ポット式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 07:40 UTC 版)
燃焼筒に灯油を滴下して燃焼させる方式で、もともとは大型ストーブ用の燃焼機構で単純な構造の部類に入るもので、黄炎の低速燃焼であり効率も良くないものであったが、トヨトミが小型化・高速高温燃焼化に成功、特許を取得している。タールに弱い気化器が無いので不良灯油でもトラブルが少ない。 一方、ポットを加熱して燃料を滴下する構造のため、着火に時間がかかり石油臭がすること、火力の調節がしにくく低熱量に絞ることが難しい欠点があった。トヨトミは電気ヒーターを用いることで改良して採用している。同社が「レーザーバーナー」の商標と特許で複数のメーカーにOEMしていた。消火時はポット内に残余の燃料が残るので、石油臭は他の方式に比べて若干多い。 長年、トヨトミがOEM品も含めて独占的に製造してきたが、2018年にサンポットがトヨトミから特許を購入して「ハイブリッドバーナー」の名称で独自に生産している。 メリット 燃焼中の消費電力が少ない。 気化器を使用せず、基本的に送風ファンと燃料ポンプ以外の動的部分がないため構造が簡単で、耐久性が高い。 デメリット 着火まで時間を要し、細かい火力の調節がしにくい。 予熱から点火までの消費電力が多い。 着火時と消火時に臭いがしやすい。
※この「ポット式」の解説は、「石油ファンヒーター」の解説の一部です。
「ポット式」を含む「石油ファンヒーター」の記事については、「石油ファンヒーター」の概要を参照ください。
ポット式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 21:19 UTC 版)
灯油を燃焼室内で燃焼させる構造で、「芯」を使用しない石油ファンヒーターでも使われている方式である。以下では石油ファンヒーターのように温風を吹き出すファン機能が搭載されていないストーブについて説明する。 燃焼室の皿形になった底部(ポット)に灯油を流し込み、電熱線で点火する。燃焼室には電動送風機による強制給気で空気が送られ、燃焼室外周や内筒に空けられた空気孔から吹きつけることで燃焼を助ける。火力の調節は、燃焼部の脇に置かれた油量調節器のダイヤルを回して行う。油量調節器は給気口の開度調節板と連動しており、不完全燃焼や立ち消えを防ぎ油量に応じ効率よく安定した燃焼が得られるよう調整されている。また停電などで送風機が働かない場合もある程度油量を絞れば、煙突による自然吸気でそのまま使用することが可能である。 燃焼室は耐熱塗装を施した薄鋼板製の外板で覆われ、外板からの輻射熱で部屋を暖める構造であった。家庭用でも10〜30畳用と芯式に比べ発熱量の大きい製品が主流で、部屋の中央に設置するのが普通だった。壁際に置けば輻射熱による火災の恐れもあった。形状は円筒型の他、外板を四角柱の形に替え、更に上部を逆L字に折り曲げた構造の角型も販売された。全高が低く抑えられ外観がコンパクトになり、更に天板の面積が広がったことでやかんや湯沸かし鍋、煮物の大鍋などを一緒に載せられるという利点もあり積雪寒冷地の家庭用として普及した。 のちに芯式同様、耐熱ガラスで覆った燃焼筒の上部を反射板の前部に露出させることで輻射熱を得る反射式の製品が発売された。伝熱部である前面の燃焼筒と反射板、やかん等を載せられる天板以外は塗装した薄鋼板のカバーで覆われており、接触による火傷の危険が少なくなり壁際への設置も可能となった。だがやがてこれらの商品は温風を併用するファンヒーター形式へと進化し、そうでないものは一定の面積以上の大型で官公庁や業務用のものに限られるようになっていった。 官公庁でもファンヒーターやヒートポンプ暖房が主流になる中、教育機関では石炭を燃料とするストーブの設備(煙突や貯炭室→貯油室)の有効活用から長年トヨトミとサンポットが微小なマイナーチェンジのみで生産を続けてきた。しかし生徒(特に高校生)が教室内でインスタント食品用のお湯に始まり、餅・焼肉・鍋物と問題のある使用をすることが多かった。経済産業省の省エネ基準設定によりこの形態では達成が難しいことから、最大手のトヨトミが生産から撤退し煙突不要型のファンヒーターへと取替えが進んだ。ただ両社とも開放式大型ストーブ(こちらはマイコン制御の温度調整機能等がある比較的現代的な製品である)に煙突取付けオプションを用意しており、従来品の置き換えにも対応している。サンポットのみが現在も製造している。 ファンヒーター形も含め、煙突が必要な従来型ストーブの需要は北海道、および北東北(青森県・秋田県・岩手県)など一部の寒冷地に限られつつある。また、トヨトミはレーザーバーナーを使用し、同社製のファンヒーター同様の燃焼機構に置き換えている製品があり、ほぼ同じ外観・設計で温風タイプ(純粋なファンヒーターとは異なり輻射熱の割合も大きい)と無温風タイプのモデルをラインナップするなど、石油ファンヒーターとの境界は曖昧になりつつある。 石油ファンヒーターや芯式ストーブに比べると構造が簡素で、灯油以外の燃料で使用することも比較的容易である。古くなったストーブに小改造を施し、廃油を燃料に使用している例(いわゆる廃油ストーブ)が稀に見られる。
※この「ポット式」の解説は、「石油ストーブ」の解説の一部です。
「ポット式」を含む「石油ストーブ」の記事については、「石油ストーブ」の概要を参照ください。
- ポット式のページへのリンク