計画と訓練とは? わかりやすく解説

計画と訓練

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/28 21:58 UTC 版)

アポロ15号」の記事における「計画と訓練」の解説

スコット船長らは、アポロ12号では予備搭乗員務めていた。彼らは全員空軍出身であり、全員海軍出身だった本搭乗員たちとはライバル心を発揮したが、同時に良い協力関係にあった15号は当初12号13号14号同様にH計画として飛行する予定だったが、NASA1970年9月2日アポロ計画17号までで終了することを発表したこのため15号は計画効果最大限高めるべく、J計画として飛行することとなった。 これにより15号の訓練も、いくつかの点で変更加えられることになった。その中の1つ地質学的探査訓練であった地質学探査それ以前にも行われていたが、15号は初めてこの点に最も高い優先度を置く飛行となったスコットアーウィンは、カリフォルニア工科大学地質学者で特に先カンブリア時代専門家であるレオン・シルバー(Leon Silver)と共に訓練をすることになったシルバー宇宙飛行士ハリソン・シュミットから、NASA以前雇っていた講師代わりやらないか打診されていた。彼は年代測定法中でもウランが鉛に崩壊する過程計測することで石の年代特定する手法改善で、1950年代大きな貢献をしていたのである当初シルバーは、本搭乗員予備搭乗員たちをアリゾナニューメキシコ様々な学問的研究用に連れて行き、普通の地質学授業のような訓練をするつもりだったが、発射近づくにつれてその訓練はより現実に近いものになっていった。飛行士たちは船外活動使用する生命維持装置模型背負いテントにいるCAPCOM宇宙船連絡員)たちとウォーキートーキー会話したCAPCOM宇宙船との交信担当する管制官で、同僚宇宙飛行士務める。また通常は、飛行士たちとの会話は彼らしかすることができない)。さらにCAPCOMには、飛行士たちの発言地質学という彼らにとって不案内な分野での表現翻訳するための補助として、地質学者グループ伴っていた。 ハドリー山への着陸1970年9月決定した着陸地点選考委員会は、候補地ハドリー裂溝マリウス(Marius)クレーター2つ絞っていた。マリウス近くには、おそらくは溶岩ドーム思われる低い小丘が数多くあった。スコット船長最終的な決定権こそなかったものの、候補地選定には大きな発言権持っていた。彼にとってはハドリー山選択した理由は明確で、「探検するには最高の場所」だったからであった一方で司令船操縦士ウォーデンは違う訓練積んでいた。彼はエジプト生まれ地質学者ファルー・エルバズ(Farouk El-Baz)と行動を共にし、司令船が月を周回する状況模して飛行機訓練地の上空を飛び、空から眼下通り過ぎ月面地形観測することにおいて高い技術習得した

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計画と訓練

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:53 UTC 版)

アポロ17号」の記事における「計画と訓練」の解説

17号はその前の15号や16号同様に月面3日滞在し月面車使って科学的探査能力を向上させた「J計画」に分類されるものであったアポロ計画では最後の飛行となるため、着陸地点の選択においては、いまだ訪れたとがないような場所であることが最重要項目として挙げられた。第一候補であったコペルニクスクレーターは、12号がすでにその場所が形成されたときの隕石衝突生成物持ち帰ってきており、また他の飛行でも雨の海周辺サンプル得られているという理由除外された。月の高地にあるティコクレーター考慮されたが、地形荒く着陸には適さないという理由却下された。また月の裏側にあるツィオルコフスキークレーターは、技術的な問題月面活動をする際の地球との通信にかかる費用の点などが考慮され除かれた。さらに危難の海南西部は、ソ連宇宙船でも容易に接近できるという理由で候補から外れた事実17号着陸地点決定した直後無人探査機ルナ20号その場所に降り立ち、30gのサンプル持ち帰ってきたのである。 こうしていくつかの候補除外された後、最終的にアルフォンサス (Alphonsus) クレーター、ガセンディ (Gassendi) クレータータウルス・リットロウ渓谷3つ残った最終決定をするにあたって考慮入れられたのは、17号根本的な飛行目的だった。その目的とは、(1) 雨の海から相当程度離れている月の高地サンプル採集すること (2) 若い (たとえば30億年以前) 火山活動生成物採集すること (3) 司令船月周回軌道上から月面観測する際、その領域15号や16号のものとはあまり重ならず、なるべく新しデータ得られるようにすること、であった。 タウルス・リットロウが選ばれたのは、谷の南壁起こった地滑り残余物から古い高地物質サンプル得られるかもしれない予測されたことや、その地域比較新し時代噴火活動起こった可能性あったからだった。リットロウは15号の着陸地点同様に月の海周辺位置していたが、その利点欠点上回る考えられたため、17号目的地決定した17号では、アポロ計画唯一横断重力計実験 (Traverse Gravimeter Experiment, TGE)」が行われた。この装置飛行士船外活動しながら着陸地点周辺様々な場所の相対重力測定するよう、マサチューセッツ工科大学ドレイパー研究所によって作られたものだった科学者らはこの装置得られデータを、着陸地点周辺地域地質学的構造に関する情報集めるために使うことになっていた。 それ以前飛行と同様、飛行士らは月面でのサンプル収集宇宙服使用方法月面車操作地質学学習サバイバル訓練・地球への帰還時の海上からヘリコプターへの回収機器操作など、広範な訓練行った

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