「臥薪嘗胆」の成語の成立
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「臥薪嘗胆」の記事における「「臥薪嘗胆」の成語の成立」の解説
前項に述べたとおり、「嘗胆」は「屈辱を忘れないようにする」という意味で紀元前1世紀の書物『史記』に登場し、その後もよく多くの書物で使用されたが、しばらくは「臥薪」と組み合わせた形ではなかった。「臥薪」は『晋書』『梁書』などで意味は現在のものと同じでありつつも単独で使われ、特に呉越戦争からの成語であるといった修飾文も存在しない。一方で、「臥薪抱火」(わざわざ危地に入ることのたとえ)といった意味が全く異なる別の成語として使用される例も古書(『三国志』や『梁書』)には残っている。 「臥薪嘗胆」と連なった形では、現在残る書物では12・13世紀(宋代)の、蘇軾(1037年 - 1101年)の詩『擬孫権答曹操書』中の句「僕受遺以来 臥薪嘗胆」、以降、『朱子語類』(1270年成立)や『資治通鑑』の胡三省(1230年 - 1287年)による注などから見かけるようになる。特に『通鑑』胡注では、臥薪嘗胆の語の前に「越王勾践の」が修飾されており、呉越戦争に関係していることを明示している。その後14世紀(元代)の書物となると、『遼史』『宋史』『金史』などに多く使われ、『十八史略』等の通俗書にも用いられるようになった。
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