祭礼「奥澤神社の大蛇お練り神事」とは? わかりやすく解説

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祭礼「奥澤神社の大蛇お練り神事」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 00:41 UTC 版)

奥澤神社」の記事における「祭礼「奥澤神社の大蛇お練り神事」」の解説

奥澤神社祭礼について、『新編武蔵風土記稿巻之五十には「祭礼九月十五日、村民ウチヨリテ神楽ヲ奏ス」との記述し見当たらない一般に9月第2土曜日行われる奥澤神社大蛇お練り神事」が知られている。 この神事については、次のような由来伝えられている。江戸時代中頃奥沢の地に疫病蔓延した。ある夜名主夢枕八幡神現われた。八幡神は「作った大蛇村人担いで村内巡行させよ」と名主告げた名主は早速夢告に従って新藁大きな作り村内巡行させたところ、疫病程なくして治まった大蛇厄除け守護神として崇められ、年に1度村内巡行する祭が始められた。 お練り例祭最初セレモニーとして行われる午前10時氏子たちの手本殿から大蛇担ぎ出され宮司から修祓を受ける。拝殿前にある大イチョウ左回り反時計回り)に3回巡り鳥居くぐって巡行開始する巡行先頭持ち1人紙吹雪撒く1人、そして宮司となる。宮司後ろには、警固役として高張提灯持ち2人が従う。高張提灯持ち次に大蛇が続くが、頭部担ぎすいように木の取り付けられていて、これを4人がかりで担ぐ。大蛇胴体部分10人前後が担ぐ。巡行最後尾は、大蛇の後に従う高張提灯持ち2人となる。周囲には各睦(共栄睦、商睦、あずま睦、諏訪山睦、本町睦、奥沢南睦、九品仏睦)からの役員10名ほどが付き添って車と人の通行配慮し、車の流れ途切れているときには大蛇左右に動かしながら担いでの這う様子表現する大蛇作った際に残った藁の束抱えた役員1人が、沿道人々厄除けとしてを配る。 掛け声は「わっしょい!わっしょい!」で統一され、各睦が設置した神酒所7か所などの町内約4キロメートルの距離を2時間半ほどかけて巡行する。神酒所を回る順番は、共栄睦、商睦、あずま睦、諏訪山睦、本町睦、奥沢南睦、九品仏となっている。神酒所で担ぎ手は宮司から修祓を受け、各睦との境目次の睦の者と担ぎ手を代わる正午過ぎに九品仏睦が担ぐ大蛇環状8号線まで到着すると、交通規制の関係で大蛇車両積み込まれて、奥沢駅南側三叉路付近まで運搬される車両から大蛇降ろされると、各睦の代表者たちが担ぎとなって自由通りを約200メートルほど神社向かって巡行続ける。巡行終えた大蛇は、本殿1年間安置された後に神職修祓行い奥澤神社鳥居以前大蛇交代するかたちで巻きつけられ飾られる大蛇お練り神事は、1939年昭和14年)から1957年昭和32年)にかけて中断されていた。中断至った理由は、木造鳥居から石造鳥居替えた際に「石の鳥居では大蛇の腹が冷えてしまうだろう」と気づかったためという。その後1958年昭和33年になって、「神社は古いことを見直し伝えるべきである」との当時宮司働きかけによって再興された。 大蛇制作は、毎年9月第1日曜日、朝9時に氏子有志(「奉製者」と呼ばれる)が集まって宮司から修祓受けた後に開始される制作使用するは、もち米のものを用いて2-3日前にハカマ下葉)を除いた上で小さく束ねておく。宮司と約40人の氏子は、頭造りの組と胴体創りの組の2手に分かれて作業行い頭部80センチメートル胴体部の長さ10メートル直径25センチメートル総重量150キログラムに及ぶ大蛇作り上げる。なお、祭り中断前は「カミ」、「ナカ」、「シモ」の各ズシ1年ごとの交替制で大蛇作っていた。その頃は各ズシ大蛇出来栄え競い合っていたため、最近大蛇比べてよくできていたという。1935年昭和10年)頃からは各ズシだけで調達することが困難になったため、栃木群馬からも取り寄せるようになった。他に地元商店街有志小型大蛇制作している。こちらの大蛇は、四斗樽5本を積み重ねて作られ共栄睦の大神輿絡めさせられた形で例祭のときに町内巡行している。小型大蛇制作手掛けることによって、製の大蛇づくりの技術が若い氏子たちに引き継がれていく。 奥澤神社例祭はかつて9月15日であったが、明治維新後に太陽暦導入される10月15日になり、1974年昭和49年)からは敬老の日合わせる形で9月15日戻った両日とも囃子奏されるが、奥沢地区では囃子演者絶えている。そのため奥澤神社では、瀬田地区にある瀬田囃子保存会演奏依頼している。 大蛇お練り神事1977年昭和52年)のテレビ放映によって知名度高まり初詣厄除けにも奥澤神社氏子以外の人々訪れることが増えたという。この神事は、1993年平成5年)に世田谷区指定無形民俗文化財風俗慣習)に指定された。2016年平成28年)には東京都文化財保護審議会により、東京都無形民俗文化財風俗慣習)に指定する旨の答申が行われ、同年3月11日付で指定された。東京都文化財保護審議会答申では大蛇担いで地域巡行する形をとるものは都内では他に例がなく、全国的にも珍しいという理由挙げられた。

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