「とかち」「オホーツク」向け改造
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「国鉄キハ183系気動車」の記事における「「とかち」「オホーツク」向け改造」の解説
車掌室設置改造(キハ183形) 1990年9月に新設された特急「とかち」ではグリーン車を連結しないため、編成中に車掌室を確保するために実施された改造である。 同列車に運用されるキハ183形(基本番台)の業務用室を車掌室・電話室に改造し、旧業務用室の固定窓は開閉式下降窓に変更された。改造による番号の変更はない。キハ183形(4両):17 - 20 「スーパーとかち」用グレードアップ 1991年7月に新設された特急「スーパーとかち」に対応する改造である。 指定席車として使用する普通車(基本番台)12両の座席を785系電車と同等のバケットシートに交換し、内装材を更新した。外部塗色は同時に製作されたキサロハ182形に合わせ、濃淡グレーにラベンダーパープル+萌黄色の帯を配した意匠に改められた。 当該列車では編成中に付随車キサロハ182形を含むことから、編成全体の機関出力を補うためNN183系(キハ182形550番台)を組成した。NN183系の組込車は外板塗色の変更のみ施工し、内装の更新は行われていなかった。キハ183形(8両):7 - 10, 17 - 20 キハ182形(12両):16, 17, 19, 20, 553 - 560 「オホーツク」用グレードアップ 1992年3月ダイヤ改正にあわせて特急「オホーツク」用車両の設備更新を行ったものである。 「スーパーとかち」用とは異なり、座席自体の交換は実施せず、モケットのみ交換された。外部塗色は、予備車共通化のため「スーパーとかち」用と同様のものに改められた。当初、先頭車の塗り分けは「オホーツク」用と「スーパーとかち」用で若干異なっていたが、後に「スーパーとかち」用が「オホーツク」用と同様の塗り分けに改められた。 同列車に組成されるキハ182-561・562、およびキロ182形については外板塗色のみを変更し、内装の更新は実施していない。キハ183形(10両):11 - 16, 901 - 904 キハ182形(10両):41 - 48, 561, 562 キロ182形(6両):2 - 4, 6, 10, 901 キハ183-214(2008年3月 / 函館本線 旭川駅) N-DMF13HZC エンジン 新潟鐵工所(現・新潟原動機)製 (キハ183-215) 駆動系出力増強改造(200番台) キハ183形200番台 夜行特急「オホーツク9・10号」に寝台車スハネフ14形を組成するため、1992年にキハ183形(基本番台)の駆動系増強が行われた。対象は「オホーツク」用のキハ183形5両 (11 - 15) 。 機関は「ノースレインボーエクスプレス」(5200番台)で採用された DMF13HZC (420 PS / 2,000 rpm) に、変速機は N-DW14C (変速1段・直結2段)に交換された。減速機の換装も行われている。ブレーキ装置の仕様は変更されず、最高速度は 110 km/h のままである。番号は原番号に200を加えた付番である。 「北斗」の 130 km/h 運転用にNN183系を転用するため、1993年からは「スーパーとかち」用のキハ183形8両(7 - 10, 17 - 20)にも同一の改造が行われた。 2017年(平成30年)度までに全車が廃車された。 キハ182形200番台 「北斗」の 130 km/h 運転用にNN183系を転用するため、1993年に「スーパーとかち」用キハ182形(基本番台)の駆動系増強が行われた。対象は4両 (24 - 27) 。 機関は新型の N-DMF18HZ (600 PS / 2,000 rpm) 、変速機は N-DW17 (変速1段・直結3段)に変更した。ブレーキ装置の仕様は変更されず、最高速度は 110 km/h のままである。番号は原番号に200を加えた付番である。 「とかち」系統へのキハ261系1000番台投入で用途がなくなり、2007年(平成19年)度中に全車が廃車された。 改番照合表(200番台) 改造車一覧(200番台)車両形式車両番号種車改造落成配置落成日処遇除籍日最終配置備考キハ183形200番台キハ183-207 キハ183-7 苗穂工 札幌 1993年08月20日 譲渡(ミャンマー国鉄) 2010年03月24日 札幌 キハ183-208 キハ183-8 1993年07月30日 譲渡(タイ国鉄) 2017年03月31日 苗穂 キハ183-209 キハ183-9 1993年11月02日 キハ183-210 キハ183-10 1993年10月19日 キハ183-211 キハ183-11 1992年06月08日 キハ183-212 キハ183-12 1992年06月29日 キハ183-213 キハ183-13 1994年01月31日 廃車 2018年03月31日 キハ183-214 キハ183-14 1993年11月30日 保存(後述) キハ183-215 キハ183-15 1994年04月16日 譲渡(タイ国鉄) 2017年03月31日 キハ183-217 キハ183-17 1993年11月25日 譲渡(ミャンマー国鉄) 2010年03月24日 札幌 キハ183-218 キハ183-18 1993年09月16日 譲渡(タイ国鉄) 2017年03月31日 苗穂 キハ183-219 キハ183-19 1993年12月18日 キハ183-220 キハ183-20 1994年07月15日 廃車 2018年03月31日 保存(後述) キハ182形200番台キハ182-224 キハ182-24 苗穂工 札幌 1994年06月14日 譲渡(ミャンマー国鉄) 2008年03月17日 札幌 キハ182-225 キハ182-25 1994年06月30日 キハ182-226 キハ182-26 1994年04月29日 キハ182-227 キハ182-27 1994年03月30日 グリーン・普通車化改造(キロハ182形) 特急「オホーツク」の利用率の低いグリーン車の輸送力適正化と利用の季節波動の大きい普通車の増結の抑制を図り、運用の合理化を図るため、1996年(平成8年)にキロ182形(基本番台)の車販準備室を普通客室に転用したものである。 車販準備室部分の側構体を撤去して新たな窓付きの側構体を取付け、新設した客室内には普通車用リクライニングシート16人分を設置した。屋上の水タンクは撤去され、新鮮外気導入装置も車端部に移設された。普通室部分の屋上には、普通室用の空調装置が増設されている。 グリーン室は、座席をキハ281系に準じた 2+1 人掛けのものに交換するとともに、車掌室寄りの1列分を喫煙室に転用した。これにより、グリーン室の定員は21人となっている。喫煙室部分の窓は縦長のものに変更されている。番号は原番号を踏襲し、形式のみ変更した。 この改造で「オホーツク」編成中に車販準備室がなくなるため、次項のとおり札幌方先頭車の業務用室を車販準備室に転用することとなった。 2018年(平成30年)7月1日の特急「オホーツク」「大雪」へのキロ182形500番台・7550番台(ハイデッカーグリーン車)導入で用途がなくなり、同年7月31日付で5両とも廃車となった。 改造車一覧(キロハ182形0番台)車両形式車両番号種車改造落成配置落成日現行配置・処遇転属・除籍日最終配置備考キロハ182形0番台キロハ182-2 キロ182-2 苗穂工 札幌 1996年09月13日 廃車 2018年07月31日 苗穂 キロハ182-3 キロ182-3 1996年06月21日 キロハ182-4 キロ182-4 1996年10月30日 キロハ182-6 キロ182-6 1996年07月26日 キロハ182-10 キロ182-10 1996年11月30日 車販準備室設置(キハ183形200番台) キロハ182形への改造に伴い、「オホーツク」編成中の車販準備室を確保するための改造である。 キハ183形の業務用室を車販準備室に改造し、業務用冷蔵庫やコーヒーメーカーの設置が行なわれた。外観は行先表示器が改造前の業務用室部分から隣接する客室部分へ移設された。対象となったのは、「オホーツク」用のキハ183形5両(211 - 215)で、その後「スーパーとかち」用の4両(207 - 210)にも同様の改造が行なわれている。改造による番号の変更はない。キハ183形(9両):207 - 215
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