ジョン・ファウルズとは? わかりやすく解説

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ジョン・ファウルズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 17:53 UTC 版)

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ジョン・ファウルズ
John Fowles
誕生 (1926-03-31) 1926年3月31日
イングランドエセックス州リー・オン・シー
死没 (2005-11-05) 2005年11月5日(79歳没)
イングランドドーセットライム・レジス
職業 作家
言語 英語
国籍 イギリス
教育 学士
最終学歴 オックスフォード大学
代表作コレクター
『魔術師』
『フランス軍中尉の女』
デビュー作 『コレクター』
配偶者 エリザベス(1番目)
サラ(2番目)
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ジョン・ファウルズ(John Fowles、1926年3月31日2005年11月5日)は、イギリス小説家エッセイスト

生涯

ファウルズは、イギリスエセックス州にある町リー・オン・シーで、葉巻商人のロバート・J・ファウルズと、教師のグラディス・リチャードの子として生まれた[1]。ベッドフォード校およびオックスフォード大学で、フランス語とドイツ語を学び、卒業後はフランス、ギリシアおよび英国で教師として働いた。

1963年に処女作である『コレクター』を上梓すると、教職を辞し、作家としてのキャリアを出発した。1968年には、ドーセットに移り住み、そこを舞台として『フランス軍中尉の女』を書き始めた。同年、「コレクター」よりも前に書いた長編小説『魔術師 (The Magus)』を脚色し直し映画化した。この作品はギリシアでの経験を元にしたものであったが、映画作品としては失敗した。

『フランス軍中尉の女 (The French Lieutenant's Woman)』は、1981年にイギリスの劇作家ハロルド・ピンター(2005年にノーベル文学賞受賞)により映画化され、アカデミー賞にもノミネートされた。なお最もよく知られているノンフィクション作品に、哲学考察を通し、アフォリズム形式で20世紀文明論として描いた『アリストス The Aristos』がある。

ファウルズは多数の批評家から、イギリス文学におけるポストモダニズムの父と捉えられている[2]。『タイムズ』紙は2008年に、1945年以降のもっとも重要な英国の作家50人の一人にファウルズの名を挙げている[3]

最初の妻エルザベスは1990年に死去したため彼女が死んでからの1年間は作家活動に影響を及ぼし執筆も行わなかったという[4]

2005年11月にライム・レジスのアクスミンスター病院で2番目の妻サラに看取られながら79歳で息を引き取った[5]

作品

  • コレクター The Collector 」(1963)
    小笠原豊樹訳、白水社、1966年、新版1974年ほか/白水Uブックス(全2巻)、1984年。
  • 「アリストス The Aristos 」(1964) 
    小笠原豊樹訳、パピルス、1992年
  • 「魔術師 The Magus 」(1965)  
    小笠原豊樹訳、河出書房新社(全2巻)、1972年、新版1979年/河出文庫(全2巻)、1991年
  • 「フランス軍中尉の女 The French Lieutenant's Woman 」(1969)  
    沢村灌訳、サンリオ、1982年 
  • 「黒檀の塔 The Ebony Tower 」 (1974)  
    北山克彦訳、サンリオ、1986年 
  • 「ダニエル・マーチン Daniel Martin 」(1977) 
    沢村灌訳、サンリオ(全2巻)、1986年 
  • The Tree (1979)
  • Mantissa (1982)
  • 「マゴット A Maggot 」(1985)  
    植松みどり訳、国書刊行会文学の冒険」、1997年
  • Wormholes - Essays and Occasional Writings (1998)
  • The Journals - Volume 1・2 (2003-2006) 

作家・作品論

  • 高桑美子 『ジョン・ファウルズを読む』 大阪教育図書、2008年
  • 板倉厳一郎 『魔術師の遍歴 ジョン・ファウルズを読む』 松柏社、2005年
  • チャールズ・ガラード『ジョン・ファウルズの小説と映画 小説と映像の視点』
    江藤茂博監訳、中村真吾ほか共訳、松柏社、2002年

出典

  1. ^ Warburton, Eileen (2004). John Fowles; A Life in Two Worlds. Viking Press. p. 9. ISBN 0-670-03283-2 
  2. ^ Salami, Mahmoud (1992), John Fowles's Fiction and the Poetics of Postmodernism, Associated University Presses, ISBN 083863446X
  3. ^ The 50 greatest British writers since 1945. 5 January 2008. The Times. Retrieved on 2010-02-19.
  4. ^ Gutteridge, Peter (2005年11月8日). “John Fowles”. The Independent. The Independent. 2015年4月10日閲覧。
  5. ^ Reclusive novelist John Fowles dies at 79”. The Guardian. 2015年4月10日閲覧。

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