でんわ‐ちょうさ〔‐テウサ〕【電話調査】
電話調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 05:51 UTC 版)
電話をかけて質問を行い、結果を聴取する方法。全国の電話帳を手でめくって手作業で系統抽出を行うようなことは現代ではしておらず、通常、コンピュータでランダムに作り出した電話番号に電話をかけるRDD方式が使われる。ダイヤル対象は固定電話と携帯電話の両方である。選挙の結果予測調査などによく用いられる。 電話調査の問題点としては以下の点が指摘されている[誰?]。 電話の普及率 - 日本では電話の普及率が高いので問題になりにくいが、普及率の低い地域では調査対象が母集団の標本たりえない場合がある。たとえほぼすべての人が固定電話か携帯電話(あるいはその両方)を持っている日本でも、世帯の誰も固定電話も携帯電話も持っていない人、あるいは持てない人は、調査において特に意見を聞くべき社会的弱者である可能性がある。 個人ではなく世帯が対象 - 固定電話に掛ける場合は女性(主婦)が電話に出る確率が高く、電話に出た人から直接回答を得ることにした場合は年代や性別等に偏りが発生することがあるため、多くの電話調査では標本の無作為性を担保するため、電話がつながった後に改めて乱数を回し、電話がつながった世帯の誰かを乱数で選んで回答を得ることになっている。つまり、電話に出た個人ではなく、電話がかかって来た世帯が調査の対象となる。そのため、全ての電話回線において電話がかかってくる確率は同じでも、電話がかかって来た世帯の人数や電話回線の契約数によって調査対象に選ばれる率が違うため、回答を得た後で補正する必要がある。 調査協力拒否 - 電話では相手の信用が分からないため、協力してくれる人は多くはなく、その中でたまたま協力してくれた人に回答が偏るという問題がある。特に携帯電話のRDD調査においては協力してくれる人が少なく、またRDD方式の欠点として事業所や未成年など調査対象外の人にかかってしまう場合もある。日本世論調査協会の携帯RDD研究会が行った2015年の調査では、回収率(電話を掛けた全ての番号の中から回答を回収できた率)が10%以下となったが、協力率(電話をかけた番号が調査対象の人だった場合に、その人から回答を回収できた率)自体は30%くらいであり、未成年有権者でも思ったより協力してくれたため、「十分実用に足る」という判断だった。ちなみに面接調査でも協力率は60%くらいである。 RDDといいながらも、あらかじめ掛けてはいけない番号を入れておく。末尾110(警察署に繋がる可能性)など。そのため、恣意的な運用が可能となっており、例えば世論調査において、前回、特定の党を支持しなかったサンプルをあらかじめ排除することも出来ると言われている。もっとも、データの一部を破棄するなど恣意的な運用ができること自体はどの調査方法でも同じであり、そのようなことをしないために、世論調査に関しては日本世論調査協会が全ての調査をチェックして、1年に2回、会報「よろん」の「世論調査インデックス」で発表しており、現実的には難しい。
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