トラウトマン和平工作を推進とは? わかりやすく解説

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トラウトマン和平工作を推進

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 01:18 UTC 版)

多田駿」の記事における「トラウトマン和平工作を推進」の解説

トラウトマン和平工作」も参照 1937年末、多田蔣介石との講和タイミング見てドイツ仲介による和平工作展開する。この工作は元々、石原作戦部長が馬奈木敬信中佐通じてドイツ大使館武官オイゲン・オット少佐極秘裏に交渉進めていたもので、多田後を引き継いだとなった多田本間雅晴情報部長と共に秘密工作進め、馬奈木の上派遣決定した。馬奈木は戦線視察名目オット上海渡り10月26日オスカー・トラウトマンドイツ大使会談日中和平仲介要請してトラウトマンから快諾得た。 同じ時期広田外相もヘルベルト・フォン・ディルクゼン駐日ドイツ大使和平仲介依頼しており、ここにトラウトマン通じた日中交渉ルート設定されることになった多田中心となって推進したこの和平工作は、現代では「トラウトマン和平工作」と呼ばれ数多い和平工作なかでも日中両国政府最高指導者部が戦争終結とその条件について、ある程度まで意志流通させたことが確認できる唯一の例であり、また戦争打ちきり可能性残した最後機会であった。 — 秦郁彦、 と評されている。 11月2日広田外相からディルクゼン大使日本側の和平7条件示された。ディルクゼンは、この条件なら中国側受諾可能と判断し5日にはトラウトマンから蔣介石日本和平条件伝えられた。 しかし、蔣介石はこの和平条件拒否11月3日ブリュッセル開幕した九カ国条約会議日本不参加)の動向期待してのことであったが、会議結果日中武力衝突に対して即時停戦勧告したものの、中国望んだ対日制裁行わないものであったまた、この時期蔣介石ソ連派兵要請をおこなっていたが、結局ソ連動かず、ここでも期待裏切られることとなる。事ここにいたり、蔣介石日本和平条件再考することになったこの間トラウトマン通じた和平交渉詳細は、オットから本間情報部長もたらされたが、多田以外には伝えない徹底ぶりであった12月2日蔣介石トラウトマン講和条約基礎として日本要求受諾することを伝えた12月7日、ディルクゼン大使中国側意向広田外相伝えたが、広田最近日本の軍事成功踏まえて和平条件変更示唆したであった激戦となった上海戦11月9日までに終結しており、中国側は最精鋭部隊壊滅投入兵力70のうち19犠牲を出す大損害を被っていた。一方日本側は上海作戦打ち切る予定であったが、現地軍の要望押され戦線拡大していった。多田現地軍の南京追撃一度押し止めたものの、結局は現地軍の積極論が勝り12月1日南京攻略命令出される状況であった12月21日日本新たな和平条件決まったが、12月13日南京攻略したこともあり、和平条件次々と加重され、前案に比べて格段に苛酷なものに変わった日本新和条件は、22日広田外相からディルクゼン大使へと伝えられた。ディルクゼンは中国側受諾絶望的、との見解示した。 この新和条件について、中国側の反応否定的であった。ただし、12月末の国防会議和平受諾決定したという説、あるいは政府首脳和平受諾に傾いたものの、蔣介石了解を得る前に日本から交渉打ち切られたという説もある。確かなことは、中国回答を急がなかったということであり、このことは日本側から遷延策とみなされることになる。 新和条件対す中国からの回答を待つ間、日本側では政府陸軍省中心に交渉打ち切り論が台頭した。これに対して参謀本部交渉打ち切り論を抑えて交渉期限引き延ばしを図る一方御前会議開催要請する1月11日御前会議では和戦両様案が採択され中国政府日本要求応じない場合は「以後これを相手とする事変解決には期待掛けず新興支那政権成立助長する」すること、要求応じ場合は、中国誠意持って和平条件実行するならば条件緩和あり得ることを決定した日本側は15日までに中国から満足すべき回答なければ交渉打ち切ることを申し合わせたが、14日到着した中国回答日本和平条件曖昧であるから具体的な細目条件示して欲しいという趣旨のものであった政府中国回答誠意なしとみなして交渉打ち切りへと傾くが、参謀本部はなお交渉継続主張、こうして15日大本営政府連絡会議政府統帥部の全面対決となった

※この「トラウトマン和平工作を推進」の解説は、「多田駿」の解説の一部です。
「トラウトマン和平工作を推進」を含む「多田駿」の記事については、「多田駿」の概要を参照ください。

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