ヴィーナスエンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 22:03 UTC 版)
画像処理エンジンは、世代別に下記に分類される。なおヴィーナスエンジン(Venus Engine )は、同社が推進するUniPhierベースのチップではない。なお付属のRAW画像現像ソフトの画像処理エンジンは市川ソフトラボラトリー製であり、カメラ内でヴィーナスエンジンによって現像されたものとは違う傾向(Silkypix風の)の画像を出力する。 Venus Engine - 2002年 高画質と高速処理を両立するために開発。ヴィーナスエンジン・プラスはこのチップをベースにしている。斜め方向の解像度改善(通常エンジンの1.5倍) マルチタスクイメージプロセッシングによる並行処理 Venus Engine II - 2004年 搭載モデルが上位モデルに限定されていることからもわかる通り、主に高画質化を目指して開発された。このチップ以降(ヴィーナスエンジン・プラスを除く)は手ぶれ補正がハードウェア処理されている。手振れ補正強化(480[回/秒]→4,000[回/秒]) 縦横方向解像度改善(約10%) 色再現性の向上(4軸色補正→12軸色補正) 2DNR強化(暗部ノイズの低減・美肌処理) 倍率色収差補正 フリー連写対応 製造プロセス:130[nm] 最大動作周波数:50[MHz] Venus Engine Plus - 2005年 エントリーモデルに搭載するために開発されたチップ。再現性こそヴィーナスエンジンIIに劣るが、省電力化とヴィーナスエンジンII並みの高速処理を実現している。省電力化、高速処理化、コストダウン フリー連写対応 Venus Engine III - 2006年 ヴィーナスエンジンIIをベースに省電力化を実現したチップであるが、従来からLUMIXが最も苦手だった高感度撮影をハードウェア処理に変更している。省電力化、NR強化 高感度撮影対応 高速連写モード対応 一部の収差補正を追加 製造プロセス:65[nm] 最大動作周波数:100[MHz] Venus Engine IV - 2008年 インテリジェントISO感度コントロールをハードウェア処理に変更している。iA(インテリジェントオート)の機能を内蔵したことで、名称もおまかせiAとなっている。高感度撮影時のNR向上(フィルターによる分離処理) インテリジェントISO感度コントロールの精度向上 おまかせiAのシーン認識搭載 ブレ補正搭載 省電力化、NR強化 Venus Engine HD - 2008年 2009年以降は、動画撮影モデルに搭載されているが、元々はDMC-G1のために開発されたチップである。そのため、ヴィーナスエンジンIVと比べて、省電力化と高速処理がより強化されている。2CPU構成 AVCHD Lite動画撮影対応(MPEG4 AVC/H.264対応、Dolby Digitalの高音質化) HDMI出力対応 高精度の認識可能(個人認識をはじめとする高度な認識処理が可能) 再生速度の高速化(当社従来機種比、1枚再生時で最大約4倍、12画面再生時で最大約8倍、32画面再生時で最大約17倍の画像送り) 省電力化(Venus Engine IV比 約15%) 高速処理(Venus Engine IV比 約2.4倍) Venus Engine V - 2009年 ヴィーナスエンジンHDのコストダウン化が図られているチップである。そのため、スペック的にはヴィーナスエンジンIVよりも強化されている。2CPU構成、コストダウン、再生速度の高速化、高精度の認識、省電力化、高速処理 Venus Engine VI,Venus Engine HD II - 2010年 スペック的には共通点が多いが、いずれもマイナーチェンジとして前チップよりいくつかの機能が追加されている。HDMI出力対応 AVCHD Lite動画撮影対応(Venus Engine HD IIのみ) 超解像技術搭載(高感度撮影時のNRなど) 省電力化・高速処理 新・手ぶれ補正(POWER O.I.S.)の精度向上 Venus Engine FHD - 2010年 Venus Engine HD IIをベースに、動画撮影機能の強化と高速処理化を目指して開発されたチップである。3CPU構成 ISO感度の精度向上(ISO 10000相当の高感度撮影が可能) 3D画像撮影対応(ミラーレスモデルのみ、別売の3Dレンズが必要) 新・超解像技術による画像処理能力の向上 インテリジェントDレンジコントロールの追加 HDMI出力対応 AVCHD動画撮影対応(1080/30p動画撮影が可能) 高速処理化 高精度の認識可能(個人認識をはじめとする高度な認識処理が可能) Venus Engine FHD - 2011年 前年のチップのマイナーチェンジとして、いくつかの機能を追加。iAの精度向上(インテリジェントオート・プラス搭載) クリエイティブコントロール搭載 コストダウン、 高速処理化 New Venus Engine - 2012年 この代以降ナンバリングが付かなくなる。ルミックスGシリーズのG5で初採用。演算処理の向上 拡張ISO感度搭載 HDR撮影対応 AVCHD Progressive動画撮影対応(1080/60p動画撮影が可能) New Venus Engine - 2013年 従来のチップでは対処が難しかった大きなサイズのノイズを抑制し、ざらつきのない画質を実現。ルミックスGシリーズのG6で初採用。主に4K非対応モデルに搭載。演算処理の向上 拡張ISO感度の精度向上により、拡張ISO 25600に対応 フォーカスピーキング機能に対応 New Venus Engine - 2014年 ルミックスGシリーズのGH4で初採用。4CPU採用による演算処理の向上 4K動画撮影対応(4K/30p動画撮影が可能) 新マルチプロセスNR 新ガンマ補正処理 回折補正処理 広帯域輪郭強調処理(広帯域アパーチャーフィルター) 3次元色コントロール HDR処理、RAW現像対応 拡張ISO感度100搭載 空間認識技術(DFD*テクノロジー)搭載
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