鉄、ナトリウム及び酸素が関与する界面反応による床ライナの腐食に関する知見を欠いていたため、上記腐食により床ライナに貫通孔が生じ得ることを看過した点に関する判断とは? わかりやすく解説

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鉄、ナトリウム及び酸素が関与する界面反応による床ライナの腐食に関する知見を欠いていたため、上記腐食により床ライナに貫通孔が生じ得ることを看過した点に関する判断

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 06:59 UTC 版)

もんじゅ訴訟」の記事における「鉄、ナトリウム及び酸素が関与する界面反応による床ライナの腐食に関する知見を欠いていたため、上記腐食により床ライナに貫通孔が生じ得ることを看過した点に関する判断」の解説

1995年12月8日核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律281項規定に基づく使用前検査最中に、2次冷却系のCループ配管取り付けられていた温度計さや管の細管部が破損し、この破損部から配管室内2次冷却ナトリウムが約3時40分にわたって漏えいする事故(以下「本件ナトリウム漏えい事故」という。)が発生し漏えいしたナトリウム空気中の酸素反応してナトリウム火災起こした本件ナトリウム漏えい事故では、漏えい箇所直下近傍の床ライナ板厚約6mm)に凹凸生じ全体として上下方向にたわみが認められ局所的に0.5mmないし1.5mm程度板厚減少観察され、床ライナ加熱温度は最高で750推定されている。動燃は、その原因等を解明するため2回にわたって燃焼実験実施した1996年平成8年4月8日燃焼実験Iでは、鋼鉄製の円筒容器内でナトリウム漏えいさせたところ、床ライナ模擬した鋼製受け皿貫通損傷はなかったものの、最大約1mmの減肉認められ受け皿測定され温度740ないし750推移した同年6月7日燃焼実験IIでは、コンクリート製容器内でナトリウム漏えいさせたところ、厚さ約6mmの鋼製の床ライナに5箇所貫通孔が認められ、床ライナ測定され温度おおむね800ないし850推移した本件ナトリウム漏えい事故及び燃焼実験Iでは、室内からの湿分の供給少なかったため、水酸化ナトリウム生成少なく酸化ナトリウム鋼板)が高温反応して複合酸化物形成することにより腐食するナトリウム複合酸化腐食生じた考えられる他方燃焼実験IIでは、実験行った容器容積小さかったこと等から、ナトリウム燃焼に伴い室内温度高温となってコンクリート壁から多量水分放出され、これにより生成され水酸化ナトリウム等の溶融体に、過酸化ナトリウム溶け込んで過酸化物イオンとなり、床ライナ)を急速に腐食させる溶融塩腐食界面反応による腐食)が生じた考えられる。そして、溶融塩腐食は、ナトリウム複合酸化腐食より約5倍腐食速度速いことが判明した。 このナトリウム及び酸素関与する激し腐食知見は、本件処分当時高速増殖炉開発及びその安全審査関係者にとっては、問題意識があれば知り得た知見であったものの、知られていなかったため、本件安全審査においては、床ライナ健全性については熱膨張によって機械的に破損するか否かということ重点置いた審査がされた。 この点において、原審本件原子炉施設基本設計安全性にかかわる事項についての安全審査における看過し難い過誤欠落に当たるとした。 しかし、最高裁は、条件次第ではナトリウム漏えいにより溶融塩腐食生ず場合があり、この場合に床ライナ貫通孔が生ずれば、「漏えいナトリウムコンクリートとの直接接触防止」という床ライナ機能果たされないこととなることを認めたが、しかし、床ライナ溶融塩腐食生じても、床ライナ板厚等の具体的形次第では漏えいナトリウムコンクリートとが直接接触することを防止することが可能であるというのであれば2次冷却漏えい事故備えて上記安全対策を行うことを内容とする本件原子炉施設基本設計合理性失わず、床ライナ腐食対す対策が、後続設計及び工事方法認可以降段階における規制の対象とされ、その基本設計安全性にかかわる事項含まれないとすることは、不合理であるとはいい難いことになるとした。 そこで、検討すると、(1) 本件ナトリウム漏えい事故後に, 動燃は, 現状本件原子炉施設において2次冷却ナトリウム漏えいしたときに床ライナに最も腐食速度速い溶融塩腐食生ずると仮定して, ナトリウム燃焼解析実施した, (2) その解析条件は, 漏えいナトリウム初期温度507, 部屋初期温度35, 相対湿度80%, ナトリウム漏えい継続時間80分から82分等としたものであった(3) 解析結果は、板厚約6mmの床ライナ減肉量が、中央値で3.2mmないし3.3mmであり, 上限値で5.2mmないし5.5mmであった、というのであり, 要するに、現状施設において上記解析条件と同じ条件下で溶融塩腐食生じても, 現状板厚約6mmの床ライナ貫通孔は生じないというのである確かに上限値場合には、現状板厚約6mmの床ライナでは、残存肉厚が0.5mmないし0.8mmであり、余裕として十分か否か問題となるが、減肉量に相応した板厚等の具体的な設計によって床ライナ健全性維持することも不可能ではないということができる。また、ナトリウム漏えいワーキンググループ第3次調査報告書は、床ライナ腐食抑制対策として、最高温度を低く抑えること及び高温持続時間短く抑えることが有効であるとの基本的な考え方示しているところ、これを踏まえた腐食抑制対策を採ることも考えられるところである。動燃1998年平成10年5月付け報告書において取りまとめ設備改善策も、これに沿うものであり。従来設計基本的考え方前提とした上で、その裕度向上を図るのであるが, もんじゅ安全性確認ワーキンググループは, 上記改善策前提とすると、最も厳しい条件考慮しても床ライナ健全性確保されることを確認した。 以上の点に照らせば、上記の床ライナ溶融塩腐食という知見踏まえても、床ライナ腐食対す対策を行うことにより漏えいナトリウムコンクリートとが直接接触することを防止することが可能であり、2次冷却漏えい事故に対して床面鋼製ライナ設置するという対策を行うことはその有効性失わず鋼製の床ライナ設置するとの本件原子炉施設基本設計をもって不合理なものということはできない。そして、床ライナ腐食対す対策については、後続設計及び工事方法認可以降段階でこれを行うことによって対処することが不可能又は非現実的であるとはいえず、これを原子炉設置の許可段階においては安全審査対象含めないことをもって不合理であるとはいい難い。

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