ホメーロス問題とは? わかりやすく解説

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ホメーロス問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 02:13 UTC 版)

ホメーロス」の記事における「ホメーロス問題」の解説

詳細は「ホメーロス問題」を参照 古代中世ギリシア人たちは、一部例外除いて『イーリアス』『オデュッセイア』ホメーロスの作である事を疑わなかったが、近代になり、異論唱えられるようになった例えば、ホメーロスがもし『イリアス』の作者なら『オデュッセイア』それより少し後代別人、あるいは複数詩人になるものではないかという推測である。ホメーロスについての情報がわずかであるため、その存在自体を疑う者もある。今日では、両詩の原型ホメーロス(と仮に呼ぶ)1人によって、それ以前口承文学引用しつつ創造されたという説が有力であるが、問題未解決である。ホメーロスとは誰なのか、1人なのか複数なのか、両叙事詩作者なのか、文字助け借りて創造したのか、何時なのか、何処でなのか、こういった諸問題称して「ホメーロス問題」と呼ぶ。 この疑問古代にまで遡る――セネカによれば、「オデュッセイア漕手何人だったか、『イーリアス』『オデュッセイア』より前に書かれたのか、これら2つの詩は同じ作者なのかといったことを知りたがるのはギリシア人病気であった。」 今日「ホメーロス問題」と呼ばれているものは、オービニャック師[訳語疑問点]の許で生まれたもののようである。彼は同時代人たちのホメーロスへの畏敬逆行し1670年頃に『学術的推測』を書き、そこでホメーロス作品批判するだけでなく、詩人存在そのものにも疑問投げかけた。オービニャックにとって、『イーリアス』『オデュッセイア』は昔のラプソドスたちのテクスト集積にしか過ぎなかった。これとほぼ同時代に、リチャード・ベントレー(英語版)は著書思考自由論に関する考察』の一節で、ホメーロス存在はしたかしれないが、ずっと後になって叙事詩の形にまとめられた歌やラプソディア作者であったに過ぎない判断したジャンバッティスタ・ヴィーコもまたホメーロス決し実在せず、『イーリアス』『オデュッセイア』は文字通りギリシア人々全体による作品であると考えたフリードリヒ・アウグスト・ヴォルフ著書ホメーロスへの序論』(1795)において、ホメーロス文盲であったという仮説初め導入したヴォルフによれば詩人はこの2つの作品紀元前950年頃の、ギリシア人がまだ筆記知らなかった時代作ったのである原始的な形の歌であったものは口承によって伝達され、その過程進化発展遂げ、それは紀元前6世紀ペイシストラトス校訂によって固定されるまで続いたここから2つ派閥生まれた――「統一主義者」と「分析主義者」[訳語疑問点]である。 カール・ラッハマンのような分析主義者」は、ホメーロス自身によるもとの詩を後世追加挿入フランス語版)などから分離しようと試みテクスト不整合構成誤り強調した例えば、トロイア英雄ピュライメネース第5歌殺されるが、それより後の第8歌で再び登場するさらにはアキレウス第11歌で、帰らせたばかり使者が来るのを待っている[要出典]。これはホメーロス言語にも当てはまり、これに関してだけ言うなら、ホメーロス言語様々な方言(主にイオニア方言アイオリス方言)や様々な時代言い回し寄せ集めからなっている。こうしたアプローチは、ホメーロステクスト確立したアレクサンドリア人たちに既にあったのである後述)。 「統一主義者」はこれとは逆に、非常に長い『イーリアス』15,337行、『オデュッセイア』12,109行)詩であるにもかかわらず見られる構成文体統一性強調し作者ホメーロスその時代に存在していたさまざまな素材から我々が今日知っている詩を構成したのだという説を擁護した[要出典]。2つの詩の間の差異は、作者の若い時と歳を取った時とでの変化や、ホメーロス自身その後継者との間の違いによって説明される今日では、批評家大部分は、ホメーロスの詩が口頭での創作継承文化から筆記文化へと移行する過渡期において、それより前の要素再利用して構成されたと考えている。ある1人もしくは2人)の作者介在したことはほとんど疑いがないが、先行する詩が存在し、それらの中にはホメーロス作品含められたものがあることもほとんど疑いがない。木馬エピソード語った者たちのように、含められなかったものもあった可能性がある。『イーリアス』先に紀元前8世紀前半頃に創作され『オデュッセイア』が後に、紀元前7世紀末頃に創作され可能性もある。

※この「ホメーロス問題」の解説は、「ホメーロス」の解説の一部です。
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