近代初頭以降とは? わかりやすく解説

近代初頭以降

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/14 12:43 UTC 版)

主体と客体」の記事における「近代初頭以降」の解説

subject 現象属性形質様態変化しうるものであるから、その同一性を担うものではあり得ない、という分析から、それらの特性を皿やお盆のように上に載せている下に置かれたものがあって、載せられたものは変化する載せているものは不変である、という発想生じ、こうして現象(の同一性)の基盤であって、それ自体現象としては現れない、実体という概念立てられた。なお、この発想主語述語、という印欧語特徴的な文法構造にも影響されている。 デカルト懐疑論的な現象主義枠組みにおいては認識向こう側存在する外在的実体というものが方法論的に疑われた。かわりに、いわば認識の手前に位置するコギト思惟する我)こそが、現象観念(idea)の基体(subject)、すなわちその同一性を担う、存立基盤であると見なされた。この傾向カントにおいてよりはっきりと顕著になるヘーゲルにおいては、このsubject認識論的なだけでなく実践的な対立矛盾の相において把握されることになり(言語哲学的な表現をすれば文の主語から発話主語へと移行し)、この意味合いではとくに主体という訳語を受け取ることとなったobject ここで、object客観という意味が発生した客観主観は、この世界様態捉えるために広く用いられる基本的な枠組みのひとつである。世界構成するものとして、「見るもの、知るもの(主体)」と「見られるもの、知られるもの(客体)」の2種類存在認める。 客体とは感覚通して知ることができるものであり、いわゆる物である。 主体とは感覚受け取るものであり、意識である。 この枠組み肯定し主体と客体はいずれ一方他方解消することができない考え哲学的な立場主客二元論と呼ぶ。これに対し全て物質的な存在やそれらが引き起こす出来事であるとする立場唯物論呼ばれるまた、全て意識産物であって外界物質的存在があることを認めない、あるいは強く疑う立場独我論唯我論などと呼ばれるヴェーダの宗教などでは、主体と客体分離消失する場合があるとし、それを重視する考え方もある。「主客一体」「梵我一如」などと呼ばれるいずれの立場も、他の2者を意識しつつ構築されることが多く主体と客体という分類枠組みは、肯定されるにせよ否定されるにせよ、ある程度理解共有されている。(しかし仏教、特に中観派においては主体と客体というような二項対立的な見方謬見として徹底的に斥ける。この延長線上で実践したのが中国唐代の禅であり、彼らの目標は「主と客」という意識(念)の起き以前意識探求であった。またヨーロッパにおける脱近代思潮にもこのような見方があることも特筆しなければならない。) また、これらとよく似た関連の深い区別が、認識論領域においても存在している。すなわち、主観と客観区別である。 主体と客体は、このように世界ありさま捉えるための枠組みだが、同様の、密接に関連した区別人間ありさま捉えるためにしばしば用いられる意識心と身体との区別である。哲学的には、両者区別肯定前提する立場心身二元論呼ばれる科学的な研究は、通常物質的な存在事象観察理論化通じて行われる社会科学でも、そのような経験主義アプローチをとる学問は多い。直接観察できない事象については言及仮構控え行動主義のような立場もある。こうした認識論的態度一般に客観主義と呼ぶ。この立場特徴物事についての客観的な事実確定することを研究目標し、またそれが可能であると考え立場である。 それに対し内省内観重んじる立場もある。フッサールの現象学やその成立にも影響与えている心理学一部、また宗教的瞑想などは、物事真理到達するために観察ではなく意識自己のあり方理解直観性質考察する。これは一見奇妙なアプローチだが、人が通常客観的な存在だと前提している物事が、よく吟味してみるとそうとは言えない、といった点を明らかにする効果などがあり、必ずしも無意味な思弁終始するとは限らないまた、カントのように人間特定の形式時間空間)に沿ってしか現象認識できず、ありのまま事物物自体 Dinge an sich)を知ることは不可能である、と考えることは現代において比較広く受け入れられている発想である。必ずしも物事直接的な観察に基づく研究ではない数学現代科学決定的な役割果たしていることは、しばしばこれと関連けられる

※この「近代初頭以降」の解説は、「主体と客体」の解説の一部です。
「近代初頭以降」を含む「主体と客体」の記事については、「主体と客体」の概要を参照ください。

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