ctbtとは? わかりやすく解説

シー‐ティー‐ビー‐ティー【CTBT】


包括的核実験禁止条約(ほうかつてきかくじっけんきんしじょうやく)(CTBT)

核爆発を伴うすべての核実験を禁止する条約

1996年、国連総会で採択された。まだ発効していない。発効には、核開発能力のある44ヶ国の批准が必要である。

44ヶ国のうち、批准を済ませているのは、英・仏など26ヶ国だけである。インド・パキスタンは、1998年の国連総会で1年以内の署名を示唆したが、実現していない。アメリカ上院でも1999年、批准が否決された。

CTBTが発効すれば、核軍縮に向けて大きな前進となるが、上記のように各国で批准が遅れていることから、発効のめどは立っていない。

(2000.02.13更新)


包括的核実験禁止条約(Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty : CTBT)


包括的核実験禁止条約

(ctbt から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/09 01:58 UTC 版)

包括的核実験禁止条約
核兵器拡散状況
     核保有国      NATOの核共有国      NPTのみ      非核兵器地帯
CTBTの批准国
  •   発効要件国、署名・批准
  •   発効要件国、署名のみ
  •   発効要件国、未署名
  •   非発効要件国、署名・批准
  •   非発効要件国、署名のみ
  •   非発効要件国、未署名
通称・略称 CTBT
署名 1996年9月10日
署名場所 ニューヨーク
発効 未発効
締約国 178か国
寄託者 国際連合事務総長
言語 アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語
主な内容 宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間での核兵器の核実験による爆発、その他の核爆発を禁止する
関連条約 核拡散防止条約、部分的核実験禁止条約
条文リンク 包括的核実験禁止条約(外務省)
ウィキソース原文
テンプレートを表示

包括的核実験禁止条約(ほうかつてきかくじっけんきんしじょうやく、Comprehensive Nuclear Test Ban Treaty、略称:CTBT)は、宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間での核兵器の核実験による爆発、その他の核爆発を禁止する条約である[1]。

1996年9月10日、国際連合総会によって採択され、日本は1996年9月24日に署名、1997年7月8日に批准した[1]。2026年1月現在で187カ国が署名、178カ国が批准しているが[2][3]、発効要件国(核兵器保有国を含む44か国)の批准が完了していないため未発効である[1][4]。

概要

この条約では、あらゆる空間(宇宙空間、大気圏内、水中、地下)における核実験の実施、核爆発を禁止している(第1条)。これは、部分的核実験禁止条約において禁止されていなかった地下核実験をも禁止対象とする。また、検証制度や監視機関である包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)の設置(第2条)も盛り込まれている[1]。さらに、検証制度についても規定がなされている[1]。

採択までの経過

第二次世界大戦終結後、核兵器の保有、開発競争が繰り広げられ、様々な核実験が行われた。しかしながら、核兵器のリスク、残酷さが徐々に明らかになる一方、民衆の反核運動が盛んになり、1955年8月6日には初めての原水爆禁止世界大会が開催されるなど、大きな関心を呼んだ。その後、世界的に核実験反対への動きが見られ始めた。その後、1959年9月、核保有国が主体となってジュネーヴ軍縮会議の前身である、10か国軍縮委員会が設立された。

この軍縮委員会の成果として、1963年8月、アメリカ合衆国、イギリス、ソビエト連邦によって、部分的核実験禁止条約が署名されたが、地下核実験を容認するなど抜け道もあった。

1994年1月、ジュネーヴ軍縮会議は地下核実験の禁止を含む本条約の交渉に入った。交渉は長期にわたって続けられたが、インドなどの反対によって会議での採択には至らなかった。しかし、本条約に対する世界的な支持を背景として、オーストラリアが中心となり、この条約案を国際連合総会に提出し、1996年9月、圧倒的多数の支持によって採択された。

現状

トリスタンダクーニャに設置された観測所(RN68)

この条約の発効には1996年6月時点で、ジュネーヴ軍縮会議の構成国であり、かつ国際原子力機関の『世界の動力用原子炉』および『世界の研究用原子炉』に掲載されている44か国すべての批准が必要であると第14条で規定しているが、アメリカ合衆国[注 1][注 2](外務省ホームページによると他にイスラエル、イラン、エジプト、中華人民共和国[5]の5か国)が署名のみで批准せず、朝鮮民主主義人民共和国、インド、パキスタンの3か国は署名していない[1]。以上8か国が未批准であるため、2018年現在、発効していない[1]。

CTBTOによる国際監視制度のための監視観測所整備は進められており、2016年11月時点で計画337ヶ所中、304ヶ所が完成している[1]。

なお、核爆発を伴わない臨界前核実験(未臨界核実験)は、当条約の対象ではないため、採択後もアメリカとロシアで臨界前核実験は繰り返し行われている。なお、未臨界核実験は核分裂を伴わない実験のため、核開発後進国から、既に技術の蓄積がある核保有国にとってのみ有利な条約との指摘がある[誰によって?] 。

採択以降、1998年5月、インド、パキスタンが核実験を実施、核保有を宣言した。さらに、朝鮮民主主義人民共和国は2006年以降、核実験を繰り返し(北朝鮮核問題)、ロシアでは2023年10月18日に下院で「CTBTの批准を撤回する法案を全会一致」により可決し[6]、プーチン大統領が2023年11月2日にその法案に署名し即時発効した[7]ことなどで、当条約自体の有名無実化が懸念されている。また、CTBTの署名開放から25年となる2022年9月、ツバル、ガンビア、ドミニカ、東ティモール、赤道ギニア、サントメ・プリンシペが、2023年にソロモン諸島が、2024年にパプアニューギニアが新たに批准し、締約国数は178か国となった。

日本国内の観測所

現在、以下の場所にCTBTの認証済み観測所が設置されている。

国内のCTBT国際監視制度施設
住所 場所 名称
群馬県高崎市 高崎量子応用研究所 高崎放射性核種監視観測所
沖縄県国頭郡恩納村 宇宙航空研究開発機構沖縄宇宙通信所 沖縄放射性核種監視観測所
茨城県東海村 原子力科学研究所 東海公認実験施設
長野県長野市 気象庁松代地震観測所 松代主要地震学的監視観測所
千葉県いすみ市 夷隅微気圧振動監視観測所

批准・署名状況

国 附属文書2要件国(条約発効要件国) 非附属文書2要件国 合計 加盟資格
署名・批准国 36 138 174 CTBT加盟国
核実験全面禁止機構準備委員会加盟国
核実験全面禁止機構加盟国(発効後)
署名国 5 8 13 核実験全面禁止機構準備委員会加盟国
非署名国 3 8 11
合計 44 152 196

署名したが批准はしていない国

国[8][2] 附属文書 署名
 中国 1, 2 1996年9月24日
 コモロ 1 1996年12月12日
 エジプト 1, 2 1996年10月14日
 イラン 1, 2 1996年9月24日
 イスラエル 1, 2 1996年9月25日
 ネパール 1 1996年10月8日
 パプアニューギニア 1 1996年9月25日
 サントメ・プリンシペ 1 1996年9月26日
 ソロモン諸島 1 1996年10月3日
 赤道ギニア 1 1996年10月9日
 スリランカ 1 1996年10月24日
 アメリカ 1, 2 1996年9月24日
 イエメン 1 1996年9月30日

署名していない国

国 附属文書
 ブータン 1
 キューバ 1
 インド 1, 2
 モーリシャス 1
 朝鮮民主主義人民共和国 1, 2
 パキスタン 1, 2
 サウジアラビア 1
 ソマリア 1
 南スーダン 1
 シリア 1
 トンガ 1

加えて、国際連合総会オブザーバーであるパレスチナ国も署名していない。

2023年11月、ロシアが批准を撤回した。

脚注

注釈

  1. ↑ クリントン政権は1996年9月に署名済みだが、当時共和党が多数派だった上院が批准に反対した。その後ブッシュ政権も核爆発を伴わない「未臨界核実験」を実施し、世界的な批判を受けた。オバマ大統領は上院に批准を勧めると表明している。
  2. ↑ 2009年4月5日、チェコのプラハで核兵器に関する演説で、核兵器を使用した唯一の核保有国として、米国には行動すべき道義的責任があると述べ、核兵器のない世界に向けた具体的な措置として、ロシアとの戦略兵器削減条約(START2) の交渉、検証可能な核分裂物資生産禁止条約(カットオフ条約)の実現、CTBTの早期発効を目指すことを明らかにした。

出典

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 外務省 (2018年9月26日). “包括的核実験禁止条約”. 2019年5月25日閲覧。
  2. 1 2 “Status of signature and ratification: CTBTO Preparatory Commission”. CTBTO Preparatory Commission (2019年2月13日). 2026年1月6日閲覧。
  3. ↑ “第12回包括的核実験禁止条約(CTBT)発効促進会議”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2022年8月8日閲覧。
  4. ↑ “CTBT(包括的核実験禁止条約) - 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター”. www.jaea.go.jp. 2022年8月8日閲覧。
  5. ↑ アメリカと同様、批准に前向きな姿勢を見せている。共同通信2009年9月24日
  6. ↑ ケイトリン・ルイス (2023年10月22日). “プーチンが、習近平との会談に持ち込んだ「核のカバン」を撮影…これが核戦争の幕を開ける「チェゲト」だ”. ニューズウィーク日本版. 2023年10月22日閲覧。
  7. ↑ “プーチン大統領、CTBT批准撤回法案に署名 即時発効”. ロイター (2023年11月2日). 2023年11月2日閲覧。
  8. ↑ “Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty”. United Nations Treaty Collection (2013年2月24日). 2013年2月24日閲覧。

関連項目

外部リンク



英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ctbt」の関連用語

ctbtのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ctbtのページの著作権

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
時事用語のABC時事用語のABC
Copyright©2026 時事用語のABC All Rights Reserved.
外務省外務省
Copyright©: 2026 Ministry of Foreign Affairs of Japan
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの包括的核実験禁止条約 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2026 GRAS Group, Inc.RSS