表意者の無重過失
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 08:53 UTC 版)
錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、原則、意思表示の取消しをすることができない(民法95条3項)。重過失とは通常人であれば注意義務を尽くして錯誤に陥ることはなかったのに、著しく不注意であったために錯誤に陥ったことをいう。重過失の立証責任は相手方にある(通説・判例。判例として大判大7・12・3民録24輯2284頁)。 ただし、表意者に重大な過失があっても以下の場合には取り消すことができる。 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。改正前の民法においても、表意者の意思表示の錯誤について相手方が知っていた場合(悪意)には、相手方を保護する必要はなく民法95条但書の適用はないとされていた(通説・判例)。 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。いわゆる共通錯誤で改正前の民法においても、共通錯誤の場合には相手方も錯誤に陥っていたのであり民法95条但書の適用はないとされていた(通説)。
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