見直し論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 10:10 UTC 版)
「新聞業における特定の不公正な取引方法」の記事における「見直し論」の解説
1990年代に入ると、公正取引委員会(公取委)では新聞の再販制度を含めた著作物再販制度全体についてこれを独占禁止法の適用除外にしておく理由はないのではないかとの観点から見直し作業を進めていた。しかし、新聞に関しては、他の著作物とは異なり、値引きなどを禁止した新聞特殊指定も存在するという特殊な事情があったためこれについても見直し論が浮上した。1999年には一部を改正して多様な定価設定を可能としている。 2005年から2006年にかけては抜本的見直し論が浮上した。その際、日本新聞協会は特殊指定の堅持を求める特別決議を全会一致で採択した。また、各新聞は紙面で特殊指定の維持を主張した。自由民主党は新聞販売懇話会(会長代行・中川秀直、事務局長・山本一太)やその下部組織である「新聞の特殊指定に関する議員立法検討チーム」(座長・高市早苗)を設置し、新聞特殊指定維持のため公取委に圧力をかけた。また自民党以外の各政党も見直しに反対姿勢を示し、最終的に公取委は結論を出すことを見合わせた。 2008年、公正取引委員会委員の国会同意人事に際し2005年当時の公取委事務総長で特殊指定見直しに意欲をみせていた上杉秋則は公正取引委員会委員に内定していたが、著書の経歴において弁護士資格を有していないにもかかわらず「弁護士」の肩書きを用いていたことが(出版社のミスであり、事前に内閣に報告されていたものの)問題視され政府によってこの人事案は採決前に撤回された(詳細は上杉秋則を参照)。
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