となった。 COCOROBO ロボット掃除機「COCOROBO」の会話機能「ココロエンジン」にVOCALOIDの技術を使い、ボカロキャラクターの声でCOCOROBOと対話できるだけでなく、クラウド経由で取得したボカロ楽曲や好みの曲をCOCOROBOで再生しながら掃除する新機能が追加された。新たに開発された「COCORO MUSIC A.I.エンジン」により、ユーザーの気分や状態を音声会話の内容から把握して、おすすめの曲を選曲したり、歌や音楽の再生後に感想を学習するなどで、ユーザー好みにCOCOROBOが進化するという。また、音声対話のために無線LANでクラウド経由で情報を取得しており、将来的にはユーザーの気分を音声対話から類推し、おすすめの曲をクラウド経由で選曲、提案したり、楽曲再生後のユーザーの評価や感想を学習し、ユーザー好みに進化することを目指す。ライブラリには公式キャラクター「ココロボちゃん」の声を担当した声優木戸衣吹の声が使われている。 楚楚・悦成 上海望乘信息科技有限公司が発表したライブラリ。本来は企業向けのライブラリであり一般販売はされていないが、運営元と契約を結べば個人でも使用可能。 美空ひばり新曲のボーカルパート再現 2019年9月29日放送のNHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」における新曲「あれから」の制作に際し、ヤマハがVOCALOIDと人工知能の複合技術「VOCALOID:AI」を用いてボーカルパートの再現を行った。 コミュニケーションロボット Charlie ヤマハが新たに開発した、人との会話をメロディに乗せて歌いながら行うロボット。2021年5月13日に発売された。この音声技術にVOCALOID及び自動作曲技術などを応用して用いている。
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