生涯と詩とは? わかりやすく解説

生涯と詩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 16:35 UTC 版)

アルキロコス」の記事における「生涯と詩」の解説

アルキロコス生涯は、アルキロコス自身の詩と古代の伝承から、次のように考えられている。アルキロコス生まれたのはパロス島で、貴族出身のテレシクレースの私生児として生まれた父親デルポイの神託に従ってタソス島への植民指揮して島を去ったアルキロコス父親の後を追ってタソス島行った貧困大きな理由だったが、別の理由もあった。それは、パロス島民のリュカンベスに対す個人的な失望憤怒だった。リュカンベスはアルキロコスと娘ネオブーレーとの結婚約束していたのだが、それを反古にしたのであるアルキロコスはリュカンベスを偽証の罪訴え、さらにデーメーテールの祭の時、傷ついた心憎しみ変え風刺詩で娘を罵倒した。その詩のせいで、リュカンベス父娘は首を吊って自殺したと言われている。 タソス島への植民は、その時代(紀元前750年 - 紀元前550年)は植民地化に熱心な時代で、土地持たない・根を持たない若者ならびに、何も相続するものない私生児が、傭兵として移民することは典型的なことだった。さらに、個人的なテーマを扱う詩人、つまり抒情詩人としても意味があった。サッポーアルクマンといった初期抒情詩人たちは、ホメロス叙事詩形式捨て自分自身の生活・経験感情姿勢歌っていた。 結果的にアルキロコス風刺詩は、ホメロスヘシオドス叙事詩並んで宗教的祭と私邸で詩を朗読し生きる遊歴ラプソドスたちの人気の詩になったアルキロコス歴史的詩的想像力で、兵士としての戦闘詩人精神情熱的な交差叙述したアルキロコス特徴であるその両面は、次に紹介する詩の断片の中で、簡潔に表現されている。 Εἰμὶ δ' ἐγὼ θεράπων μὲν Ἐνυαλίοιο ἄνακτος, καὶ Μουσέων ἐρατὸν δῶρον ἐπιστάμενος. 「私は神エニューアリオス(戦いの神アレースのこと)のしもべであるが、さらにムーサミューズ)の美し贈り物よく知っている」 または、 「私は2つのものである戦いの神エニューアリオスに従う兵士。そしてムーサの愛の贈り物理解する詩人」。 しかし、タソス島での生活は幸せではなかった。アルキロコスの富に対す希望失望終わった。「ギュゲスとその宝庫の、黄金製の数々は、私とは関係ない嫉妬は私を支配しない、私は神のその仕事を羨まないし、それを思いのままにしたいと憧れたもしないそんなものは私の目を魅了しない」。 アルキロコス自身によると、タソス島は全ヘラスの不幸が出会う場所だった。そこに住む人々はたえず隣人との戦いに、トラキア人部族のSaiansとの戦争巻き込まれた。アルキロコスは盾を捨てて戦場から逃げ出した。しかし、アルキロコスはそれを不名誉とは感じなかったようだ。むしろ、アルカイオスのように、アルキロコスはこの事件讃美した現存する断片では、アルキロコスは命が助かった自分自身祝し、他の盾を手に入れるのはたやすいことと歌っている。 「野蛮人どもが私の盾を振り回している、私が茂みに隠れ、その申し分のない防具手放すことを余儀なくされた以後。私は逃げたが、どれがどうしたともかくも命は(盾よりも)値打ちあるよう見える。盾よさらば。私は同じくらい良いものを買えるのだ」。 タソス島去った後、アルキロコススパルタ訪れた。しかし、前述卑怯な行為作品不道徳さ理由に町から追放されと言われている。アルキロコス次にイタリア南部ギリシア人が住むマグナ・グラエキア訪ねた。その土地好意的だったアルキロコス語っている。それから生まれ故郷パロス島戻りナクソス島民との戦闘最中戦死したアルキロコス殺したカロンダスもしくはコラックスは、ムーサのしもべ(詩人のこと)を殺すだろうという神託受けていたという。 アルキロコス作品にはエレゲイア哀歌)とヒュムノス讃歌)があり、そのうち1つは、オリュンピア祭典競技勝者によって歌われたものである。詩はイアンボス短長格)とトロカイオス長短格)という2つ韻脚形式書かれているギリシア修辞学者たちは、アルキロコスイアンボス詩を発明し、それを風刺詩使った信じていた。それ以前にあったギリシアの詩の形式唯一叙事詩ヘクサメトロス長短六歩格)だけで、エレゲイア韻律(エレゲイオン、Elegiac)はその派生物だった。しかし、ヘクサメトロス詩のゆっくりした構造は、風刺きびきびした軽やかな表現はまった適していなかった。古代権威者たちは皆、アルキロコスの詩を仰々しい言葉賞賛することで一致している。アルキロコスの詩は確かに力強さ柔軟性緊張した迫力、そして何よりも強烈な熱意エネルギー持っているホラティウスアルキロコスの「怒りと言いハドリアヌスアルキロコスの詩を「激しイアンボス」と呼んだアルキロコス同国人は、アルキロコスホメロス匹敵する詩人として敬い二人詩人彫刻を同じ日に奉納したアルキロコスの詩は古いイオニア方言書かれているアルキロコスの詩は断片のみが現存していて、『ギリシア詞華集』Greek Anthology)に収められている。

※この「生涯と詩」の解説は、「アルキロコス」の解説の一部です。
「生涯と詩」を含む「アルキロコス」の記事については、「アルキロコス」の概要を参照ください。

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