表敬訪問および公式訪問
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20世紀中には、合意された協議事項について話し合うためにイギリス首相とアメリカ合衆国大統領が集まって開かれた公式・非公式の首脳会談が計78回あった。最初は1918年、2回目は1929年であった。1941年の首脳会談からは、それまで政策議論の重要な伝達者とされていた大使らの影響力の衰えが目立つようになった。両国の首脳会談は、4回に3回の割合で、イギリス側の政府代表団が渡米することで行なわれた。21世紀においては、新しい通信様式により、首脳会談の重要性は(以前よりも)はるかに低くなっている。 この数十年間、のべ2名のイギリスの君主と4名のアメリカ合衆国大統領が国家元首として互いの国を公式訪問している。女王エリザベス2世は、トルーマン政権以降、ジョンソンを除く、アメリカの全ての大統領と会っている。さらに、エリザベス2世は、種牡馬の繋養施設や飼育場を見学するために、1984年、1985年、1991年の3度、私的にアメリカを訪問している。 イギリス君主によるアメリカ合衆国への表敬および公式訪問訪問年月日 君主および配偶者 訪問地 行幸日程 1939年6月7日-11日 国王ジョージ6世およびエリザベス王妃 ワシントンD.C.、ニューヨーク市、ハイド・パーク (ニューヨーク州) ワシントンD.C.を公式訪問し、ホワイトハウスに滞在、アーリントン国立墓地内にある無名戦士の墓に花輪を供える。アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンのプランテーションのあったマウントバーノンを訪問、ニューヨークで開催された1939年万国博覧会に出席。また、ニューヨーク州にあるフランクリン・ルーズベルト大統領の保養地であるスプリングウッド・エステートを私的に訪問。 1957年10月17日-20日 女王エリザベス2世およびフィリップ王配 ジェームズタウンとウィリアムズバーグ (バージニア州)、ワシントンD.C.、ニューヨーク市 ワシントンD.C.を公式訪問し、バージニア州ジェームズタウンの入植350周年記念式典に出席、その後イギリスへ帰航の途に就く前にニューヨークへ立ち寄る。 1976年7月6日-9日 女王エリザベス2世およびフィリップ王配 フィラデルフィア、ワシントンD.C.、ニューヨーク市、シャーロッツヴィル (バージニア州)、ニューポートおよびプロヴィデンス (ロードアイランド州)、ボストン ブリタニア号にてワシントンD.C.を公式訪問し、アメリカ独立200周年祝賀行事と連動してアメリカ東海岸を巡幸。 1983年2月26日-3月7日 女王エリザベス2世およびフィリップ王配 サンディエゴ、パームスプリングス、ロサンゼルス、サンタバーバラ、サンフランシスコ、ヨセミテ国立公園 (カリフォルニア州)、シアトル (ワシントン州) ブリタニア号にてアメリカ合衆国を公式訪問し、アメリカ西海岸を巡幸。また、サンタ・イネス・マウンテンズにあるロナルド・レーガン大統領の保養地であるランチョ・デル・シエロを私的に訪問。 1991年5月14日-17日 女王エリザベス2世およびフィリップ王配 ワシントンD.C.、ボルティモア (メリーランド州)、マイアミおよびタンパ (フロリダ州)、オースティン、サンアントニオおよびヒューストン (テキサス州)、レキシントン (ケンタッキー州) ワシントンD.C.を公式訪問し、連邦議会の合同会議にて演説、ケンタッキー州を私的に訪問、合衆国南部を巡幸。 2007年5月3日-8日 女王エリザベス2世およびフィリップ王配 リッチモンド、ジェームズタウンおよびウィリアムズバーグ (バージニア州)、ルイビル (ケンタッキー州)、グリーンベルト (メリーランド州)、ワシントンD.C. ワシントンD.C.を公式訪問し、バージニア州議会にて演説、ジェームズタウン開拓400周年記念式典に出席、NASAのゴダード宇宙飛行センター、ナショナル・モールの第二次世界大戦記念碑を巡幸、またケンタッキー州を私的に訪問し、第133回ケンタッキーダービーを観戦。 2010年7月6日 女王エリザベス2世およびフィリップ王配 ニューヨーク市 日帰りの公式訪問でアメリカを訪れ、国連総会に出席し、ワールドトレードセンター跡地(英語版)でアメリカ同時多発テロ事件の犠牲者の冥福を祈り、ハノーバー・スクエアのクイーンエリザベス2世9月11日公園(英語版)にてテロ攻撃の犠牲者となった英国人に敬意を払った。 アメリカ合衆国大統領によるイギリスへの表敬および公式訪問訪問日時 元首および配偶者 訪問地 訪問日程 1918年12月26日-28日 ウッドロウ・ウィルソン大統領およびイーディス・ウィルソン夫人 ロンドン、 カーライル、マンチェスター イギリスを公式訪問し、バッキンガム宮殿に滞在、国王ジョージ5世およびメアリー王妃に招かれて宮中晩餐会に出席。また、イギリス生まれである大統領の母、ジャネット・ウッドロウの先祖の生家を私的に訪問。 1982年6月7日-9日 ロナルド・レーガン大統領およびナンシー・レーガン夫人 ロンドンおよびウィンザー イギリスを公式訪問し、ウィンザー城に滞在、公式晩餐会に出席、ウェストミンスター議会にて演説。 2003年11月18日-21日 ジョージ・W・ブッシュ大統領およびローラ・ブッシュ夫人 ロンドンおよびセジフィールド イギリスを公式訪問し、バッキンガム宮殿に滞在、宮中晩餐会に出席、、ウェストミンスター寺院にある無名戦士の墓に花輪を供える。また、トニー・ブレア首相の選出選挙区であるイングランド北東部のダラム州を私的に訪問。 2011年5月24日-26日 バラク・オバマ大統領およびミシェル・オバマ夫人 ロンドン イギリスを公式訪問し、バッキンガム宮殿に滞在、宮中晩餐会に出席、イギリス議会で演説、ウィリアム王子とキャサリン・ミドルトンの成婚に際し、結婚祝い品を贈呈。女王エリザベス2世およびフィリップ王配に謁見、デーヴィッド・キャメロン首相と会談。 2019年6月3日-5日 ドナルド・トランプ大統領およびメラニア・トランプ夫人 ロンドンおよびポーツマス 国賓としてイギリスを公式訪問し、ウィンフィールド・ハウス(英語版)に滞在、バッキンガム宮殿庭園(英語版)での歓迎式典に参列、公式晩餐会に出席、ウェストミンスター寺院で無名戦士の墓に花輪を献花、女王エリザベス2世およびテリーザ・メイ首相と会見。
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