つつじの花言葉
つつじの花言葉の由来
(1)つつじの性質による説つつじの花言葉は、山奥でひっそりと咲いていたことに由来する。人の手が加わり、品種改良されて育てやすくなる前までは、山の奥で咲く花として親しまれていた。満開になり野に彩を添えても、ひとつひとつの花の形はとてもシンプルだ。そのシンプルさが慎み深いと、古来の日本人は考えた。その様子から「節度」や「慎み」という花言葉が生まれたとされている。
(2)つつじの名の音からくる説
「つつじ」という名前の音からとられたという説もある。「つつじ」という音の響きが「つつしみ(慎み)」に似ているため、そのまま花言葉に転用されたとも言われている。
つつじの英語の花言葉
アザレア(西洋ツツジ)の花言葉は「temperance(節制、禁酒)」、「take care of yourself for me(私のためにお体を大切に)」、「fragility(もろさ、はかなさ)」。西洋でのつつじは、ベルギーで品種改良されたアザリア(西洋ツツジ)のことを指すことが多い。アザレアの語源はラテン語の[azaleos(アザロス)]からきており、乾燥している土地でも育てやすいから名付けられた。英語では乾燥のことを[dry(ドライ)]と言うが、禁酒することも[dry(ドライ)]と表現する。このことからアザレアの花言葉である「temperance(節制、禁酒)」へと繋がったと言われている。
つつじ色別の花言葉の解説
#つつじ色別の花言葉白「初恋」。
白のつつじの花言葉の由来は、純白の花の清らかさから来ている。白という色は「清らかさ」、「汚れのない心」を指し、白い花の代表格である白百合も「純潔」という花言葉を持っている。白のつつじは「汚れのない心が初めて恋をする」という意味合いを込めて「初恋」となった。
赤「恋の喜び」。
赤のつつじの花言葉の由来は、陽の光を浴びた花が一斉に咲く情景にちなんでいる。恋をし、心が喜びで満ち溢れる気持ちが、葉を覆い隠すかのごとく一斉に花を咲かせる様子になぞらえたと言われている。
紫「美しい人」。
#つつじ種類別の花言葉
ヤマツツジ(白、紅など)「燃える思い」。
「ヤマツツジ」という品種は、名前の通り山に生えていることが多く、他のツツジの木よりも背が高いのが特徴的な花である。色は白や赤(紅)が多く、その中間色(ピンクなど)の色の花も存在している。ヤマツツジは生命力が非常に高く、開花時期になると炎が燃えるように一斉に花をつける。その様子が「燃える思い」という花言葉の由来になっている。
サツキツツジ(白、うすいピンク、濃いピンク、赤紫など)「節制」。
「サツキツツジ」という品種は、その名の通り、5月から6月にかけて花を咲かせる。古来より人々から親しまれてきたつつじで、日本庭園などでもよく見られる。しかしサツキツツジは山の険しい岩肌などの厳しい環境下でも自生することができ、綺麗な花を咲かせる。そのたくましさや生命力の高さから、「命を削ってまで美しさを保つ」という解釈がされ、「節制」という花言葉につながったとされる。
シャクナゲ(白、うすいピンク)「威厳」、「荘厳」、「警戒」、「危険」。
ツツジ科である「シャクナゲ」もつつじの仲間として分類される。つぼみの時は赤や赤紫をしているが、開花していくうちに段々と色が変わり、ピンクからうすいピンクの花となり、最終的に花びらが全部開くと白になる。シャクナゲはアジサイのように、つつじの花がいくつかまとまってひとつの花のような形になり、その姿形から「花木の女王」・「花木の帝王」とも呼ばれている。それゆえに「威厳」や「荘厳」という花言葉がつけられた。
アザレア(赤)「節制」、「節度の愛」。
「アザレア(西洋ツツジ)」も色別で花言葉が変わってくる。赤いアザレアは日本のつつじと同じ「節制」という花言葉を持つ。
アザレア(白)「あなたに愛されて幸せ」、「愛を知った喜び」、「満ち足りた心」、「充足」。
白のアザレアは、花びらの形が花嫁のウエディングドレスを彷彿とさせるため、花嫁の純白さ・純潔さを表現した花言葉になっている。
アザレア(ピンク)「青春の喜び」。
ピンクのアザレアは、種類によってその色合いが異なる。華やかなピンクもあれば、淡いピンクのものもある。その淡いピンクを「いっときの甘い感情」として表現した花言葉だと推察されている。
つつじ本数別の花言葉の解説
つつじの花言葉は本数では変わらない。理由として「花束にしづらい花であること」が挙げられる。つつじは木に花をつけるため、花束にするには枝を選別して刈り取らなければならない。また、つつじは花が落ちやすく、日持ちしないものが多い。そういった点でつつじは花束に向かず、つつじ単体の花束が作られることが非常に少ない。そのため、本数別の花言葉が存在しないと推察される。つつじの怖い花言葉
#つつじ科「シャクナゲ」の怖い花言葉つつじの仲間である「シャクナゲ」の花言葉に「警戒」や「危険」がある。これは元々シャクナゲが高山植物だったことに由来し、採りにいくことが困難だったからとされている。「高嶺の花」という言葉があるが、これはシャクナゲを指しているという説もあり、美しいが手が届かないものの例えとして用いられている。
また、シャクナゲの葉や茎には強い毒性があり、それも花言葉に起因している。シャクナゲに含まれるロードトキシンという毒素は、誤って口に入れると、吐き気や下痢、呼吸困難を引き起こす原因になる。そのため、シャクナゲは「警戒」や「危険」といった物騒な言葉が花言葉になったとも言われている。
シャクナゲの英語の花言葉も「danger(危険)」、「caution(用心)」、「beware(注意する、用心する)」であり、世界中の人々から畏怖の対象として見られている。
#つつじの怖い伝説やそれにまつわる花言葉
長野県にはつつじにまつわる伝説が語り継がれている。昔、ある美しい娘が遠くの村に住む男に恋をした。娘は恋焦がれるあまり、毎晩いくつもの山を超えて男に会いにいった。激しい嵐の晩にも現れる娘に対し、男は「こいつは魔物ではないのか」という疑念を持つ。その次の晩、男は山の茂みに隠れ、男に会いにきた娘を崖から突き飛ばす。すると翌年の春から、谷底には真っ赤なつつじが咲くようになった。
千葉県にもつつじにまつわる伝承がある。ある男がヤマツツジの美しさに目を奪われ、ふらふらと山奥へと入っていった。男は道に迷い、途方に暮れながら歩いていると、みすぼらしい山小屋が見えてくる。その山小屋には美しい女が住んでおり、男はそこに一晩泊まることになった。女は男に対し自分の身の上話を聞かせる。「私が江戸にいた頃、ある方とお付き合いをしていました。しかし私は人ぎらいでしたので、彼が求婚してきても断り続けていました。彼は想いが募るあまり病気にかかってしまい、そのまま死んでしまいました。彼の家からは私を想う日記が出てきて、それを読んだ私は己の罪深さを知り、こうして山に籠ることにしたのです」、その話を聞いている内に朝になった。陽の光が当たる場所に山小屋と女の姿はなかった。残されていたのは女の白骨死体と、真っ赤に燃え上がるようなつつじだけだった。
こういった伝説や伝承から読み取れるのは、ヤマツツジの花言葉である「燃える思い」だ。女性が恋焦がれるあまり、人間の域を脱してしまう。その表現に真っ赤なヤマツツジを使うことで、恐ろしさを倍増させる。また、つつじにはシャクナゲと同じように毒性があると言われており、東北の一部の地域では殺虫剤として使われていた。そのようなつつじの特性が恐ろしい伝説や伝承に拍車をかけ、怖い花言葉があるという印象を与えている。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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