「臓器狩り」への反論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 21:17 UTC 版)
米国在住の呉弘達(中国語版、英語版)は「臓器狩り」へ疑念を示した。彼によると 法輪功は、証人と間接的な証拠しか持っていない。 法輪功は、教団にいる証人への取材を拒否。 アニーとピーターの証言は「詐欺の可能性」、「事実のゆがみ」、「偽造されたニュース」に相当すると述べた。 呉弘達(中国語版、英語版)は中国のCIC記者に蘇家屯疑惑の調査を依頼し、3月12日以降に捜査官は蘇家屯地区全体を捜索した。3月17日には、蘇家屯にある2つの軍事キャンプを訪問調査した。 3月27日、蘇家屯にある遼寧省中国西部総合血栓症病院を密かに訪問し、3月29日、蘇家屯近郊の康家山刑務所を訪問したが、これらすべての直接調査で証拠は発見されなかった。 エポックタイムズの取材の中で、アニーは人間が大量に集められて殺されたとされる地下室や火葬室を目撃しておらず夫からの伝聞だったこと、ピーターも収容施設の中は目撃せず外側からレンガの壁で囲まれた建物を見て周辺住人からの伝聞で語っていたことから、両者の証言は憶測に過ぎないと批判した。 しかし、2009年の労改基金会発行の文書の中で彼は意外にも、法輪功および他の囚人たちが臓器狩りの犠牲になっている「懸念すべき可能性」に戻っている。彼は信頼性ある証拠としてイーサン・ガットマンの記事に言及していた。 報告書は最初に提出された版と改訂された第二版があるが、第一版ではアニーと呼ばれる女性が提供した情報には裏付けを取る事が不可能なものが大量に含まれていたことを、報告者のデービッド・マタス本人が認めている。 2006年4月、アメリカ合衆国国務省は北京の米国大使館と瀋陽の米国領事館の職員が「臓器狩りがあった」と言われた地域の病院で調査を行ったが、通常の病院としての運営されていた事が確認され法輪功の主張を認める証拠は見つけることができなかった。 米国の議会調査局はデービッド・マタスとデービッド・キルガーが作成した報告書について次のように評価した。 報告書の中身は法輪功が設立したNGOであるCIPFGの電話調査が大部分であって、新しく独立して取得された証言は無く推論に大きく依存している。法輪功への臓器摘出問題は国際社会の人権専門家によって広く真実だと受け入れられているが、問題のレポートの主要な主張の幾つかは他の調査の結果と矛盾している。報告書の結論は電話証言に大きく依存しているが、中国当局の厳しい情報管理を考慮すると病院や拘置所に直接電話を掛けて事件の真相を外部の人間に喋るのは不自然であるとして否定的に評価した。 しかし同時に、米国議会は中国の法輪功学習者への弾圧および、臓器狩りに関する報告に引き続き懸念を抱いており、毎年の人権報告書と中国政府との議論において、これらの懸念事項を提起している。 また、臓器摘出の事件が起きた現場である蘇家屯の病院を取材した、カナダの新聞であるOttawa citizenの記者Glen McGregorによれば、病院は街中にあり人通りも多く、建物の出入り口は周囲のどの方角からも丸見えで、とても大量の死体を極秘に移送できたとは思えないと述べた。Glen McGregorが、アニーと呼ばれた女性の証言が曖昧な事について、疑惑の発端になった蘇家屯の病院での事件を信じるかどうかをデービッド・マタスに電話で尋ねた所、マタスは「記録が無いので詳細は分からない」と述べたとされる。彼はまた、欧米のジャーナリストはデービッド・マタスとデービッド・キルガーの報告書を信用し何度も繰り返し報道しているが、過去の国連やHRWやアムネスティといった団体の調査でも拷問の疑惑はあったが臓器摘出に関する証拠は確認されていないこと、独立した情報源を自称するエポックタイムズの報道は反共主義者による法輪功の弁護が強く政治的であることなどを指摘した。
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