さいはん‐せい【再販制】
読み方:さいはんせい
《「再販制度」とも》⇒再販売価格維持契約
再販制度(さいはんせいど)
本、雑誌、新聞、音楽ソフトなどは、再販制度にもとづき全国一律の定価で販売されている。再販制度とは、メーカーが小売店に対し、商品の販売価格を拘束する制度だ。同制度では商品の値引き行為は禁止され、小売店は商品を必ず定価販売しなければならない。
メーカーによる価格拘束は、独占禁止法により本来禁止されている行為だが、新聞など著作物6品目については例外として再販制度が認められてきた。著作物の過剰な価格競争が、出版文化の健全な育成をゆがめないようにすることが目的だ。
一方、価格競争がないために消費者が不利益を被るという問題があり、1990年代後半からは、公正取引委員会を中心に再販制度の見直しが進められてきた。
1998年には、公正取引委員会は関連業界に対して再販制度の運用是正を求めた。このような流れから、定価よりも安い「自由価格本」や「学校教材用新聞」などが近年、販売されるようになっている。
米国においては再販制度がなく、書店での本の値引きが普通に行われている。特にアマゾンなどのオンライン書店では、最大30%引きなどの割引き販売が行われている。電子書籍では、紙の本の半額で販売されている例もあるということだ。
日本では、再販制度自体について、将来的な存続の是非が検討されている。公正取引委員会は、2001年3月末には再販制度に関する結論をまとめる模様だ。
(2001.02.28更新)
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