経済発展の段階
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 23:41 UTC 版)
ケネス・ロゴフは「富裕層と貧困層との格差拡大は、急速な経済成長の負の側面として避けられない事実である。こうした所得格差を、国の政策で解決することは容易ではない。富裕層に税金を課すといっても限界がある」「技術とグローバリゼーションの急激な進展は、高熟練労働者に有利に働き、所得と富の不平等は過去最高水準にまで拡大している。所得の不平等は国を問わず、社会の安定を揺るがす最大の脅威であることに疑問の余地はない。ただし、市場はうまく機能すれば、最終的に社会安定化の役割を果たす」と指摘している。 経済学者の岩田規久男は「経済成長率が上昇する過程では、中所得者以上の人の所得は、低所得者以上に高まる可能性がある」と指摘している。 経済学者の飯田泰之は「好況・人手不足状態であれば、格差・貧困は深刻な規模にはなり得ない」と指摘している。飯田は「経済成長すると、初期段階では不平等度は上がってしまうが、頂点を迎えて下がり、平等になっていく。例えば、日本の明治時代では成長するにしたがって資本家が現われ、どんどん不平等になっていった。しかし資本家によって企業が増えると、労働者が不足していく、労働者に権利が強くなって不平等度が下がった」「経済成長は労働者の発言力を強める。発言力の強化の中で、経済成長の果実を再配分政策の見直しに割り振れること、社会保障の拡充をはかることができる」と指摘している。
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