RB・フォーミュラワン・チームとは? わかりやすく解説

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RB・フォーミュラワン・チーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/09 14:32 UTC 版)

レーシングブルズ・ホンダ・RBPT
Racing Bulls
エントリー名 ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズ・フォーミュラワンチーム
チーム国籍 イタリア
チーム本拠地 イタリア エミリア=ロマーニャ州ファエンツァ
主なチーム関係者
チーフテクニカル
オフィサー(CTO)
ティム・ゴス
テクニカルディレクター
  • ギヨーム・カッテラーニ
  • アンドレア・ランディ
  • 折原伸太郎(PU部門、HRC
公式ウェブサイト https://www.visacashapprb.com/int-en
以前のチーム名称 スクーデリア・アルファタウリ
2025年のF1世界選手権
ドライバー
リザーブドライバー 岩佐歩夢
シャシー VCARB 02
エンジン ホンダRBPTH003
タイヤ ピレリ
F1世界選手権におけるチーム履歴
参戦年度
  • 2024(RB)
  • 2025 -(レーシングブルズ)
出走回数
  • 24(RB)
  • 2(レーシングブルズ)
コンストラクターズ
タイトル
0
ドライバーズ
タイトル
0
優勝回数 0
通算獲得ポイント
  • 46(RB)
  • 3(レーシングブルズ)
表彰台(3位以内)回数 0
ポールポジション 0
ファステストラップ
  • 1(RB)
  • 0(レーシングブルズ)
F1デビュー戦 2024年バーレーンGP
2024年順位 8位 (46ポイント)
(記録は2025年中国GP終了時)
テンプレートを表示


レーシングブルズ S.p.A,(Racing Bulls S.p.A,)は、2024年からF1に参戦するレーシングコンストラクター。前身チーム「スクーデリア・アルファタウリ」から改称し、リニューアルして誕生した。2025年以降のエントリー名は「ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズ・フォーミュラ1チーム」[1]、略称VCARB(ヴィーカーブ)。

本拠地はイタリアファエンツァだが、イギリスにも拠点を置く(#本拠地も参照)。チーム代表はアラン・パーメインが務める。

母体はオーストリアの飲料メーカー「レッドブル」グループ

概要・背景

2022年11月に親会社であるレッドブル・グループの経営陣が新しくなったことで、フォーミュラ1に参戦しているレーシングコンストラクター「スクーデリア・アルファタウリ」の成績が振るわないことや、レッドブル・レーシングとの関係が十分に効率化されていないことから、現状では採算が取れないとして問題視されるようになる[2][3]。しかし、最終的にチームの売却は行わず、レッドブル・レーシングとの連携強化を含め、チームの経済的価値および存在意義を向上させるための手段を取る方針を固めた。その結果、翌2024年シーズンからのタイトルスポンサーとしてビザキャッシュアップを獲得。さらに同社で展開していたファッションブランド『アルファタウリ』の失敗も相まって、チーム名を『ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム』、法人名を『レーシング・ブルズ S.p.A,』にそれぞれ変更することとなった[4]。参戦2年目の2025年からチーム名を『ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズ・フォーミュラワン・チーム』に変更した[1]

本拠地

チーム本拠地は前述の通りイタリアのファエンツァだが、トロ・ロッソ時代からイギリス・ビスター英語版風洞を構え、CFD部門などのエンジニアもビスターに在籍していた。ただチームの人員増によりビスターの施設が手狭になったことなどから、チームではレッドブル・レーシングの本拠地があるミルトン・キーンズに新たな施設を建設し、ビスターの人員を移転させることになり[5]、2025年1月より新施設での業務を開始している[6]。なお「ファエンツァから完全撤退し本拠地をミルトン・キーンズに集約する」という説も度々流れているが、チーム代表のメキースはそれは否定している[5]

F1参戦シーズン

前史

2005年11月、レッドブル・レーシングのオーナーであるオーストリアの大手企業『レッドブル・グループ』が、イタリアのF1チーム「ミナルディ」を買収して新チーム「スクーデリア・トロ・ロッソ」を設立[7]。翌2006年シーズンよりF1に新規参戦する。

以降はレッドブル・レーシングのセカンドチームとして機能し、セバスチャン・ベッテルダニエル・リカルドマックス・フェルスタッペンらの名手を輩出した。2008年シーズンには、前身ミナルディ時代も含めての初優勝[8]2018年からは、エンジンサプライヤーのホンダと組んでチーム史上初のワークス体制で臨み[9]2019年シーズンには両ドライバーが11年ぶりとなる表彰台にも上がっている[10]。そして「スクーデリア・アルファタウリ」へと改称した2020年シーズンにはチームとして2勝目を挙げている[11]

2024年

前身チーム「スクーデリア・アルファタウリ」からコンストラクターを改称し、2月から正式にリニューアルしての活動を開始。ドライバーはダニエル・リカルド角田裕毅、エンジン供給はホンダRBPTが担当し、前シーズン途中からのラインナップを継続している。一方でトロ・ロッソ→アルファタウリ時代のチーム代表だったフランツ・トストは代表を退き、後任に元フェラーリローラン・メキースが就任した。改称後はテクニカルスタッフを強化し、元マクラーレン国際自動車連盟(FIA)のテクニカルスタッフも務めたティム・ゴス最高技術責任者(CTO)に迎えたほか、ギヨーム・カッテラーニやアラン・パーメインといった他チームで経験豊富なベテランエンジニアを複数獲得している[12][13]

2月8日、アメリカ・ラスベガスで2024年マシンを発表[14]。車体は、新たな型式名「VCARB 01」と命名[15]。カラーリングはアルファタウリ時代の白とマット塗装の濃紺から、さらにその前身のスクーデリア・トロ・ロッソ時代を彷彿とさせるメタリックブルー中心のものに一新された[16]。シンガポールGP後、ダニエル・リカルドがチームを離脱し、新たにレギュラードライバーとしてリアム・ローソンが起用されることが発表された[17]

2025年

本年より、コンストラクター名称を「RB」から「レーシングブルズ」に変更[1]。ドライバーは残留した角田と[18]、リザーブドライバーから昇格したアイザック・ハジャーが務める[19]。第3戦日本GPより、ローソンがレッドブルから降格させられる形で復帰し[20]、角田がレッドブルへ昇格した[21]。 7月9日、チーム代表のメキースがクリスチャン・ホーナーに代わってレッドブルのチーム代表に就任したことに伴い、レーシングディレクターのアラン・パーメインがチーム代表に昇格した[22]

F1における戦績

シャシー パワーユニット タイヤ No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 ポイント WCC
2024 VCARB 01 ホンダ
RBPTH002
1.6L V6 t
P BHR SAU AUS JPN CHN MIA EMI MON CAN ESP AUT GBR HUN BEL NED ITA AZE SIN USA MXC SÃO LVG QAT ABU 46 8位
3 リカルド   13 16 12 Ret Ret11 154 13 12 8 15 914 13 12 10 12 13 13 18 12
30 ローソン 916 16 99 16 1416 17 4
22 角田 14 15 7 10 Ret16 78 10 8 14 19 1413 10 9 16 17 Ret Ret 12 1411 Ret 715 9 1317 12 30
2025 VCARB 02 ホンダ
RBPTH003
1.6L V6 t
P AUS CHN JPN BHR SAU MIA EMI MON ESP CAN AUT GBR BEL HUN NED ITA AZE SIN USA MXC SAP LVG QAT ABU 36* 7位*
6 ハジャー DNS 1113 8 13 10 1110 9 6 6 16 12 Ret 21*
22 角田 12 166 3
30 ローソン 17 16 12 Ret13 14 8 11 Ret 6 Ret 12*

車両ギャラリー

グラウンドエフェクト型(2024年 - )

大型スポンサー

脚注

  1. ^ a b c 2025年F1エントリーリスト発表。『RB』が『レーシングブルズ』に名称変更。空欄は角田裕毅のチームメイトのみ”. autosport web (2024年12月14日). 2024年12月21日閲覧。
  2. ^ レッドブル社が新体制に移行も、F1活動は安泰。故マテシッツ氏が生前に新風洞建設を承認、長期的な予算を確保”. AUTOSPORT web (2022年11月5日). 2024年1月25日閲覧。
  3. ^ アルファタウリF1が名称変更の可能性。レッドブルF1ボス、チーム売却については否定も課題ありと明言”. AUTOSPORT web (2023年3月28日). 2024年1月25日閲覧。
  4. ^ アルファタウリF1の新チーム名が正式発表。ビザとの提携で『ビザ・キャッシュアップRB』に”. AUTOSPORT web (2024年1月24日). 2024年1月25日閲覧。
  5. ^ a b RBメキーズ代表、本拠地の”レッドブル隣”移転を完全否定「ファエンツァはとても優れている」でも”2拠点生活”は目指す? - motorsport.com 2024年2月28日
  6. ^ ‘Game-changing’ Racing Bulls move underway as brand-new facility comes online - PlanetF1・2025年1月2日
  7. ^ さようなら、ミナルディ!――レッドブル、イタリアンチームを買収”. webCG (2005年9月13日). 2020年2月1日閲覧。
  8. ^ 第14戦イタリアGP「小さなチームの大きな功績」”. webCG (2008年9月15日). 2020年2月1日閲覧。
  9. ^ ワークス待遇は”贅沢”とトロロッソ「ホンダと組んだのは最高の決断」”. motorsport.com (2018年3月6日). 2020年2月1日閲覧。
  10. ^ さらばトロロッソ、14年の歴史に有終の美「史上最も成功したシーズン。ホンダに心から感謝」”. formula1-data.com (2019年12月2日). 2020年2月1日閲覧。
  11. ^ ガスリーがF1初優勝! 赤旗&ハミルトンのペナルティの大波乱を逃げ切る”. AUTOSPORT web (2020年9月7日). 2024年1月25日閲覧。
  12. ^ 技術部門にビッグネーム獲得のレーシング・ブルズ。レッドブルF1からの独立性をライバルから認められるのか - オートスポーツ・2024年2月3日
  13. ^ ビザ・キャッシュアップRB F1チームが体制強化。パーメインがレーシングディレクター、元FIAのゴスが最高技術責任者に - オートスポーツ・2024年1月30日
  14. ^ ビザ・キャッシュアップRB、角田裕毅が操る2024年マシン『VCARB 01』発表! トロロッソ時代のメタリックブルーへ回帰”. jp.motorsport.com (2024年2月9日). 2024年2月9日閲覧。
  15. ^ VCARB 01 | Visa Cash App RB Formula One Team” (英語) (2024年1月29日). 2024年2月9日閲覧。
  16. ^ レーシング・ブルズF1が2024年型F1マシン『VCARB 01』のリバリーをお披露目。ブルー基調に一新 - autosport web”. www.as-web.jp. 2024年2月9日閲覧。
  17. ^ RB、F1アメリカGPからのリアム・ローソン起用を正式発表。ダニエル・リカルドはチーム離脱”. www.as-web.jp (2024年9月27日). 2024年10月2日閲覧。
  18. ^ レッドブルのジュニアチームで5年目を迎える角田裕毅。ホーナー代表、2025年末で手放す可能性を示唆も、昇格も否定せず”. autosport web (2024年12月21日). 2024年12月21日閲覧。
  19. ^ アイザック・ハジャルがF1昇格。RBが2025年の起用を発表「チームのためにベストを尽くす準備はできている」”. autosport web (2024年12月20日). 2024年12月21日閲覧。
  20. ^ Liam To Drive For VCARB From The Japanese Grand Prix” (英語). Visa Cash App Racing Bulls Formula One Team. 2025年3月27日閲覧。
  21. ^ Yuki Tsunoda to drive for Oracle Red Bull Racing from the 2025 Japan GP” (英語). Oracle Red Bull Racing. 2025年3月27日閲覧。
  22. ^ クリスチャン・ホーナーを事実上の更迭。レーシングブルズがメキースのレッドブル新チーム代表就任を発表”. autosport web (2025年7月9日). 2025年7月9日閲覧。

関連項目

外部リンク




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