ツキミソウの花言葉
ツキミソウ花言葉の由来
#花の特徴が由来になっている説ツキミソウの花は他の植物とは異なり、太陽が沈む夕方から夜にかけて咲き、夜明けと共にしぼむのが特徴である。花言葉の「無言の愛情」はひと目を避けるかのようにひっそりと咲く様から来ている。また、ツキミソウの花は咲き始めの頃は白色だが、しぼむ際は淡い桃色に変わる。その点から「移り気」の花言葉も用いられるようになった。「ほのかな恋」という花言葉は花の寿命が一夜限りという短さや、淡い色合いが儚さを感じさせることに基づいている。
#民話が元になっている説
ツキミソウは夜に咲き、昼にしぼむ花なので娼婦など水商売に就く女性の象徴と見なされることがある。また、夜に咲く花は月明りで妖しく輝き、人の心を惑わすと信じられていた。「移り気」の花言葉は古くから伝わる民話が元になっている説がある。永遠の愛を誓った男女がいたが、女性が娼婦であることを男性は知らなかった。そのため、後に女性の仕事を知った男性は裏切られたと怒り、愛の誓いを破って他の女性と結婚してしまう。女性はひどく悲しみ、男性を恨みながら死んでしまった。愛が憎しみに変わったことをツキミソウの花の色が時間の経過で変わることに準え、「移り気」の花言葉になったとされている。
「無言の愛情」も古くから伝わる民話から来ている。ある女性が高貴な身分の男性に恋をしたが、その女性は病気のため話すことができなかった。自分の気持ちを男性に伝えるために女性は美しい花を贈り物にしたが、男性は別の女性から贈られたと誤解し、その女性と結婚してしまった。悲しみに暮れた女性は死んでしまい、彼女が死んだ場所からは贈り物として用いたツキミソウの花が咲くようになったという。「無言の愛情」は言葉でなく贈り物で愛を伝えようとした女性の心情が由来とされている。女性の愛が男性に伝わらず、悲しみの中で死んでしまう結末は花が一夜限りでしぼむ姿から取られている。
ツキミソウの英語の花言葉
ツキミソウの英語の花言葉は日本語と同様に「mute devotion(無言の愛情)」「inconstancy(移り気)」などがある。これは太陽が沈んだ夜間に花を咲かせ、花びらの色を変えながら明け方にしぼむツキミソウの特徴が由来になっているためである。ツキミソウはアメリカ大陸が原産地であり、日本には明治時代に伝わった。その際に花言葉も一緒に伝わり、そのまま定着した。
ツキミソウ色別の花言葉の解説
ツキミソウは品種ごとに色が異なり、それぞれに花言葉がつけられている。日本でもっとも広く知られているのがツキミソウで、咲き始めは白色でしぼむ頃には淡い桃色に変わる花が特徴だ。花言葉も全般的に用いられている「無言の愛情」「移り気」となっている。ユウゲショウはツキミソウよりも濃い桃色の花を咲かせる品種で、日の暮れる時間に化粧を施す女性の姿に見立てたことが名前の由来とされている。ユウゲショウの花言葉は「臆病」だが、これは夜に化粧を施す女性は娼婦など水商売に従事していることが多く、そのような女性は男性に恋心を抱くことに恐れを抱いているというイメージが元になっている。また、太陽を怖がっているから夜に咲くという俗説が由来とも言われている。ヒルザキツキミソウは名前の通り、太陽が出ている日中でも咲く品種である。花の色はやや濃い桃色で、花言葉は「自由な心」「固く結ばれた愛」などがある。「自由な心」は夜に咲く花という、ツキミソウの一般的なイメージに縛られない様から来ている。「固く結ばれた愛」は日中でも花がしぼまず、花の色も変わらないことが由来と言われている。ツキミソウの一種と見なされることが多いマツヨイグサは黄色い花を咲かせる。ツキミソウと同様に花が夜に咲き、朝にはしぼむことから「ほのかな恋」「移り気な恋」の花言葉がつけられた。マツヨイグサの花はしぼむ際にやや濃い赤色に変わるため、一部の地域では「情熱」の花言葉が用いられることもある。
ツキミソウ本数別の花言葉の解説
ツキミソウの花言葉は花の色に基づいたものであり、本数による花言葉は存在しない。花束など複数の花を用いる場合、ツキミソウ固有の花言葉か種類を問わず本数に基づく花言葉のどちらかで解釈される。花束は贈り物なのでポジティブな意味の花言葉で解釈されることが多いが、墓前に供えるなど一部の用途においては別れの悲しみなどネガティブな意味の花言葉を用いることがある。花束の本数が3本なら「愛している」、9本なら「一緒にいよう」など愛の告白を意味する花言葉が用いられる。12本は「恋人になって」、40本は「永遠の愛を誓う」など、より強い意味の花言葉になる。3本の花束は墓前に供えると「あなたの死を悼みます」という意味になる。一方でツキミソウは開花時間が非常に短いので花束には不向きとされている。ヒルザキツキミソウなど一部の品種は比較的長く咲き続けるが、「移り気」「うつろな恋」などネガティブな意味の花言葉を持つことから結婚のお祝いには適していない。すぐに花がしぼむことから、命の儚さや別れの悲しさを表現する意味で墓前に供えることが多い。この場合、本数は10本以下の少数に留めるのが普通である。
ツキミソウの怖い花言葉
ツキミソウには怖い意味の花言葉は存在しないものの、代表的な花言葉である「移り気」はネガティブな意味もある。移り気は心変わりがしやすいという意味でもあるので、ツキミソウは恋人への贈り物には相応しくない花とされている。また、ツキミソウの花は一夜限りでしぼむことから、儚さや命の短さを連想させる縁起の悪い花として扱われることも少なくない。「うつろな恋」の花言葉は一夜限りで花の命が尽きる様が幻想的に思えることからつけられているが、思いが届かない悲恋に終わる意味と見なすこともできる。日中ではなく夜に咲くことから一部の地域では人を惑わす悪魔の花と否定的に扱われることもある。花の寿命から一夜限りの恋人、すなわち娼婦を意味する花という意味も持っている。ツキミソウの一種であるユウゲショウには「臆病」というネガティブな花言葉がつけられている。ポジティブな意味合いが強い「慎重」とは異なり、否定的な解釈ができる花言葉である。原産地のアメリカ大陸では古い時代、戦いから逃げて死んだ者の墓にユウゲショウの花を供えることがあった。ユウゲショウの花は日中はしぼみ、夜になると咲く様を戦いから逃げる臆病な姿勢と見なしたことが花言葉の由来とされている。ツキミソウと同じ種類として扱われるマツヨイグサの黄色い花は「裏切り」「軽蔑」などの意味で用いられることも少なくない。これはキリスト教において黄色はネガティブなイメージを伴う色として扱われているためである。
キリストを裏切ったユダやキリスト教を迫害したローマ帝国の皇帝などが黄色の服を着ていたことが理由である。また、黄色は富や財産を意味する色でもあるが、キリスト教では金儲けを現世に執着する卑しい行いと見なしていた。そのため、黄色の花を贈るのは相手を侮蔑する行いとして忌避されていたのである。金貸しを営むユダヤ人を差別する意味で黄色の花をユダヤ人の花と称することがある。マツヨイグサの黄色い花も縁起が悪い花として扱われていたが、花が一日でしぼむ様が滅びを連想させるのも大きな理由だ。領地の没収や爵位のはく奪などの刑罰を受けた貴族に対し、「あなたの居場所はありません」「あなたの家は滅びました」という意味でしぼんだマツヨイグサの花を贈ることもあったという。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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