レーシング・ポイントとは? わかりやすく解説

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レーシング・ポイント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/20 19:55 UTC 版)

レーシング・ポイント
Racing Point
活動拠点 イギリス
イングランド
ノーサンプトンシャー州シルバーストン
創設者 ローレンス・ストロール
スタッフ オトマー・サフナウアー(チーム代表)
アンディ・スティーブンソン(スポーティングディレクター)
スティーブ・カーナウ(コマーシャルディレクター)
アンドリュー・グリーン(テクニカルディレクター)
トム・マカロー(チーフレースエンジニア)
ドライバー セルジオ・ペレス
エステバン・オコン
ランス・ストロール
ニコ・ヒュルケンベルグ
参戦年度 2019年 - 2020年
(※2018年はフォース・インディア名義)
出走回数 ※9(2018年)
38
コンストラクターズ
タイトル
0
ドライバーズタイトル 0
優勝回数 1
通算獲得ポイント ※52(2018年)
268
表彰台(3位以内)回数 3
ポールポジション 1
ファステストラップ 0
F1デビュー戦 2018年ベルギーGP
(フォース・インディア名義)
2019年オーストラリアGP
初勝利 2020年サクヒールGP
最終勝利 2020年サクヒールGP
最終戦 2020年最終戦アブダビGP
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レーシング・ポイントUKリミテッドRacing Point UK Limited)はかつて存在した、2018年に発足したF1のコンストラクター。

同年半ばから、前身のフォース・インディアを引き継いで緊急参戦。翌年から正式に始動し、2020年まで活動した。翌2021年から改称して「アストンマーティンF1」に移行している。

概要

2008年から参戦していたフォース・インディアを買収し、2018年シーズン半ばより参戦しているF1チーム。元をたどるとジョーダン・グランプリ(1991年 - 2005年)→MF1レーシング(2006年)→スパイカーF1(2007年)→フォース・インディア(2008年 - 2018年)と続く系譜に連なるチームである。なお登記上は、レーシング・ポイントはフォース・インディアとのつながりは無く[1]ジョーダン・グランプリ以来続いていた法人としてのフォース・インディア・フォーミュラワン・Limitedは消滅することになった[2]

シーズン

2018年

かねてから深刻な資金難に陥っていたフォース・インディアは、ハンガリーGPにてチームの破産手続きを開始したと発表[3]。債権者の一人でもあったドライバーのセルジオ・ペレスは、チームを破綻から救うために断腸の思いで手続きを決断したと語った[4]。これによってチームは管財人の管理下で売却先を求めることになり、2017年よりF1参戦しているランス・ストロールの父親で資産家のローレンス・ストロールが率いるコンソーシアムへの売却が決まった[5]。そして新会社、レーシング・ポイント UK Limitedを設立した[1][6]新会社はチームの資産を購入し、チームで働く400人の従業員の雇用を確保することで管理者と合意に達した[7][8]。そしてその資産を活用して、元フォース・インディアの空いたエントリーを引き継いで新たなコンストラクターとして第13戦ベルギーGPよりチーム名を「レーシング・ポイント・フォース・インディア・F1チーム」に変更、また国籍はインドからイギリスに変更された[9]

FIAからの承認を受けて同GPからの出場は可能になったが、新規参戦チームとして扱われ、ハンガリーGPまでのコンストラクターズポイントは無効とされた(ドライバーズポイントに関してはそのまま保持)。レーシング・ポイントUK社は、2010年以来チームでCOOを務めてきたオットマー・サフナウアーをチーム代表兼CEOに指名。副代表としてチームを率いてきたロバート・ファーンリーは退任することも発表された。それ以外の上層部の人事には変更はない[10]

新生フォース・インディアの初戦となったベルギーGPは、雨による混乱のあった予選でエステバン・オコンが3位、ペレスが4位とグリッドの2列目を占め、決勝でもペレスが5位、オコンが6位とダブル入賞を果たした。ポイントが無効とされた当時、59ポイントでコンストラクターズ・ランキングの5位につけていたが、ベルギーGP以降52ポイントを獲得し、ランキング7位まで盛り返した。

2019年

今期から正式に、コンストラクター名を「レーシング・ポイント」で承認。ケニアのオンラインブックメーカー「スポーツペサ」がタイトルスポンサーに就任し、「スポーツペサ・レーシング・ポイントF1チーム」の名で参戦を開始[11]。ペレスが残留し、ウィリアムズからランス・ストロールが移籍した。エンジンの供給は引き続きメルセデスが請け負うが、2017年よりスポンサーを務めるBWTの名称を冠して「BWTメルセデス」の名で登録する[12]

シーズンは、序盤戦こそまずまずのスタートを切ったものの、早い段階から下位に低迷した。これは昨シーズン途中のチーム消滅で予算の不透明な問題が響き、来期の開発に注力出来なかったのも影響した。しかし後半戦から立て直し、特にペレスの奮闘で大きくV字回復を遂げている[13]。反面ストロールは、ドイツGPで今期チーム最高の4位を記録した以外は伸び悩んだ。そのため、昨シーズンの実質成績(フォース・インディア59Pとレーシング・ポイント52Pの合算111ポイント)からは後退している[14]

2020年

マシン・ドライバー・エンジンサプライヤー共に、昨シーズンのラインナップを継続。スポーツペサがタイトルスポンサーを降板し、以前からパートナーシップを組む「BWT」が新たに就任[15]。今期のエントリー名は、「BWT・レーシング・ポイントF1チーム」となる[16]

レーシングポイントから「アストンマーティン」へ

2020年1月、チームのオーナーであるローレンス・ストロール率いる投資家グループが、イギリスの有名な自動車メーカーブランド「アストンマーティン」の株式を取得し、企業の大株主に就く[17]。そしてコンストラクター名の「レーシングポイント」を改称することになり、翌2021年シーズンより61年ぶりに「アストンマーティン」によるコンストラクター名の復帰が明らかとなった。これにより現体制(製造者名)では、 2020年シーズンが最後の参戦になる[18]

戦績

※2018年のコンストラクター登録は「フォース・インディア」名義

シャシー エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 ポイント 順位
2018年 フォース・インディア VJM11 メルセデス・M09 EQ Power+
1.6L V6ターボ
P AUS
BHR
CHN
AZE
ESP
MON
CAN
FRA
AUT
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
SIN
RUS
JPN
USA
MEX
BRA
ABU
52 7位
セルジオ・ペレス 5 7 16 10 7 8 Ret 10 8
エステバン・オコン 6 6 Ret 9 9 DSQ 11 14 Ret
2019年 レーシング・ポイント RP19 BWTメルセデス
1.6L V6ターボ
P AUS
BHR
CHN
AZE
ESP
MON
CAN
FRA
AUT
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
SIN
RUS
JPN
MEX
USA
BRA
ABU
73 7位
セルジオ・ペレス 13 10 8 6 15 12 12 12 11 17 Ret 11 6 7 Ret 7 8 7 10 9 7
ランス・ストロール 9 14 12 9 Ret 16 9 13 14 13 4 17 10 12 13 11 9 12 13 19† Ret
2020年 レーシング・ポイント RP20 BWTメルセデス
1.6L V6ターボ
P AUT
STY
HUN
GBR
70A
ESP
BEL
ITA
TUS
RUS
EIF
POR
EMI
TUR
BHR
SKH
ABU
195
(210)
4位
セルジオ・ペレス 6 6 7 WD 5 10 10 5 4 4 7 6 2 18 1 Ret
ニコ・ヒュルケンベルグ DNS 7 8
ランス・ストロール Ret 7 4 9 6 4 9 3 Ret Ret WD Ret 13 9 Ret 3 10

ギャラリー

パワーユニット型(2018年 - 2020年)

脚注

  1. ^ a b AMR GP LIMITED”. Companies House. 2023年5月25日閲覧。
  2. ^ FORCE INDIA FORMULA ONE LIMITED”. Companies House. 2023年5月26日閲覧。
  3. ^ フォース・インディア、破産手続きを開始”. F1-Gate.com (2018年7月28日). 2018年8月9日閲覧。
  4. ^ ペレス、フォース・インディアF1破産申請の経緯を明かす。「スタッフに法的措置を請われ断腸の思い」”. AUTOSPORTweb (2018年7月31日). 2018年8月9日閲覧。
  5. ^ 消滅危機のフォース・インディアF1をストロール父が救済。チームは新オーナーのもと、活動継続へ”. AUTOSPORTweb (2018年8月8日). 2018年8月9日閲覧。
  6. ^ レーシングポイント、フォースインディアの資産のみを買収”. F1-Gate.com (2018年8月24日). 2018年8月25日閲覧。
  7. ^ FIA Approves Mid-Season Entry from Racing Point Force India”. FIA (2018年8月23日). 2019年3月6日閲覧。
  8. ^ Brooks, Roddy (2018年8月8日). “Lance Stroll's father agrees Force India takeover deal to save all 405 jobs”. Independent. https://www.independent.co.uk/sport/motor-racing/formula1/force-india-takeover-lance-stroll-father-lawrence-administration-f1-formula-one-a8482126.html?amp 2018年8月21日閲覧。 
  9. ^ レーシングポイント、フォースインディアの資産のみを”. F1-Gate.com (2018年8月24日). 2018年8月25日閲覧。
  10. ^ 新生“レーシング・ポイント・フォース・インディア”のF1参戦が承認。チーム譲渡により前半戦のポイントは取り消しに”. AUTOSPORTweb (2018年8月24日). 2018年8月25日閲覧。
  11. ^ レーシングポイント、2019年F1マシンのカラーリングを披露”. オートスポーツweb (2019年2月14日). 2019年2月14日閲覧。
  12. ^ レーシングポイント、2019年のF1エンジンを「BWT-Mercedes」とネーミング”. FORMULA1-DATA.com (2019年3月4日). 2019年12月21日閲覧。
  13. ^ 「レーシングポイントF1にとって困難なシーズンだったが、いい仕事ができた」ペレス、2020年の飛躍に期待”. オートスポーツweb (2019年12月25日). 2020年1月8日閲覧。
  14. ^ F1プライベーター通信簿(5):レーシングポイント|浮き沈みが激しかった1年”. Motorsport.com (2019年12月21日). 2020年1月8日閲覧。
  15. ^ 飛躍の基礎を築けるか。レーシングポイント、新車『RP20』のカラーリングを発表”. motorsport.com (2020年2月17日). 2020年2月18日閲覧。
  16. ^ レーシングポイントF1、2020年の新車「RP20」とチーム名変更を発表”. FORMULA1-DATA.com (2020年2月19日). 2020年2月22日閲覧。
  17. ^ ストロール父がアストンマーチン大株主に。レーシングポイントの名称も変更へ”. motorsport.com (2020年1月31日). 2020年2月18日閲覧。
  18. ^ 2020年型レーシングポイントF1マシン『RP20』”. オートスポーツweb (2020年2月17日). 2020年2月18日閲覧。

外部リンク




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