フィクションにおける使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 11:30 UTC 版)
「書籍暗号」の記事における「フィクションにおける使用」の解説
2016年のアメリカのテレビドラマシリーズ『Colony』では、レジスタンス運動が下部組織のメンバー間の通信手段として書籍暗号を使用する。 1868年に出版された小説『ルコック探偵』では、囚人が二重書籍暗号を使用して共謀者と連絡を取っていることをルコック探偵が突き止める[要説明]。囚人が所持している書籍は『ベランジェの歌』1冊のみのため、解読法は容易に発見された。 アーサー・コナン・ドイルの小説『恐怖の谷』では、シャーロック・ホームズが、どの書籍が鍵文書として使用されているかを推理し、書籍暗号で暗号化されたメッセージを解読する。 ケン・フォレットの第二次世界大戦を舞台にしたスリラー小説『レベッカへの鍵(英語版)』の題名は、カイロで活動するドイツ人スパイがダフニ・デュ・モーリエの小説『レベッカ』を暗号のベースとして使用していたことに由来する。 『A Presumption of Death(英語版)』では、第二次世界大戦でナチスに占領されたヨーロッパで英国諜報部の任務に就いているピーター・ウィムジイ卿が、ジョン・ダンの作品を基にした暗号を使用する。ドイツ軍に暗号を解読され、ウィムジイとバンターは危うく捕まりそうになる。ウィムジイは、自身と妻だけが知っている未発表の文書に基づく新たな暗号を即席で作成する。 グレアム・グリーン作品では、主人公たちが書籍暗号を使用することが多い。『ヒューマン・ファクター』では数冊の書籍が使用され、『ハバナの男』ではチャールズ・ラムの『シェイクスピア物語』が使用されている。 テレビドラマ版『炎の英雄 シャープ』のエピソード「シャープの剣」では、書籍暗号が重要な役割を果たす。鍵文書は、ヴォルテールの『カンディード』。 2004年の映画『ナショナル・トレジャー』では、アメリカ独立宣言書の裏から「オッテンドルフの暗号」が発見される。鍵文書としてサイレンス・ドゥーグッド(英語版)の手紙が使用されている。 マシュー・ライリーの小説『The Six Sacred Stones(英語版)』の主人公は、書籍暗号を使用して秘密のメッセージを送り合っていた。鍵文書は『ハリー・ポッター』シリーズの書籍であったが、鍵文書の特定を困難にするため、メッセージは『指輪物語』のフォーラムを介して送信されていた。 2007年に発売されたテレビドラマシリーズ『LOST』の4つのジグソーパズルシリーズ「Lost: Mystery of the Island」では、各パズルの箱にオッテンドルフの暗号が使用され、ネタバレを隠したり、ファンに番組の情報を公開したりしていた。 『クリミナル・マインド』の2部構成のエピソード「地獄からの挑戦状」では、犯人がホッチナー捜査官の妻を通じて行動分析課に持ち込んだオッテンドルフの暗号が登場する。この暗号は、2年前に行方不明になった少女を探すための大きなパズルの一部であった。鍵文書はジョン・ファウルズの『コレクター』。 『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』(2010年のエピソード「誘拐」「迫りくる嵐」)では、マイケル・ウェスティンがサイモンのコードブックである聖書を金庫から盗み出す。これは、マイケルがサイモンとの面会を手配しようとする中で、利益のために戦争を始める組織を追跡するシーズンプロットの一部となる。 イギリス・BBCのテレビドラマシリーズ『SHERLOCK(シャーロック)』のエピソード『死を呼ぶ暗号』では、中国系の堂(トン)の密輸業者が仲介者や仲間との連絡にグラフィティのメッセージを介した暗号を使用していた。シャーロック・ホームズはその鍵となる書籍を探し、最終的に『London A-Z(英語版)』(ストリートマップ)に辿り着く。 2011年の映画『アンノウン』では、ブレスラー教授のパスワードがオッテンドルフの暗号によってわかりにくくされている。 『ザ・ユニット 米軍極秘部隊』のエピソード「ユニット解散」では、ジョナス・ブレイン(別名「スネークドクター」)が叙事詩『失楽園』による書籍暗号を使用して、妻のモリーにパナマに無事に到着したことを伝えている。 ヤロスラフ・ハシェクの小説『勇敢なる兵卒シュベイクの冒険』では、シュベイクの大隊の将校たちが書籍暗号の使用を試みる。しかし、暗号に使用する小説は2巻構成で、シュヴェイクは将校たちが小説を読みたいのだと考えて、暗号に使用する2巻ではなく1巻を将校に渡していたことが判明し、将校たちの試みは失敗に終わる。さらに、暗号の鍵は、出版済みの軍事教科書に掲載されている例と同じであった。 イーアン・ペアーズ(英語版)の歴史ミステリー『指差す標識の事例』では、ある登場人物の家族の歴史とイングランド内戦との関係を書籍暗号で隠している。 ジョン・ル・カレの小説『パーフェクト・スパイ』では、主人公のマグナス・ピムがドイツ語の文書『ジンプリチシムス』を基にした書籍暗号を使用する。 映画『刑事グラハム/凍りついた欲望』では、刑務所にいるハンニバル・レクターが新聞の個人広告で書籍暗号を使用して連絡を取る。この書籍暗号は警察も認識していたが、レクターの言っているものとは異なっていた(レクターは聖書の節に言及しているが、章番号の一部が正しくない)。警察は後にレクターが実際に使用していた書籍を突き止めるが、レクターはその男にFBI捜査官ウィル・グレアムの自宅住所を教え、グレアムの殺害を指示していた。 J. D. ウェルチの小説『The Darwin Code』では、ジェスがシェークスピアの演説を使用して書籍暗号を組み立て、味方かもしれない敵と通信する。 クリスティン・カショア(英語版)の小説『Bitterblue』では、ビターブルーが書籍(?)暗号を使用して父親の王としての統治の秘密を解き明かす。 テレビシリーズ『ドイツ1983年(英語版)』では、主人公マーティン・ラオホの東ドイツ人訓練士が、書籍暗号を使って西ドイツに潜入中のラオホと連絡を取る。
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