持株会社 持株会社の概要

持株会社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/31 23:57 UTC 版)

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持株会社の種別

一般に、持株会社のうち、本業を行う一方で他の会社を支配するものを事業持株会社、他の会社の支配を本業とするものを純粋持株会社と呼ぶ。ただし、いずれも法令で定義された用語ではない可能性が高く[3]、純粋持株会社か事業持株会社かどうかは、「他の会社の支配を本業とするかどうか」で判断することになる。ある会社の本業が何であるか、は客観的に特定しづらい性質のものであることから、本記事内で「純粋持株会社」と紹介されている会社が、他の(もしかすると多くの)判断者によっては「事業持株会社」と判断されることもありうるため、注意を要する。

一般に「持株会社」といったときは後者を指す[4]とする説がある。後述の抜殻方式で持株会社化したときにほんの一部でも事業が残っている(残さざるを得ない)場合は純粋持株会社と呼ばないことがある。

この他、持株会社であるかを問わず親会社の元で特定の業種に属する子会社をまとめる会社を中間持株会社と称する事がある[5]

名称

日本において、持株会社の社名では以下の語が用いられることがある。

上記の各語のいずれも含まれない社名を持つ持株会社も存在する(例:イオンキッコーマン。いずれも持株会社)。

持株会社のメリット・デメリット

出典:M&A総合研究所ポータル『持株会社のメリットとデメリット

メリット

  • 各部門毎の子会社化からもたらされるメリット。
    • ある特定の部門の利益にとらわれない、戦略的な本社(親会社としての持株会社)の構築。
    • 新規事業の立ち上げがしやすい。
  • 経営統合で合意済みの他企業に対する買収、グループ化(M&A)がし易い(友好的買収)。
  • 親会社への直接的敵対的買収を通じて、傘下会社の間接的敵対的買収がされる事態が実質不可能となる(親会社である持株会社の株は非公開株としている事が一般的である為。また持株会社が株式会社ではなく株式購入による敵対的買収が不可能な場合もある)。
  • 傘下の各社への権限の委譲がしやすい。
  • 柔軟な人事制度の導入がしやすい。
  • 持株会社Aの下に事業会社xyzがぶらさがっており、z社で巨額損失が発生したような場合、z社とA社は打撃を受けるが、x社とy社はダメージを受けない。仮に事業部制の場合は、財務が遮断されていないため、無関係のx事業部y事業部にも累が及んでしまう。この事態の最後の選択として、A社はx社y社を売却することにより、その売却代金で、A社自身を救うことができる。カネボウカネボウ化粧品を、東芝東芝メモリを売却したのはこの例である。

デメリット

  • 子会社から見た場合、親会社(持株会社)への「お伺い」が増えてしまう。
  • 各子会社(事業会社)間の横の連携がしにくい。
  • 労働条件の交渉について、使用者側の窓口(実際の雇用関係のある子会社なのか、子会社に対して実質的な経営権を有する持株会社(親会社)なのか)が不明となる。
  • 特に純粋持株会社(親会社の主たる収入が子会社からの配当である形態)の場合、持株親会社単体では子会社(あるいは連結ベースでのグループ総体)より信用リスクが大となるため、格付上の「ねじれ」が生じるケースがある。
  • 持株会社およびその子会社に赤字企業がある場合、グループ全体に信用不安が連鎖し、個別企業と見た実力よりも資本市場において株価を通じて過小評価されることがある。
  • 財閥解体を経て構築された経済システムの有名無実化に繋がる(持株会社による傘下企業全体の財閥化は事実上、法の抜け道となる)。

  1. ^ 「ホールディング」とは保持、保有を意味する。
  2. ^ a b 發知敏雄、大谷隼夫、箱田順哉『持株会社の実務第7版』東洋経済新報社、2015年、2頁。
  3. ^ 2019年10月15日、e-Gov法令検索における法令用語検索機能で、「事業持株会社」「純粋持株会社」を検索したところ、それらの用語の定義を含む法令は発見できず。
  4. ^ 伊藤靖史他『会社法』有斐閣、2009年、368頁
  5. ^ 持株会社化の論点(1) | 企業価値評価・算定のプルータス・コンサルティング公式サイト
  6. ^ ホールディングス【holdings】の意味”. 2019年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月1日閲覧。
  7. ^ “[https://www.7andi.com/ セブン&アイ・ホールディングスHP 左上に「HLDGS」の表記]”. セブン&アイ・ホールディングス. 2020年5月31日閲覧。
  8. ^ [JFE HD]システム基盤のセキュリティも高め、技術情報を守る”. 株式会社日経BP. 2019年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月29日閲覧。
  9. ^ JFEホールディングスを"JFE HD"と略す例: [8]
  10. ^ グループ の意味”. 2019年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月1日閲覧。
  11. ^ ほん‐しゃ【本社】の意味”. 2019年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月29日閲覧。
  12. ^ 明治ホールディングスJXホールディングスなど
  13. ^ エディオンKADOKAWAマルハニチロなど
  14. ^ a b c d e f 發知敏雄、大谷隼夫、箱田順哉『持株会社の実務第7版』東洋経済新報社、2015年、151-152頁。
  15. ^ データ通信事業をエヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社(現:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ) 自動車電話・携帯電話・ポケットベル等の事業をエヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社(現:株式会社NTTドコモ) 県内通信事業を完全子会社の東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社 県間通信事業等を完全子会社のエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 にそれぞれ譲渡。
  16. ^ ウオッチ事業をセイコーウオッチ株式会社に譲渡
  17. ^ グループ経営管理事業を除く一切の事業を日本テレビ放送網株式会社に譲渡
  18. ^ テレビ事業はTBSテレビへ、ラジオ事業はTBSラジオ&コミュニケーションズへ移管。
  19. ^ テレビ放送事業を株式会社フジテレビジョンへ譲渡
  20. ^ イオンリテール光洋マックスバリュ長野等の地域法人・イオントップバリュなどの専門企業・コックス等の専門店担当会社へ移管。


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