ダイヤモンドリーグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/29 06:46 UTC 版)
ダイヤモンドリーグ | |
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開催地 | ヨーロッパ、北米、アジア |
開催時期 | 5月から9月 |
種類 | トラック&フィールド |
創立 | 2010年 |
スポンサー | 大連万達集団 |
公式サイト | Diamond League |
ダイヤモンドリーグ(Diamond League)は、ワールドアスレティックス(旧国際陸連)が主催する14戦の陸上競技大会で構成される最高峰のリーグ戦。2010年に新設されたリーグであり、各大会は例年5月から9月にかけてヨーロッパ、北アメリカ、アジアの11カ国14都市で開催される。男女各12種目の選手が年間総合成績を競い、優勝者には賞金とダイヤモンドトロフィーが授与される。
2012年まで韓国の電機メーカーサムスン電子がスポンサーを務めていたことから、サムスン・ダイヤモンドリーグと呼ばれていた。2020シーズンから10年間大連万達集団がスポンサーである[1]。
概要



2009年まで開催されていたIAAFゴールデンリーグとスーパーグランプリが統合されて、ダイヤモンドリーグが創設された。ダイヤモンドリーグは14戦からなり、例年5月から9月にかけてヨーロッパ、北アメリカ、アジアの都市を転戦する形態で開催される。大会ごとに各種目8位の選手までに賞金が授与される。賞金に加えて各種目8位までの選手にポイントが加算され、その年間成績を競うダイヤモンドレースが存在する。
ダイヤモンドレース優勝者には現金40,000USドルと80,000USドル相当の4カラットダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される[2][3][4]。トロフィーはバイヤー・クロノメトリー社によるもので高さ35cm、重さ4.8kg、上部にイミテーションの巨大なダイヤモンドが嵌め込まれ脚部に陸上競技場のトラックコースを模したデザインが施される[5]。
IAAFはヨーロッパで開催されていたゴールデンリーグを拡大し、北アメリカおよびアジアへの市場進出を検討していた[6][7]。加えてゴールデンリーグは問題点を抱えていた。ゴールデンリーグ以外に、スーパーグランプリ、グランプリが存在した。大会運営者は出場料と出場選手の確保、運営費の増大に苦慮しており、また有力選手同士の対戦が少なかった[8][9][10]。ゴールデンリーグはジャックポットの対象種目も限られており不公平を是正する必要があった[11]。そこでダイヤモンドリーグは、優秀な自己記録を持つ選手と契約を結ぶことで年間を通じて出場選手を確保し、各大会の賞金総額を2011年現在一律480,000USドルに規定して財務的な安定を図っている[9][11][12]。
種目
ダイヤモンドリーグには男女各16種目計32種目の競技が設定される。1大会につき16種目の競技が開催され、1種目あたり年間7試合のダイヤモンドレースが行なわれる。一部例外を除いて、同じ開催地が2年連続同一種目を実施することはなく、各種目は隔年で実施される[11][13]。ハンマー投は競技場運営上の制約により実施されない[11]。実施される種目は以下を参照。
大会一覧
大会名 | 会場 | 都市 | 国・地域 |
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カタールスーパーグランプリ | カタールSCスタジアム | ドーハ | ![]() |
上海ゴールデングランプリ | 上海体育場 | 上海市 | ![]() |
ゴールデンガラ | スタディオ・オリンピコ | ローマ | ![]() |
プレフォンテーンクラシック | ヘイワード・フィールド | ユージーン | ![]() |
ビスレットゲームズ | ビスレット・スタディオン | オスロ | ![]() |
アディダスグランプリ | アイカーン・スタジアム | ニューヨーク | ![]() |
アスレティッシマ | スタッド・オランピック・ドゥ・ラ・ポンテーズ | ローザンヌ | ![]() |
ミーティングアレヴァ | スタッド・シャルレティ | パリ | ![]() |
英国グランプリ | アレクサンダー・スタジアム | バーミンガム | ![]() |
ヘラクレス | スタッド・ルイ・ドゥ | フォンヴィエイユ | ![]() |
DNガラン | ストックホルム・スタディオン | ストックホルム | ![]() |
ロンドングランプリ | オリンピック・スタジアム | ロンドン | ![]() |
ヴェルトクラッセチューリッヒ | レッツィグルンド・シュタディオン | チューリッヒ | ![]() |
メモリアルヴァンダム | ボードゥアン国王競技場 | ブリュッセル | ![]() |
ミーティング・ド・ラバト | ムーレイ・アブデラー国王スタジアム | ラバト (マラケシュ) | ![]() |
カミラ・スコリモフスカ・メモリアル | シレジア競技場 | ホジュフ | ![]() |
厦門ダイアモンドリーグ | 廈門白鷺体育場 | 廈門市 | ![]() |
大会日程・成績
- 2010年IAAFダイヤモンドリーグ
- 2011年IAAFダイヤモンドリーグ
- 2012年IAAFダイヤモンドリーグ
- 2013年IAAFダイヤモンドリーグ
- 2014年ダイヤモンドリーグ
- 2015年ダイヤモンドリーグ
- 2016年ダイヤモンドリーグ
- 2017年ダイヤモンドリーグ
- 2018年ダイヤモンドリーグ
- 2019年ダイヤモンドリーグ
- 2020年ダイヤモンドリーグ
- 2021年ダイヤモンドリーグ
- 2022年ダイヤモンドリーグ
- 2023年ダイヤモンドリーグ
- 2024年ダイヤモンドリーグ
- 2025年ダイヤモンドリーグ
賞金
各大会の各種目上位8名までに賞金が授与される。2011年現在、1大会あたりの賞金総額は480,000USドル、優勝賞金は10,000USドルである[12]。1位から8位までの賞金額は以下を参照[2]。
- 1位 - 10,000USドル
- 2位 - 6000USドル
- 3位 - 4000USドル
- 4位 - 3000USドル
- 5位 - 2500USドル
- 6位 - 2000USドル
- 7位 - 1500USドル
- 8位 - 1000USドル
ポイント


各大会で各種目上位8名までにダイヤモンドレースのポイントが加算される。1年の合計ポイントの上位者は決勝戦に出場することができ、決勝戦で勝利した選手が40,000USドルとダイヤモンドトロフィーを獲得する。
- 1位 - 8ポイント
- 2位 - 7ポイント
- 3位 - 6ポイント
- 4位 - 5ポイント
- 5位 - 4ポイント
- 6位 - 3ポイント
- 7位 - 2ポイント
- 8位 - 1ポイント
テレビ放送
イギリスではBBC、アメリカではNBC、カナダではCBC、南アフリカではSuperSportがそれぞれ放映権を持っている。日本国内では後日TVerで配信
かつて日本では、2011年シーズンから2014年シーズンまではWOWOWが、2015シーズンから2019年シーズンまでは日テレジータスで放送されていた。
脚注
- ^ IAAF ANNOUNCES WANDA GROUP IN LANDMARK TITLE SPONSORSHIP OF DIAMOND LEAGUE 国際陸連 2019年9月25日
- ^ a b IAAF Diamond League – Diamond Race: How it works IAAF (2010-05-13). 2011年5月6日閲覧
- ^ Track and Field’s elite endorse IAAF Diamond League at sparkling launch IAAF (2009-11-21). 2011年5月31日閲覧
- ^ 「トラック大会の最高峰シリーズ、ダイヤモンドリーグを新設 国際陸連」 朝日新聞2009年3月3日夕刊、スポーツ1面、3ページ
- ^ As finals approach Diamond Trophy is unveiled - Samsung Diamond League IAAF (2010-04-17). 2011年5月31日閲覧
- ^ London may get Golden League slot BBC (2009-01-06). 2011年5月5日閲覧
- ^ Gary Hershorn (2009-03-02). New athletics league could be gem for U.S. ロイター. 2011年5月5日閲覧
- ^ 野村隆宏 「[シドニーに吹く風]第10部 陸上ビジネスの舞台裏/3 力伸ばすマネージャー」 毎日新聞2000年8月20日朝刊、スポーツ面、21ページ
- ^ a b LYNN ZINSER (2009-03-02). New York Track Meet to Join International Circuit ニューヨーク・タイムズ. 2011年5月5日閲覧
- ^ Simon Hart (2009-03-02). Britain to stage two international athletics meetings in 'IAAF Diamond League' デイリー・テレグラフ
- ^ a b c d The IAAF Diamond League - IAAF‘s New Approach to 1Day-Athletics IAAF. 2011年5月5日閲覧
- ^ a b ‘Four-weeks-to-go’ to the start of Samsung Diamond League 2011 - $8 Million in Prize Money! IAAF (2011-04-08). 2011年5月6日閲覧
- ^ IAAF Diamond League – All the events, all around the World IAAF (2009-03-02). 2011年5月6日閲覧
外部リンク
ダイヤモンドリーグ (2010 - )
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 07:07 UTC 版)
「ミーティングアレヴァ」の記事における「ダイヤモンドリーグ (2010 - )」の解説
2010年、ゴールデンリーグはこの年に新設されたIAAFダイヤモンドリーグに統合され、ミーティングアレヴァもその一大会として行われることとなった。2010年大会では男子3000mSCのブリミン・キプルト (8分00秒90) 、女子5000mのヴィヴィアン・チェルイヨット (14分27秒41) 、女子砲丸投のナドゼヤ・オスタプチュク (20m78) 、女子円盤投のヤレリス・バリオス (65m53) が大会記録を更新した。ウサイン・ボルトは9秒84の記録で同国人のアサファ・パウエルやヨハン・ブレークを下して2年連続優勝を飾った。 2011年大会は7月8日に行われ、ヤルヘリス・サビヌがこの年の女子三段跳世界最高記録となる14m99をマークして優勝した。女子やり投のクリスティーナ・オーバークフォルはシーズン世界最高記録(当時)となる68m01を記録して大会記録を更新、女子400ハードルのズザナ・ヘイノヴァはシーズン世界最高記録(当時)となる53秒29をマークした。男子110mハードルはダイロン・ロブレスがデビッド・オリバーとの同タイム (13秒09) の勝負を制して優勝した。 2012年大会はロンドンオリンピックの4週前にあたる7月6日に開催され、5種目のシーズン世界最高記録と2種目の大会記録、1種目のジュニア世界記録が刻まれた。男子800mのデイヴィッド・ルディシャは1分41秒54をマークして優勝し大会記録を更新した。その他に男子3000mSCのポール・コエチ(英語版) (8分00秒57) 、女子100mハードルのサリー・ピアソン (12秒40) 、男子400mハードルのハビエル・クルソン (47秒78) がシーズン世界最高記録を、男子5000mのデジェン・ゲブレメスケル (12分46秒81) は同年のシーズン世界最高記録をマークしてそれぞれ優勝した。男子5000mのハゴス・ゲブリウェトは12分46秒81を記録して2位に入り、同種目のジュニア世界新記録を樹立。女子3000mSCのハビバ・グリビ(英語版)は9分28秒81の大会新記録で優勝した。 2013年大会はウサイン・ボルトに注目が集まり、200mでシーズン世界最高記録(当時)19秒73をマークした試合を50,226人の観衆が目撃した。この年のボルトはレース前のイベントでシトロエン・2CVに乗ってトラックを回り、ファンの声援に応えた。この大会はフランスを代表する棒高跳選手の一人で世界選手権銀メダリストロマン・メニル (5m30・11位) の引退試合となった。その男子棒高跳は同じフランスのルノー・ラビレニが5m92の記録で優勝した。ボルト以外に男子3000mのエゼキエル・ケンボイ (7分59秒03) 、女子5000mのティルネシュ・ディババ (14分23秒68) が大会新記録とシーズン世界最高記録を、男子400mのキラニ・ジェームス (43秒96) がシーズン世界最高記録をマークしてそれぞれ優勝した。男子3000mSCでケンボイに次ぐ2位に入ったマイディーヌ・メキシベナバは8分00秒09のヨーロッパ新記録を樹立した。
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