持株会社OTD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 08:10 UTC 版)
今度は金融持株会社を利用するOTDの仕組みをみてみよう。前節のごとく、モーゲージ貸出をすると銀行の帳簿にモーゲージ債権と預金債務が生まれる。銀行の預金債務は、売り手の預金通貨となり、MMF等で運用される。この後3通りに分かれる。①証券子会社の管理する導管体がABCPを発行し、モーゲージ債権の購入と在庫保管を行う。②証券子会社がモーゲージ債権をSPV勘定へ移転し、ABCPやレポ債務で資金調達する。③証券子会社がSPV勘定でモーゲージを原資産にMBSを発行する。金融持株会社傘下の投資部門(SIV)やヘッジファンドはABCP発行、レポ債務等で資金調達し、MBSを保有する。MMF等の機関投資家はABCP、レポ債務等の債券を保有する。①から③いずれの場合も銀行子会社のバランスシートは相殺される。①から③で発行されたABCPは、銀行子会社が割引に対応する。これは、たとえばABCPの借換ができなくなると銀行子会社のバランスシートが復活するということである。ユニバーサル・バンクの弱点は、世界金融危機で露呈した。
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