立て籠もりの進展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/04 15:00 UTC 版)
「ラハダトゥ対立 (2013年)」の記事における「立て籠もりの進展」の解説
マレーシア警察はラハダトゥからタンドゥオ村までの道路を封鎖し、武装集団はそこに包囲された。マレーシア警察の巡視船はまた付近の海域もパトロールした。同時に、フィリピンの治安部隊がフィリピン南部からの入国を遮断した。フィリピンはこの状況を鎮静させる手助けとして海軍船6隻をスールーとタウィタウィの海域に配備した。追加のフィリピン海軍船が人道支援を行うべく、マレーシア海域のラハダトゥ沖に派遣された。 2013年2月26日、アキノ大統領はキラム3世に支持者達を呼び戻して懸案事項に対処するため政府と話し合いを行うよう訴えた。マラカニアン宮殿で行われた記者会見で、アキノ大統領は、キラム3世の支持者がサバ州に長く滞在するほど自分達の生命に危険が及ぶだけでなく、そこで暮らし働いている数千人のフィリピン人の生命をも危険にしていると述べた。キラム3世に向けてアキノは「この小さな一団が貴方の憤懣の対処に成功することはなく、その兵力では貴方の目標を達成できる方法がないと、貴方は明言するべきだ」と語りかけた。アキノはまた、フィリピン市民として彼がフィリピン憲法および同法律に縛られていることを彼に思い出させようとした。 大統領は、国家政策の手段として戦争を放棄することに関する憲法規定および「戦争を誘発したり戦争への機会を提供する」人物を罰するという改正刑法第118条を引用し、キラム3世とその支持者や協力者による法律違反の調査を命じたと述べた。彼は、サバ州東部での当国の領土紛争に対処するための対話は、立て籠もりに関与する人々が即座に帰投した後なら手配が可能だと述べた。アキノ大統領の声明は、キラム3世にサバ州の立て籠もりを終えるよう要請したフランシス・パンギリナン上院議員にも支持された。声明で彼は次のように語った。 この立て籠もりは、フィリピン政府が決定的に行動して、フィリピン人の一般的な便益を保護するために必要なことをしなければならないという重要なポイントに達しました。キラムは実質的にはマレーシアに宣戦布告しています。武力で他国を獲得することが断じてフィリピンの政策に無かったことを彼は理解せねばなりません。サバ州に対するスールーの正当な主張とは無関係に、武装侵攻が友好的な解決につながる可能性は殆どないでしょう。これは我々が南部(ミンダナオ島)の兄弟たちと共に永続的な平和を達成しようと非常に密接な時期に起きています。マレーシアは、フィリピン政府とミンダナオの兄弟ムスリムとの交渉仲介において重要な役割を果たしているのです。一人の人物の気まぐれのために、我が国とマレーシアの間が不和になるわけにはいかないのです。 —フィリピン上院議員フランシス・パンギリナン 逮捕の警告にもかかわらず、キラム3世は挑発的態度を続け、自分の部下は「我々の当局と大統領による再編が行われるまで、そして関係当事者達により署名された合意文書に従って再編がなされるまで」本拠地に戻ることはないと発言した。彼は電話越しにアグビムディンと最新の会話を交わし、そこで弟が自分に伝えたことは、マレーシア政府による封鎖の結果として食物を殆ど入手できないとはいえ、自分たち支持者はサバ州にとどまる決心を固くしているとのことだった。74歳のスルタンは、フィリピン政府が自分と我が一族のメンバーに対して訴訟を起こした場合、自分は投獄される準備ができていると語った。彼は憲法に対する自分の違反が何なのか理解できないと語り、自分は常にそれを尊重しているし「故郷に帰る」ことは犯罪ではないと発言した。キラム3世はまた「テーブルに座って外交的に主張の問題を解決する」ことをマレーシアに要求し、「Win-Winになる解決策を考え出す」必要性を強調した。 彼は、自分と部下が「暴動を起こすことはないだろう(中略)しかし、我々の生命と理想を守る準備はできている」と繰り返し、サバ州の問題は「外交的な方法で、脅威なしに平和的に解決できる」と語った。キラム3世の娘シッティ・ジャセルは、自分の父親の支持者達は戦争をするためにラハダトゥにいるのではなく、祖先の領土と呼ばれるものに平和的に住むためだと述べた。彼らに「具体的な解決策」が与えられない限り、彼らは去らないだろうと彼女は付け加えた。彼女はまた、フィリピン政府からの明白な支援欠如に失望を表明し、マニラは外交関係とその構成員の便益とでバランスを取る必要があると付け加えた。 マレーシア警察の副長官ハリド・アブ・バカールは、国民に心配しないよう伝え、立て籠もりがなるべく早く解決されることを請け負った。彼はこの事件が国家安全保障の問題として扱われていると付け加えた。彼はまた、キラム3世側の一団との交渉が進行中か否かについてはコメントを控えた。2013年3月7日、マレーシア外務省は「マレーシア治安要員の殺害で残された残虐行為と残忍行為があったことで」キラム3世の部隊をテロリスト集団と見なす声明を発表した。この札付けにはフィリピン外務省のアルバート・デル・ロザリオ大臣の同意があったと付け加えられた。しかし、これは在マレーシアのフィリピン大使ホセ・エドゥアルド・マラヤによって否定され、マレーシア警官殺人の実行犯(キラム3世の関係者かは不明)が「テロ行為」を犯したことにデル・ロサリオが同意したことが明らかにされた。
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