非防護巡洋艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/18 16:21 UTC 版)
非防護巡洋艦(ひぼうごじゅんようかん;英語: Unprotected cruiser)は、19世紀末から20世紀初頭にかけて存在した巡洋艦の形式。
概要
装甲艦や戦艦、装甲巡洋艦が舷側に鋼鉄の装甲を備え、防護巡洋艦では舷側には装甲を備えず、防護甲板として主機室の上の甲板のみに装甲を施していたのに対して、防護甲板すら装備しなかった非防御の巡洋艦をいう。防護巡洋艦では弾薬庫とボイラーと機関室と石炭庫のみが防御するための装甲甲板を装備していたが、非防護巡洋艦ではそれすら装備されなかった。
主に俊敏性を活かして植民地の哨戒などの任務に従事した。
艦級は個々の海軍によって異なり、イギリス海軍では非防護巡洋艦は防護巡洋艦と同様の3等巡洋艦として扱われた。ドイツ帝国海軍では主に外国と植民地で1875年まで巡洋艦の主流として運用され、蒸気機関と補助的に帆を装備した。大日本帝国海軍では通報艦に分類された。
弩級戦艦の登場と共にまともな装甲を備えない非防護巡洋艦は陳腐化して艦種が消滅した。
日本の非防護巡洋艦
脚注
参考文献
- 世界の艦船(海人社)増刊『日本巡洋艦史』、『アメリカ巡洋艦史』、『イギリス巡洋艦史』、『フランス巡洋艦史』、『イタリア巡洋艦史』、『ドイツ巡洋艦史』
非防護巡洋艦
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装甲艦の影響を受けた装甲帯巡洋艦と対照的に、高速軽快なフリゲート・通報艦を母体にした非防護巡洋艦も建造されていた。これらの艦は、通商破壊や商船護衛、前路哨戒や植民地警備といった様々な任務に投入されていた。 また1884年度でイギリス海軍が建造したスカウト級のように、水雷攻撃を意図した水雷巡洋艦の任務を帯びた艦もあった。しかし巡洋艦としての設計であったため船殻重量過大であり、また軽量大出力の適切な機関が得られなかったことから所期の速力を達成できず、その後の進化に繋がることはなかった。
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