歴史の概観-古代文献学とは? わかりやすく解説

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歴史の概観-古代文献学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 22:46 UTC 版)

ホメーロス問題」の記事における「歴史の概観-古代文献学」の解説

古代ホメーロス文献学紀元前2世紀及び紀元前3世紀全盛期迎えた最初論争中心アレクサンドリア大図書館であったホメーロス解説者であったエフェソスのゼノドトス(英語版)(紀元前325年紀元前234年)は叙事詩24巻分割することを始め、その弟子であったビュザンティオンアリストファネス英語版)(紀元前257年紀元前180年)やサモトラケのアリスタルコス紀元前217年紀元前145年)は個々詩句詩句群の正当性を巡る議論行ったこうした研究によっていくつかのテクスト集合抹消することすら行われた。しかしこの際双方叙事詩一人著者によって起草されたことを疑うものは一人もいなかった。このような疑問はこの時代にはほとんど現れなかったのである一人著者叙事詩起草者であることについては、紀元前2世紀になって初めて、急進的なコリゾンテン学派分割学派)によって否定された。分割学派には文法家クセノンヘラニコスらがいた。分割学派相反する見解代表していたアリスタルコス活発に論争した。やがてこの論争は両叙事詩構造の起源について決定的な考察帰結した。ある理論によればアテーナイ僭主であったペイシストラトス今まで混乱混淆していたホメーロスの諸巻を固有の正統的評価に従って整理した、というのである紀元後1世紀ホメーロス問題は、ユダヤ人の歴史家であったフラウィウス・ヨセフス37年/38年〜100年)にとっての論争上の武器として役立てられた。アレクサンドリア文法家でありホメーロス専門家でもあったアピオンに対して書かれた「ユダヤ人の上代について」(アピオンへの論駁)の中でヨセフスは、ギリシア人ユダヤ人よりもかなり遅く読み書き覚えた、と述べている。というのもギリシア最古記念碑的著作であるホメーロスは「彼の詩作を、人が言うように、一度として文字によっては残さなかったのであり、彼の詩は記憶によって再提示されるが、故に多くの意味通らない部分含んでいるということである」からである。 ホメーロス問題その後14世紀中頃フランチェスコ・ペトラルカ1304年1374年)が採り上げるまで沈静化していた。ペトラルカホメーロス西欧世界知らしめた人間である。近代に於ける問題への取り組みは、ホメーロスの詩に対する強い歴史的意味付けによって特徴づけられている。この取り組みによって、ホメーロス正確な時間的位置づけや、ホメーロスの詩が置かれていた諸条件に対して問題提起されることとなったこうした様相の下、オランダの歴史家ヨハネス・ペリゾニウス(1568年1631年)は古代についての論争を再び採り上げた。ペリゾニウスの理論によればホメーロス口述によって諸歌を詩作したが、その諸歌が後に書きとめられペイシストラトス指示によってアテーナイ組み合わされ結果イーリアスオデュッセイア成立した、という。 1715年公表されたオベニャックのアベ神父であったフランソワ・エデラン(英語版)の説は、あまり真剣なものとは考えられなかった。エデラン説ではホメーロスという一人人間存在自体争点となった。エデランはホメーロス叙事詩のことを「悲劇乞食奇術師ごちゃまぜ路上歌謡」が組み合わされ断片集として考えていたからである。

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