荒屋敷貝塚とは? わかりやすく解説

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荒屋敷貝塚

名称: 荒屋敷貝塚
ふりがな あらやしきかいづか
種別 史跡
種別2:
都道府県 千葉県
市区町村 千葉市若葉区貝塚町
管理団体
指定年月日 1979.03.13(昭和54.03.13)
指定基準 史1
特別指定年月日
追加指定年月日 昭和57.09.02
解説文: S53-12-024[[荒屋敷貝塚]あらやしきかいづか].txt: 千葉市東北方、葭川本谷から北に開析する高品支谷と荒屋敷支谷に挾まれ広大な舌状台地がひらけている。この台地東西両側縁には5条程の小枝谷がいりこみ、数条の小支丘が形成されている。その先端には縄文時代属す馬蹄形貝塚地点貝塚をはじめ遺物包含地が見られ日本でも稀に見る稠密な縄文時代遺跡分布を示す地として知られている。荒屋敷貝塚は、この台地東側縁のやや広い支丘上に営まれ大規模な馬蹄形貝塚であり、西縁の草刈場貝塚とともに早くから知られている。
 本貝塚は、昭和22年東京大学が、43年加曽利貝塚博物館地形測量し、昭和48年50年51年3次にわたり千葉県教育委員会および千葉県文化財センター発掘調査し、遺跡詳細把握しうるに至った
 本貝塚は小支丘の中心に30メートル遺構をみない広場かと考えられる空間をもち、その周縁数多い貯蔵穴かと推定されるピット20メートル幅でめぐらしている。このピット群が平常埋められていたとすれば広場空間として利用されていたことも十分推測されるピット群の外周には竪穴住居群がとりまき、その外周環状に近い馬蹄形貝塚形成されている。貝塚は約30メートル幅でめぐり東西約160メートル南北150メートル外径をもち、南の小枝谷に向け開口している。貝塚外側には地点貝塚小ピット知られているが、竪穴住居跡貯蔵穴見出されていない
 調査結果縄文時代中期前半阿玉台土器時期貝塚形成はじまり、中期経て後期まで続き終焉迎えること、貝塚形成以前縄文時代前期にすでに生活の場となっていたことが知られている。小枝谷をへだてて南の小支丘には本貝塚後続する貝塚かと思われる縄文時代後・晩期の台門貝塚がある。また、台地西縁にも縄文時代前期荒屋敷西貝塚中期から晩期に及ぶ馬蹄形貝塚草刈場貝塚という系譜があり、台地東西両側縁に2集落長い期間並存していた状況うかがわれ注目される大規模な馬蹄形貝塚であり、構造変遷までも把握しうる貝塚として、また比較的完好な保存状況をのこす貝塚としても極めて重要である。

荒屋敷貝塚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/03 13:38 UTC 版)

荒屋敷貝塚

座標: 北緯35度37分20.33秒 東経140度8分41.82秒 / 北緯35.6223139度 東経140.1449500度 / 35.6223139; 140.1449500

荒屋敷貝塚
位置図

荒屋敷貝塚(あらやしきかいづか)は、千葉県千葉市若葉区貝塚町にある縄文時代貝塚および環状集落遺跡1979年昭和54年)3月13日に国史跡に指定された[1]

概要

縄文時代中期から後期にかけて形成された貝塚とされる。草刈場貝塚や台門貝塚とともに貝塚町貝塚群に含まれる。異表記ないしは別称として、新屋敷貝塚・千葉貝塚・貝塚町貝塚・あらひき(あらしき)貝塚がある。貝層部は環状に近い馬蹄形であり、南北約150メートル・東西約160メートルの範囲に広がっている[2]。遺跡の中には貯蔵穴と推定されるピット群や竪穴建物群も確認されている[1]

1872年明治5年)からは石灰の採掘が行われていた[2]1942年(昭和17年)に東京大学が地形測量を行い、1968年(昭和43年)には加曽利貝塚博物館も測量を行っている。そして1973年(昭和48年)・1975年(昭和50年)・1976年(昭和51年)の3度に渡り千葉県教育委員会と千葉県文化財センターによって発掘調査が行われ、遺跡の詳細が明らかになった[1]

なお1964年(昭和39年)の京葉道路延伸計画では路線上に位置したため、トンネル工法によって貝塚トンネルが建設され、遺跡の保全が図られた[3]

脚注

  1. ^ a b c 荒屋敷貝塚 あらやしきかいづか 文化遺産オンライン(文化庁
  2. ^ a b 縄文時代人骨3) 千葉県の遺跡(堀之内、加曽利、曽谷など) 縄文時代人骨の調査・収集史(1)”. 東京大学総合研究博物館. 2024年9月3日閲覧。
  3. ^ 斎木勝「史跡荒屋敷貝塚の位置付け」(pdf)『千葉県文化財センター研究紀要』第24号、千葉県文化財センター、461-477頁、2005年3月https://www.echiba.org/wp-content/uploads/2022/12/kiyo_024_19.pdf2024年9月3日閲覧 

関連項目



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