エゾマツとは? わかりやすく解説

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えぞ‐まつ【蝦夷松】

読み方:えぞまつ

マツ科常緑高木北海道以北山野自生し、高さは40メートルになる。すべすべし、小さ線形密生表面白み帯びる。5、6月ごろ黄色花粉をもつ雄花紫色雌花とがつく。球果黄褐色。材は樹脂少なく製紙人絹パルプ建築材などに用いる。くろえぞまつ


エゾマツ

別名:蝦夷松
【英】:Picea jezoensis
(マツ科)


北海道南千島サハリン沿海州朝鮮中国東北部などに分布します。本州分布するエゾマツに似ているトウヒ変種で、var.hondoensisです。エゾマツというマツのような名がついていても、アカマツのようなマツ類ではありません。北海道では、トドマツ一緒にして、エゾ・トドと呼ばれ代表的な樹種となってます。上述分布でもわかるように、ソ連にも産するので、ソ連からの輸出材のうちにも含まれています。北海道では、クロマツと呼ぶことがあります

木材
心材と辺材色の差のないこともありますが、心材桃色帯び長期間大気触れていると、かなり色が濃くなります。ほとんど、臭いがないのも特徴いえます軸方向細胞間道樹脂道をもってはいますが、材面に“やに”が滲み出てくることはあまりありません。年輪はやや明らかで、精な肌目をもってます。音響関係した性質が、楽器用材によく合うので、バイオリンピアノなどの楽器使われます。また、スピーカーコーンに使うパルプ材にもなります気乾比重は0.35~0.43(平均値)~0.52 です。耐久性低いです

用途
エゾマツは、スギヒノキ大量に得られる本州九州四国よりも、北海道主として用いられています。建築建具パルプ木毛経木さらに上述した楽器用材としても重要です。 北海道住宅をみますと、それ以外の地域スギや板に使われるように、エゾマツやトドマツ用いられてきています。


蝦夷松

読み方:エゾマツ(ezomatsu)

マツ科常緑針葉高木高山植物園芸植物

学名 Picea jezoensis


エゾマツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/25 03:33 UTC 版)

エゾマツ
エゾマツ(2006年7月撮影)
保全状況評価[1]
LOWER RISK - Least Concern
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
分類新エングラー体系
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Gymnospermae
: マツ綱 Coniferopsida
: マツ目 Coniferae
: マツ科 Pinaceae
: トウヒ属 Picea
: エゾマツ P. jezoensis
学名
Picea jezoensis (Siebold et Zucc.) Carrière var. jesoensis[2]
シノニム
和名
エゾマツ、クロエゾマツ
英名
 Yezo spruce
変種品種

本文参照

エゾマツ蝦夷松[5]学名: Picea jezoensis var. jesoensis)は、マツ科トウヒ属の常緑針葉高木。近縁のアカエゾマツも含めて「エゾマツ」と総称することも多く、この場合にはアカエゾマツと対比してクロエゾマツと呼ばれる[6][5]。主に本州中部の高山に分布するトウヒはエゾマツの変種とされている。

分布

千島列島樺太渡島半島以外の北海道中国東北部、シベリア東部、カムチャツカなどに分布する[5]トドマツとともに北海道の針葉樹林の主要樹種であり、「北海道の木」にも指定されている[7]。北海道では、トドマツとともに「エゾ・トド」と縮めて称される[5]。天然には広葉樹やトドマツなど他の針葉樹と混交して自生する。自生以外にも、人手によって植林も行われている[8]

特徴

常緑針葉樹高木[5]。大きいものでは樹高40メートル (m) 、幹の直径は1 m以上に達する。樹皮は黒褐色で厚く、うろこ状に割れ目が入る[8]。当年枝の表面は滑らかでやや淡色である。は扁平で先端が尖り、長さ1 - 2センチメートル (cm) [8]、らせん状に互生する[5]。葉の裏側は白っぽい色になる[8]。花期は5 - 6月[5]。果期は9 - 10月[5]果実球果で、はじめは上向きだが、徐々に下を向いて淡黄褐色に熟す[8]

粘質壌土に適し、浅根性である。萌芽力は比較的弱い。エゾマツは倒木更新[注 1]によって新しい苗が育っていく樹種である[9]。種子は地上に落ちて発芽するが、多くは土中の菌類による病気で苗が枯死する[9]。倒木上で発芽した苗は、倒木上のコケの中で根を伸ばして倒木を跨ぐように地上に根を下ろし、勢いを増して成長することができる[9]。晩霜に弱く、エゾマツカサアブラムシによる被害もあることから人工造林は難しく、ほとんど行われていない。老齢過熟林になると、すこしずつ大木が枯死する[5]

利用

防風林や公園樹、庭木(特に洋風庭園)、盆栽用樹として植えられる。

エゾマツ材は淡黄色で着色した心材がない。材に現れる白い点は、腐朽菌によって数百年をかけてできた物で、装飾材になる[5]。木目もまっすぐに通っており美しく、建築材料や船舶材料に多く用いられる[8]。また繊維が長く、製紙用原料(パルプ材)にも非常に適している。切削などの加工も容易で、家具、箱材、楽器(ヴァイオリンハープ等)[8]経木マッチの軸、割り箸碁盤など様々な用途に利用されている。

樹皮

栽培

エゾマツの苗木生産は容易ではなく、苗木の頃にエゾマツカサアブラムシがついて、新芽が松かさ状に膨らんでしまう被害が出やすい[5]。山林内では倒木更新によって苗木がたくさんでき、苗木として使える程度まで育った苗木は、大きく育てるために人の手によって間引きされて、日当たりのよい環境の山中に植え替えられる[5]。こうして間引きされた苗を「山引き苗」とよび、支笏湖近郊の山中でエゾマツの山引き苗を集めて植えた林が見られる[5]

文化

エゾマツの花言葉は、「ご機嫌よう」とされる[5]。北海道ではエゾマツが「北海道の木」に選定されており、ただし書きでアカエゾマツも含むとしている[10]。アカエゾマツは、エゾマツと同じトウヒ属で近縁の樹種にあたる[10]

エゾマツをシンボルとする自治体

かつて指定していた自治体(消滅)

分類

エゾマツにはトウヒを含む変種・品種がある[11]

脚注

注釈

  1. ^ 樹木が寿命や伐採で倒れた古木を土台にして、新しい世代へと生育していくこと[9]

出典

参考文献

関連項目


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