ベリーニ【Bellini】
ジョヴァンニ・ベッリーニ
(ジョヴァンニ・ベリーニ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/31 02:10 UTC 版)
|
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 (2025年5月)
|
|
ジョヴァンニ・ベッリーニ
Giovanni Bellini |
|
|---|---|
|
自画像
|
|
| 生誕 | 1430年頃 |
| 死没 | 1516年 |
| 運動・動向 | ヴェネツィア派 |
板、テンペラ
86 × 107 cm
ブレラ絵画館 (ミラノ)
板、油彩
61.5 × 45 cm
ナショナル ギャラリー(ロンドン)
ジョヴァンニ・ベッリーニ(Giovanni Bellini, 1430年頃 - 1516年)は、イタリアルネサンス期の画家。画家一族で知られるベッリーニ家の中で最も重要な画家である。
ヴェロネーゼ、ティツィアーノ、ジョルジョーネ、ティントレットらを生んだヴェネツィア派の第一世代を代表する画家であり、15世紀同派最大の巨匠である。父のヤーコポ・ベリーニ、兄のジェンティーレ・ベリーニもそれぞれ高名な画家である。また、パドヴァ派の大画家マンテーニャは義兄弟にあたり[1](ジョヴァンニの姉ニコロシアはマンテーニャと結婚)、ベリーニ兄弟の画風は、マンテーニャの硬質で理知的な絵画からも影響を受けている。1460年作の『ピエタ』は伝統的な画材であるテンペラを用い、硬質な画風にはマンテーニャの影響がみられるが、1480年頃から新しい技法である油彩を用い、柔和な表現と華麗な色彩が特色の、ヴェネツィア派風の作風に移行する。
ジョヴァンニの生年は不明だが、1430年頃と推定され、没年である1516年には80代半ばの高齢であったが、晩年に至っても筆力は衰えなかったことが、現存する作品からうかがえる。彼は長い画業の間に多くの聖母子像を残した。それらは、伝統的な図像に則りながらも、ごく普通の母子の肖像画のような人間味と親近感を与えるものである。
ギャラリー
-
『サン・ジョッベ祭壇画』(1487年頃)、アカデミア美術館 (ヴェネツィア)
-
『ゲッセマネの祈り』(1458-1460年頃)、ナショナル・ギャラリー (ロンドン)
-
『牧草地の聖母』(1500-1505年ごろ)、ナショナル・ギャラリー (ロンドン)
-
『神々の饗宴』(1514年)、ナショナル・ギャラリー (ワシントン)
その他の作品
- 荒野の聖フランチェスコ
画集解説
- 『ジョヴァンニ・ベリーニ イタリア・ルネサンスの巨匠たち.22』
マリオリーナ・オリヴァーリ、篠塚二三男訳、東京書籍、1995年
脚注
- ^ 池上英洋『西洋美術史入門 実践編』筑摩書房、2014年、91頁。ISBN 978-4-480-68913-9。
ジョヴァンニ・ベリーニ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 15:46 UTC 版)
「ルネサンス期のイタリア絵画」の記事における「ジョヴァンニ・ベリーニ」の解説
ジョヴァンニ・ベリーニ(1430年頃 - 1516年)は、実兄にジェンティーレ、義兄にはマンテーニャという、それぞれ著名な画家をもつ、ヴェネツィア出身の画家である。ベリーニは兄ジョヴァンニの工房で画家としてのキャリアの多くを過ごしたが、その硬質な作風にはマンテーニャの強い影響が見られる。50歳代になるまで、ベリーニには個人的な署名をした、独力で制作したと思われる作品は存在しない。50歳代以降になって旺盛な制作意欲を示し、後世のジョルジョーネやティツィアーノ(1488年/1490年頃 - 1576年)に影響を与えた。ベリーニも年少のラファエロと同様に多くの聖母子を描いた画家で、豊かで鮮やかな色彩の、ラファエロよりも情熱感のある聖母子が多い。ベリーニの工房でオリジナルの作品から幾度となく複製画が制作されており、『キリストの割礼』には4、5点の全く同じ複製画が存在している。 「聖母子」をモチーフとした伝統的な祭壇画では、玉座に座って幼児キリストを抱く聖母が描かれる。聖人がともに描かれることが多いが、多翼祭壇画であれば中央パネルに描かれた聖母子とは別の左右のパネルに物理的に分かれて描かれるか、建物などで聖母子とは明確に境界を分けて描かれていた。しかしながら、ルネサンス初期にピエロ・デッラ・フランチェスカらが、同じ建物内で聖母子を取り囲むような構成の絵画を描き始めた。ベリーニもこのような構成の聖母子、いわゆる「聖会話」形式の作品を描いており、1505年の『サン・ザッカリアの祭壇画』がその典型例といえる。ベリーニの卓越した構成力を示す作品で、写実的かつ幻想的な建物(ロッジア)を背景にした聖母子と聖人たちが描写されている。開かれたロッジアに流れ込む太陽の光が聖母子、聖母子の足元でヴィオラを奏でる幼い天使、聖母子の両脇に立つ二人の女性の聖人を照らし出し、画面前面に描かれている年老いた沈思する聖ペテロと読書に没頭する聖ヒエロニムスは光の陰に描かれている。
※この「ジョヴァンニ・ベリーニ」の解説は、「ルネサンス期のイタリア絵画」の解説の一部です。
「ジョヴァンニ・ベリーニ」を含む「ルネサンス期のイタリア絵画」の記事については、「ルネサンス期のイタリア絵画」の概要を参照ください。
- ジョヴァンニ・ベリーニのページへのリンク