さまざまな例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 07:12 UTC 版)
例えば、「内容の正確性が担保されていないウィキペディアに各自の判断で参加することによって生じた損害は、全て自己責任に帰される」というように用いられる。この言葉には英語のOwn riskの直訳的な意味が含まれており、契約などにおける免責事項の根拠として広く用いられている。ただ、例えば窓に施錠し忘れて邸内の所持品が窃盗にあったケースにおいては、「窃盗犯によって所持品が滅失・毀損・消費され、取り戻し不能になる危険が発生すること」が自己責任の内容であり、自己責任を理由にして、警察官の職務怠慢が正当化されたり、捜査費用を被害者に負担させられるわけではなく、また窃盗犯の刑罰が軽減されたり、所有権が国家により没収されるわけではない。また司法手続によらない自力救済(英:self-help)は、司法手続の確立した現在の社会においては急迫の場合を除いて原則として禁止される。 経済学では、外部性の問題がある。たとえば企業が大気を汚染することを負の外部性と呼ぶ。これに対し、たとえば浄化設備を設置した政府が大気を汚染した企業から税を取った場合、これを内部化(自己責任化)という。ほかにはリスクとインセンティブのトレードオフが説かれる。たとえば保険会社が全てのリスクを負担すると仮定した場合、被契約者は危険を回避する意欲を完全に喪失するものと考えられる。これをモラルハザードという。 「自己責任」は本来、他者に対する責任転嫁をいましめる言葉であるが、他者に対して責任を負うべき者の責任回避だけでなく、強者が弱者を救済することを拒否した上、嘲笑する口実に利用される危険性さえある(たとえば前述の例では警官の職務怠慢が正当化される訳ではない)。このポジショントーク的な自己責任論は2000年以降の日本で新自由主義の高まりと共に広く浸透し、助け合いのコミュニティを破壊したことで、格差拡大を助長した。そして、社会から弱者を切り離そうとした結果、無敵の人と呼ばれる存在を生み出して、社会への報復といった動機での拡大自殺を引き起こしている。こうした「自己責任」は優生思想とも関連がある。
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さまざまな例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 07:42 UTC 版)
色々な背景で保護色を実現するために、体色を変化させることができるものがある。有名なのはカメレオンやヒラメ、タコ、イカなどである。特にタコ、イカは体型や体の表面の凹凸まで変化させる。それほどでなくとも、体色を明るくしたり、暗くしたりする程度の変化ならば、することのできるものは数多い。ただし、これらの変化は必ずしも周囲の色によってのみ決まるものではなく、気温や動物の体調などによっても変化するものが多い。 冬に雪が多いところでは、夏と冬で体色を変え、冬に真っ白の姿になるものがある。日本ではエチゴウサギやオコジョ、ライチョウなどがその例である。 植物が保護色を示す例は少ないが、多肉植物には例がある。特にマツバギク科のリトープスは、二枚の葉が円錐形になり、その大部分が地中に埋もれ、円錐の底面に当たる上面だけを地表に出す。この葉の上面は、薄い褐色で、まだら模様があり、石ころにしか見えない。 保護色が実際に役に立つかどうかは、なかなか難しい問題であるが、これを確かめる実験のような事件が実在する。イギリスにおけるオオシモフリエダシャクは、本来白っぽい斑であり、苔の生えた樹皮の上での保護色になるが、工業化が進み、大気汚染によって樹皮上の苔が減少した時、黒色型が増加した。このことは工業暗化として有名である。
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