社会保障の拡充
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 02:29 UTC 版)
戦後期には、多くの先進国で社会保障が拡充された。 ケインズ主義の受容によって消極国家から積極国家へと転換したことにより、財政政策を通じた市場への介入と同時に社会保障政策を通じた市民生活への介入も正統性を得た。 社会保障(たとえば公的扶助や失業給付)の対象となる受給者が膨大であれば財政を大いに圧迫してしまうため、ケインズ主義政策による完全雇用の実現は社会保障の質的向上の必要条件である。大量生産が実現して資本主義がフォーディズム段階に至ると、労働者に単純労働を強いる代償として社会保障の拡充が容認されうる。 社会保障を通じた所得再分配は大量生産の受け皿である国内需要の拡大に寄与する。特に開放経済の諸国においては、賃上げ抑制の見返りとして、政府が社会保障を拡充する。社会保障の充実は必ずしもプラスの効果ばかりをもたらすものではなく、社会保障制度が充実するにつれて、 労働供給への影響 資本蓄積への影響 モラルハザード というマイナスの効果も認識されるようになった。
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