連作短編「コルィマ物語」とは? わかりやすく解説

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連作短編「コルィマ物語」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 06:41 UTC 版)

ヴァルラーム・シャラーモフ」の記事における「連作短編「コルィマ物語」」の解説

シャラーモフの代表作「コルィマ物語」は、1953年から書き始められ短編群の総称である。以下の6つシリーズからなると言われている。 「コルィマ物語」(1953-1963) 「ルポ犯罪世界」(1954-1960) 「シャベル名手」(1959-1965) 「左岸」(1959-1965) 「カラマツ蘇生」(1966-1967) 「手ぶくろ、あるいは第2コルィマ物語」(1970-1973) 1953年から1973年にかけて書かれ全部150編以上の短編からなる。これらの作品集書かれエピソードには、自身収容所体験した事実織り込まれているものの、基本的にフィクションである。連作短編という形式をとったのは、シャラーモフが、ロシア文学において伝統的な大河小説時代終わった考えたからである。ただし、その配置綿密に計画されている。シャラーモフは様々な編集部訪ねて出版可能性探ったが、生前これら全てが旧ソヴィエト連邦国内出版されることはなかった。しかし、他の反体制的作品同様にタイプ原稿によるサミズダートとして旧ソ連国内密かに流通した1965年頃のモスクワ知識人であれば、たいていシャラーモフの作品触れてたらしい一方、シャラーモフの知らぬ間に原稿国外流出し、タミズダートとして1966年から1976年まで断続的にニューヨークロシア語雑誌「ノーヴィー・ジュルナール」誌に約50編が掲載された。1976年には、選集ではあるが初の単行本ロンドン出版され作者の死後にパリYMCAから第2版第3版発行された。また、1967年ドイツ語訳皮切りにフランス語、英語、イタリア語ポーランド語などの翻訳版が出版されている。旧ソ連での発行は、1987年(著者死去してから5年後)に雑誌農村青年」に3編が掲載されたのが初めてで、その後ペレストロイカ波に乗って1980年代末に約10種類単行本発行され1998年には4巻からなる選集発行された。以降彼は反体制作家としてアレクサンドル・ソルジェニーツィン並び称されるようになり、生地ヴォログダには記念館が建設された。 2015年現在日本訳出されたのはこのうち以下の29編である。 「の上を」「夜に」「使徒パウロ」「チェリーブランデー」「コンデンスミルク」「休息日」「ドミノ」「ハイマツ」「赤十字」「チフス検疫」(以上「コルィマ物語」より) 「達筆」「カモ」「ビジネスマン」「シャベル名手」「十字架」「義肢」「汽車」(以上「シャベル名手」より) 「ユダヤ太守」「帰依せぬ輩」「奇術」「ブガーチョフ少佐最後の戦い」「センテンツィア」(以上「左岸」より) 「地獄波止場」「静寂」「勇ましい目」「技師キブレーエフ伝」「手紙」夕べ祈祷」「カラマツ蘇生」(以上「カラマツ蘇生」より) これらは「極北 コルィマ物語」(朝日新聞社1998年)の中に訳出されている。「センテンツィア」だけは、「極北 コルィマ物語」の出版以前内村剛介が「失語断念石原吉郎論」(思潮社1979年)の中で抄訳しているのと、江川卓雑誌新日本文学」内で翻訳している。 2015年現在英語版ではペンギン・ブックスから55編が英訳出版されている。ペンギン・ブックス版に収録されているのは、 Through the Snow(の上を), On Tick, In the Night, Carpenters, An Individual Assignment, A `Push Over' Job, Dry Rations, The Injectetor, The Apostel Paul(使徒パウロ), Berries, Tamara the Bitch, Cherry Brandy(チェリー・ブランデー), A Child's Drawings, Condesed Milk(コンデンスミルク), The Snake Charmer, The Golden Taiga, Vaska Denisov, Kiddnapper of Pigs, A Day Off(休息日), Dominoes(ドミノ), Shock Therapy, The Lawyer's Plot, Typhoid Quarantine(チフス検疫)(以上「コルィマ物語」より) The Procurator of Judea(ユダヤ太守), The Lepers, Descendant of a Decembrist, Comittees for the Poor, Magic(奇術), A Piece of Meat, Esperanto, Major Pugachov's Last Battle(プガーチョフ少佐最後の戦い), The Used-Book Dealer, Lend-Lease, Sententious(センテンツィア)(以上「左岸」より) The Seizure, An Epitaph, Handwriting, The Buisinessman, Captain Tolly's Love, In the Bathhouse, The Green Procurator, My First Tooth, Prosthetic Appliances, The Train(汽車)(以上「シャベル名手」より) The Red Cross(赤十字), Women in the Criminal World(以上「ルポ犯罪世界」より) Quiet(静寂), Grishka Logun's Thermometer, Chief of Political Control, The Life of Engineer Kipreev(技師キブレーエフ伝), Mister Popp's Visit, The Theft, The Letter(手紙), Fire and Water, Graphite(以上「カラマツ蘇生」より) である。

※この「連作短編「コルィマ物語」」の解説は、「ヴァルラーム・シャラーモフ」の解説の一部です。
「連作短編「コルィマ物語」」を含む「ヴァルラーム・シャラーモフ」の記事については、「ヴァルラーム・シャラーモフ」の概要を参照ください。

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