ファロット一族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:25 UTC 版)
レティシア(レティー、レット) ファロット一族一の腕利き。女性名で小柄だがれっきとした青年。金茶の髪に飴色のくっきりした眼。本当は一族のものではなく、子供のときに「聖霊」に導かれて一族の元へやってきたらしい。よく麝香猫に例えられる。上層部を通さずに聖霊から情報を受け取ることもある(本人曰く「勝手に喋っていくだけ」だそうだが)。リィと互角に勝負できる唯一の人物。ファロットの聖霊には「黒い太陽」と呼ばれる。 痛みを感じる神経が麻痺しているらしく、リィとの戦いの最中に狼に噛まれても「ありゃ」の一言で済ませてしまった。また、その病気のせいか、時々全く動けなくなる。その時に他のファロットから悪意なくつつき回され、「殺そうとしたのと変わらない」と全員を殺したことがある。重傷を負った人間を殺す(安楽死させる)など、人の命を奪う事を何とも思っていない節がある。 リィと戦うことを本気で楽しんでいる節もあり、何度も命がけの戦いを繰り広げるが、最終的にリィに殺される。が、その体はリィに取り込まれ、リィと共に異世界(本来リィが暮らしていた世界)へ渡る。『紅蓮の夢』では公述するヴァンツァーと共に、ルウに呼び出される形で追加戦力としてデルフィニアに一時帰還する。 ヴァンツァー(ヴァッツ) ファロット一族の腕利き。黒髪に藍色の瞳の青年。レティシアを理解している可能性のある唯一のファロット。シェラと同じ境遇(里を失ったが自殺せずにいる)にあるも、ファロットの呪縛を解くことができずにいる。それゆえに、シェラがファロットの呪縛を解く存在であるのかどうか試すため、彼を狙っていた。タンガ領土のペンツェの村はずれで、シェラの手で殺され、木の下に埋められる。しかしその魂はどういうわけかシェラに取り込まれており、シェラと共に異世界へと渡ることになる。ファロットの聖霊には「新月」と呼ばれる。 フリーセアのレガに所属していた頃に、セレーザ家に嫁いできたアランナ(ナシアスの妹)やセレーザの家長と面識がある。『紅蓮の夢』で戦勝に賑わいを見せるコーラルへ来た際は、アランナに宛てて「今の主人に従って北へ向かうことになった」と手紙を書き、彼の消息をずっと気にしていたアランナを喜ばせる。 モイラ 自分の意思を残して自由に動く「聖霊」の一人。大抵は肉感的な美を持つ、黒髪で妙齢の女性の姿を取るが、腰から下が存在しない。 里を失って苦悩するシェラに「王妃を新たな主とせよ」と命を下した。シェラが異世界に渡る際に、一時的にシェラに宿ってついていった。 ジューディス 自分の意思を残して自由に動く「聖霊」の一人。大抵はおかっぱにそろえた金髪を持つ少女の姿を取るが、首から下が存在しない。 聖霊になる可能性の高いレティシアを気に入ったのか、度々「まだ死なないの?」と問いかける。そのレティシアからは「御嬢」と呼ばれる。モイラと同様、異世界に渡るシェラについていった。 もう一人、老人姿の聖霊(ジューディスから「おじいちゃん」と呼ばれる)がいる。彼はリィにシェラのことを頼むため、リィのいる西離宮まで来たことがある。 ファロット伯爵 スケニアの貴族にしてファロット一族の族長。銀髪に銀にも見える灰色の瞳を持つ。スケニアではあらゆる情報網を駆使して王家に進言し、国を動かしている。元は行者(暗殺者)であり、かなりの実力者。 シェラの父親だが、暗殺者として育てるために里に赤ん坊のシェラを預けたらしい。終盤にシェラと一騎討ちを行い、その結果シェラに討たれた。
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ファロット一族
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金をもらい殺人を請け負う暗殺集団。ファロットとは「死神」の意味でもある。国としてまとまっているわけではなく、世界各地に主に実行部隊が拠点とする「里」が存在し、全体を掌握する司令塔としてスケニアにファロット伯爵家がある。 「里」の者は一部を除いて自分たち以外の存在も、また自分たちが「ファロット」の一員であることも知らされていない。里は「宗師」と呼ばれるリーダーを頂点に、暗殺や潜入の際に使う薬草類を育て調合する者や暗殺の実行役である「行者」と呼ばれる者たち、いずれ行者となるべく訓練中の子供達などで構成される。彼らは聖霊(上層部)から下される命令を絶対のものとし、里の廃棄を命じられれば自殺するように洗脳されている。子供達は、幼い頃は男女関係なく身体能力を高める訓練や暗殺技術の基礎訓練を遊びのようにこなす。また、外見や体格が女子として通る男子がある程度成長すると、女子の名を与えられて女性の言葉遣いやしぐさを体に叩き込み、小間使いや侍女として潜入・暗殺する術を教わる。宗師は「聖霊」とのコンタクトにより仕事を請け、行者に振り分ける役も担う。行者達は宗師(ひいては上層部)からの仕事の依頼を成功させ、褒められることを至高の喜びとする忠犬のような存在であり、自分の意思を持たない人形である。 ファロット伯爵直属の行者は、里育ちの行者とは比べ物にならない技量を持ち、仕事に際しても里の者よりも多くの情報を開示されている。 司令塔たる伯爵家の代替わりは血筋によるものではなく、伯爵に引き合わせてその管理下に置いた、里を失っても命を絶たなかった行者で、「上位者の命令は絶対であり反抗してはならない」という呪縛を解いて当代の伯爵を倒した者に引き継がれる。なお、伯爵の傍で各地の宗師をまとめる上層部には「新たな伯爵となったばかりの行者が慌てたり呆然としたりすることなく、すぐに命令を下した場合、その命令に絶対服従する」という掟が存在する。故に、シェラが下した命によって一族は消滅した。 先祖霊の一種であるとされる「聖霊」を崇めており、彼らと直接顔をあわせ、言葉を交わすことは光栄なことであると言われているが、その大半は上層部の術者に使役されているただの人魂らしい。完全に自分の意思を残した者は少なく、そのごく一部が作中に登場した。彼らに言わせると、レティシアやヴァンツァーなど、リィやシェラと同じような魂を持つ者が、死後この状態になりやすいとか。この聖霊たちには、「自分達は、『月』が『太陽』と出会うまで、光にも闇にもなじめない黄昏の一族である」という内容の口伝が残されている(現世に生きる伯爵ら上層部は知らない)。
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