1980年代以降の日本の主な製品
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「魚醤」の記事における「1980年代以降の日本の主な製品」の解説
日本では1990年代に料理用調味料として魚醤製品が注目されたことがあった。酵素や麹を用いて製造する方法が試行錯誤され、1989年に発売されたマリナージを嚆矢として様々な商品が開発された。しかし結局小売製品としての市場は拡大せず、これらの商品は2000年代以降加工食品の調味材料として生産されることが一般的になった。主なものは以下の通り。 エムジーシーマリナージ - マリナージ(イワシを酵素分解) 海択舎 - 本魚醤(サバ・イカ・サケを酵素分解) 宝酒造 - だししるべ(アジを酵素分解) また、2000年代以降は地域おこしの一環として、産学連携の成果として各地の特産海産物を原料とした魚醤も数多く開発された。主な取り組みを挙げる。 北海道 - 1999年(平成11年)ごろから海産物を原料とした魚醤が水産会社により開発され始めた。2008年には北海道魚醤油生産組合が立ち上げられ、以後数十社が参加して商品が開発された。北海道の名産品であるサケやホタテを用いたものの外に、サンマ、寿都町名産のホッケ、苫小牧市名物ウバガイなどを用いた製品がある。2011年には北海道の食クラスター連携協議体重点プロジェクトに採用されて補助金が投下され、北海道産魚醤の統一ブランド名「雪ひしお」やゆるキャラ「雪ひしおくん」のPRが行われた。 高知県 - 橋本大二郎知事(当時)の肝煎りにより1993年に設立された第三セクター「高知県商品計画機構」が、高知名産のカツオの内臓や粗を用いた魚醤「びーみ」を開発した。しかし、同機構の運営が思わしくなく、2001年(平成13年)度を以って清算し、現在は入手不可能。 宮城県 - 気仙沼漁港の飲食店等の有志が集まった気仙沼最高料理技術研鑽会が、漁港の名産品であるサンマ、イカナゴ、アミなどを用いた魚醤「魚塩汁きがき」を開発した。 大分県 - 2004年に日田市の会社が大分県産業科学技術センターと共同でアユを用いた「鮎魚醤」を開発した。淡水魚であるため通常の魚醤と臭みが異なる。 新潟県 - 新潟漁業協同組合と新潟県すし商生活衛生同業組合が新潟県水産海洋物研究所と共同でホッコクアカエビを用いた「南蛮海老醤油」を開発した。2010年にはPR団体として「新潟魚醤油食ブランド普及協議会」が設立され、新潟市内の飲食店で提供されている。 神奈川県 - 湘江亭が相模湾で採れるカタクチイワシを用いた「鵠沼魚醤」を開発した。鵠沼地区地域経営会議のプロモーションにより藤沢市内の飲食店で提供されている。 愛知県 - 2000年に豊浜水産物加工業協同組合が愛知県産業技術研究所と共同でカタクチイワシを用いた「しこの露」を開発した。2003年には全国中小企業団体中央会から全国地場産業大賞優秀賞を受賞している。また、愛知県立三谷水産高校および地元企業が連携してウナギの頭を用いた魚醤「鰻能(ばんのう)」も商品化されている。 長崎県 - 2020年に麹と五島列島の椿の花から取れた「五島つばき酵母」を使用した魚醤として五島の椿株式会社と金沢鮮魚が共同で「五島の醤」を開発。⻑崎県⽔産加⼯振興祭⽔産製品品評会において、⽔産庁⻑官賞を受賞している。
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