「自共対決」と党勢の復調
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「日本共産党」の記事における「「自共対決」と党勢の復調」の解説
第46回衆議院議員総選挙(2012年12月16日投開票)では、与党民主党は支持率低迷が続き野党転落が確実な状況で、自民党は9月に総裁に復帰した安倍晋三の下で経済政策「アベノミクス」や安保政策などの政策を打ち出して政権復帰に望んだ。共産党は民主党のみならず自民・公明両党とも対決の姿勢を強め、TPP交渉参加に反対、歴代政権の原発政策、3党合意で決定された消費税増税法案を特に厳しく批判。同時に護憲、障害者に費用の原則1割負担を求める障害者自立支援法の撤廃などに代表される社会保障の拡充、労働問題の改善、尖閣諸島問題を初めとした領土問題の解決などを強く主張した。また前回の擁立方針を改めて、社民党の照屋寛徳を支援した沖縄2区以外の全選挙区に候補者を立てた。更に、反TPPを訴えたことから、自民党の支持基盤である農協の一部の支援も受けた。選挙の結果、前与党の自民党、公明党と、右派系野党の日本維新の会、みんなの党が議席を伸ばした。共産党は1減の8議席(全て比例区)に留まったが、与党の民主党、国民新党と左派系野党の日本未来の党、社民党が議席大幅減となった中では、相対的な善戦であった。 2013年には参院選に向けて、反アベノミクス、反TPP、反原発、反消費税増税、護憲など自民党の政策に真っ向から対決する政策を掲げ「自共対決」とする方針を出す。参院選の前哨戦として注目された都議会議員選挙(2013年6月23日投開票)では前回の8議席から17議席を獲得。選挙前の第1党から激減させた民主党を上回って第3党、野党では第1党となるとともに、議案提出権を4年ぶりに回復した。 次いで行われた第23回参議院議員通常選挙(2013年7月21日投開票)では、勢いを維持して反自民の訴えを続ける。また若者を取り込むために解禁直後のネットでの選挙活動や雇用環境対策(ブラック企業批判等)にも力を注いだ。選挙結果は改選3議席から比例5議席、選挙区3議席を獲得。非改選を含めると11議席となり、議案提案権を9年ぶりに回復した。比例代表の得票は2010年選挙の356万票から515万票へと大幅に増加したほか、東京、大阪、京都の3選挙区で民主党や第三極勢力を抑えて当選、12年ぶりに選挙区で議席を獲得した。国政で議席を増加させたのは1998年参議院選挙以来、15年ぶりとなり、党はこの結果を大躍進と肯定的に評価、志位は「自民党と正面から対決して暴走にストップをかける頼りになる政党としておおいに力を発揮していきたい」と述べた。一部大手紙は共産党の今回の躍進の背景に低投票率や反自民票が共産党に流れたこと、第三極勢力の戦略ミスの影響もあったと論じた。 都知事選(2014年2月9日投開票)では宇都宮健児を推薦、元首相の細川護煕も無所属で立候補したため分裂選挙となって次点に終わったが、得票数は細川を上回った。 第47回衆議院議員総選挙(2014年12月14日投開票)でも「自共対決」と銘打ち活発に活動。その結果、前回の2倍以上の21議席を獲得、参議院に続き衆議院でも議案提出権を獲得した。比例の得票数は11.37%、票数では600万を超え、小選挙区でも1996年の第41回衆議院議員総選挙以来18年ぶりに議席を獲得した(沖縄1区の赤嶺政賢)。党はこの結果について「第26回党大会で決定した目標を基本的に達成することができた」「全体として、総選挙の結果は、画期的な躍進といえるもの」という発表を行っている。 2015年の第18回統一地方選挙の前半戦では、選挙が行われた全ての41県府議会で議席を獲得した。今までは、共産党の議員が存在していなかった栃木、神奈川、静岡、愛知、滋賀、三重、福岡の各県議会にも共産党の議員が誕生した。非改選の6議会も含めて、結党以来初めて、全47都道府県議会で議席を保有することとなった。同時執行の17政令市の市議会選挙でも共産党は選挙前の議席数を上回る136議席を獲得、民主党を抜く改選第三党、野党では第一党となった。後半戦でも勢いは変わらず、東京区議選挙で7議席、一般市議選挙で44議席、町村議選挙で11議席、合計62議席を新たに増やした。これを受けて党は本選挙戦は全体として躍進という結果だったという声明を発表した。 2012年から2014年にかけては、民主党、社民党、生活の党など他の左派政党が軒並み不調に陥る中で、ほぼ共産党の一人勝ちの状況が続いた。
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