見直し反対派の主張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 22:04 UTC 版)
しかしその一方で、いくら環境のためとはいえ軽自動車の増税には同意できないという声もある。その主な理由として 地方の住民や低所得者にとって、貴重な移動の足である。軽ユーザーの1割以上は「軽がなければクルマに乗れない」と回答しており、特に高齢者は3割以上がそう答えている。 買い物や通院、通勤・通学に支障をきたし、日常生活そのものが破壊される。 都市部においても狭溢な道路がまだまだ散見される日本においては、車体サイズが極めてコンパクトである軽自動車の利便性が相当に高い。 そもそも「自家用かつ乗用の」登録車の税金だけが他と比べて突出して高すぎる(軽だけでなく、同排気量の登録商用車と比較しても異常に高い)。逆に、事業で収益を上げる緑・黒ナンバー車(タクシー、ワンボックスカーなど)の場合、排気量2.0リッターの乗用車で1年につきわずか13,800円(同クラスの自家用は39,500円)しかなく、最高の6.0リッター超でも40,700円(自家用は最高で111,000円)しかないため、実質非課税に近い優遇を受けており、軽自動車だけ増税するのは全く割に合わない。 国内の製造業への影響。 軽のクラスレス化が実現できたのは企業努力によるものであり、批判される謂れはない。 といったものが挙げられている。 日本自動車工業会の調査データに見るユーザーの声 本項目で上述された通り軽自動車の普及率は地方で高い。こうした地方ではマイカーの代替となる交通手段が存在せず、さらに移動距離も長いためである。実際「公共交通は不便」と答えたのは30万人未満の市では4割、10万人未満で半数にものぼる。また併有車も30万人未満で8割近くが「ある」と答えた。また日常の買い物における移動距離が5 kmを越えると回答した割合が30万人を割ると倍増する。 このような地域の住人は日常シーンにおいてマイカーが使えないと重大な障害が発生すると考えており、通勤では「遅刻」「(便がなく)帰れない」「辞職不可避」、買い物では「頻度低下で食生活に影響」「そもそも行けない」と考えている。 このような背景から30万人以下では7割が「軽は生活必需品」と考えており、軽がなくなると8割が「困る」と考えている。また高齢者層の2割以上、30代でも1割以上は「軽がないとクルマを持てない」と考えている。 また軽自動車の用途(「通勤/通学」+「買い物」が約8割)と頻度(毎日使用が約7割)を鑑みても、ユーザーにとって軽自動車の存続が死活問題であることが見て取れる。 全国軽自動車協会連合会のコメント 全軽自協は同会のパンフレットの中では日米英仏独5カ国の1800cc車、および日本の軽自動車の購入・保有にかかる税金を比較した結果、他国での負担が軽並みであることから「軽ユーザーの税負担が国際水準」(=軽の税金が安いのではなく、登録車の税金が高すぎる)と主張している。 政党からの反対意見 日本共産党および社民党は軽自動車が地方住民や低所得者の貴重な移動の足であるという観点から、軽自動車増税反対派である。そのためこの2党の主張するTPP反対理由の一つとして、軽自動車規格の撤廃要求(後述)が挙げられていた。共産党に関しては、ニューモデルマガジンXの取材に対し志位和夫委員長が「軽自動車は所得の低い人が乗っている傾向があるといわれています。つまり、庶民増税になります。逆進的な税体系になるわけですから、反対です」と表明している。志位委員長、クルマ雑誌に登場“軽自動車税増税は反対” TPP参加交渉やめよ 政府の前のめりを批判 紙議員「軽自動車に増税の危険」 社民党に関しては、軽自動車は農林漁村の重要な足(特に軽トラック)としている。社民党マニフェスト メーカー関係者からのコメント 鈴木修(スズキ会長)のコメント鈴木も軽自動車は比較的低所得の人が生活・仕事に使っているとして(軽自動車の増税は)「弱いものいじめと感じる」「こういう考え方がまかり通るということになると、残念というより、悲しいという表現が合っている」と発言。 かつては「軽の税金を上げるだけでなく、リッターカーの税金を下げるという話ならいくらでも協力するのに」と発言したほか、軽の品質向上で登録車と差が無くなったことによる不平には「軽自動車は寸法も排気量も厳しく制限されている。そのなかで素晴らしい4人乗りのクルマができているのは、軽メーカー各社の努力のたまものだ。その努力を見ないで普通のクルマと同じようなものと言うのはいかがなものか」と反論している。 伊奈功一(ダイハツ会長)のコメント伊奈も「軽自動車税は国際的に見れば標準的であり、むしろ登録車の自動車税が高すぎるというのも(日本自動車工業会の)一致した見方だ」としており、軽自動車がないと年金暮らしの高齢者が買い物難民になってしまうと指摘。 またTPPの件に関しても「軽自動車はどこの国のメーカーがつくっても、税制は同じ」と答えた。。
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