デビュー、前衛作曲家への道とは? わかりやすく解説

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デビュー、前衛作曲家への道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 17:14 UTC 版)

武満徹」の記事における「デビュー、前衛作曲家への道」の解説

1950年に、作曲の師である清瀬保二らが開催した新作曲派協会第7回作品発表会において、ピアノ曲2つのレント」を発表して作曲家デビューするが、当時音楽評論家山根銀二に「音楽以前である」と新聞紙上で酷評された。傷ついた武満映画館暗闇の中で泣いていたという。この頃詩人瀧口修造知り合い、「2つのレント」の次作となるヴァイオリンピアノのための作品妖精の距離」(1951年)のタイトル彼の同名の詩からとった。同年瀧口の下に多方面芸術家参集し結成され芸術集団実験工房」の結成メンバーとして、作曲家湯浅譲二とともに参加バレエ生きる悦び」で音楽鈴木博義と共作)と指揮担当したほか、ピアノ曲遮られない休息I」(1952年)などの作品発表した。この最初期作風メシアンベルクに強い影響受けている。「実験工房」内での同人活動として、上述湯浅譲二鈴木博義、佐藤慶次郎福島和夫ピアニスト園田高弘と共にメシアン研究電子音楽広義の意。主にテープ音楽)を手がけた。また武満テープ音楽ミュジーク・コンクレート)として、「ヴォーカリズムA.I」(1956年)、「木・空」(同年)などを製作し、これらを通して音楽楽音のみならず具体からなる要素として捉える意識を身につけていった。 「実験工房」に参加した頃より、映画舞台ラジオテレビなど幅広いジャンルにおいて創作活動開始映画北斎』の音楽1952年映画自体制作中止となる)、日活映画狂った果実』の音楽1956年佐藤勝との共作)、バレエ団のためのバレエ音楽銀河鉄道の旅』(1953年)、劇団文学座のための劇音楽『夏と煙』(1954年)、劇団四季のための『野性の女』(1955年)、森永チョコレートコマーシャル1954年)などを手がけた。これらの作品いくつかには、ミュジーク・コンクレートの手法が生かされているほか、実験的な楽器の組み合わせ試みられている。また作風においても、前衛的な手法から、ポップなもの、後に『うた』としてシリーズ化される「さようなら」(1954年)、「うたうだけ」(1958年のような分かりやすいものまで幅が広がっている。また、1953年には北海道美幌町疎開していた音楽評論家藁科雅美病状悪化早坂文雄を介して委嘱した「美幌町町歌」を作曲している。 この間私生活においては「2つのレント」を発表した際にチケットプレゼントした若山浅香劇団四季女優)と1954年結婚した。病に苦しんでいた武満夫妻團伊玖磨鎌倉市自宅提供して横須賀市移住した1957年早坂文雄1955年没)に献呈された「弦楽のためのレクイエム」を発表日本の作曲家はこの作品黙殺したが、この作品テープを、1959年来日していたストラヴィンスキーが偶然NHK聴き絶賛し後の世界的評価契機となる。 1958年行われた20世紀音楽研究所」(吉田秀和所長柴田南雄入野義朗諸井誠らのグループ)の作曲コンクールにおいて8つ弦楽器のための「ソン・カリグラフィI」(1958年)が入賞したことがきっかけとなり、1959年に同研究所参加。2本のフルートのための「マスク」(1959年)、オーケストラのための「リング」(1961年)などを発表する大阪御堂会館行われたリング」の初演指揮務めた小澤征爾とは、以後生涯にわたって親しく付き合うことになる。この時期作品では、ほかに日本フィルハーモニー交響楽団からの委嘱作品樹の曲」(1961年、「日フィルシリーズ」第6回委嘱作品)、NHK交響楽団からの委嘱作品「テクスチュアズ」(1964年東京オリンピック芸術展示公演)などがある。この「テクスチュアズ」で日本人作曲家として初めユネスコ国際作曲家会議グランプリ受賞武満名声一気跳ね上がった

※この「デビュー、前衛作曲家への道」の解説は、「武満徹」の解説の一部です。
「デビュー、前衛作曲家への道」を含む「武満徹」の記事については、「武満徹」の概要を参照ください。

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