物資混乱とは? わかりやすく解説

物資混乱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 15:47 UTC 版)

マルコム・マクレーン」の記事における「物資混乱」の解説

1965年冬、アメリカ政府ベトナムへの緊急増派を開始する。これにより補給物資混乱が始まる。ベトナム南北長く、1本しかない鉄道機能しておらず、道路舗装すらされていない上に分断され大型船接岸できる水深の深い港はサイゴン港1か所しかないため一隻接岸すると他の大型船沖合停泊し、そこから艀に移し替える人海戦術が採られている。また、ダナンなど他の港も遠浅のため同様の措置がとられている。委託され民間企業物資補給支援しており、23,300名もの労働者荷役作業従事していたが、既に手一杯であり、12時交代休日返上での作業が行われていた。当時米軍16種類もの補給方式運用しており、現場で倉庫トラック奪い合い発生する有様であった到着貨物管理するシステム存在すらしておらず、これら理由により接岸した大型船荷下ろし滞り離岸できず、統括する海軍軍事海上輸送司令部MSTS)はオフィスさえない状態であった桟橋は艀で溢れかえり、一隻空にするのに10日から30日掛かっており、夏は台風発生するため度々作業中断された。大半陸揚げ貨物野ざらしとなり、南ベトナム軍による組織的窃盗行為横行していたため、トラックによる貨物移動の際は武装した憲兵警護のため同乗している。末期には陸揚げ諦め、船を倉庫代わりとして停泊させたため、物資輸送を行う船舶足りない状況に陥っている。陸軍戦況ひっ迫していることを理由兵站関与しようとせず、空軍見て見ぬ振り突き通した統合参謀本部が「プッシュ」式の補給方法採用したことが悪化要因一つであった前線要請従った物資を送る方法が「プル」となり、兵員規模に応じて必要となる量を予め決め定期的に送る方式が「プッシュ」となり初期段階において前線素早く供給する方式としては最良となるが、日々刻々と変化する戦況には向いておらず、このため不要物資が溢れ返り必要物資足りない状況発生したその後物資補給センター構築するためダナン港を拡張し新港建設する案が国防長官ロバート・マクナマラによって承認されるが、電気ガス水道などのインフラ一切無い場所で、軟弱地盤故に大型産業機械設置するには不向きであったことから事態一向に改善しなかった。船舶フィリピン待機する状況となり、物資溢れ無秩序な状況ライフによって特集され、それを受け議員視察し問題視したことで抜本的な改善計画開始されている。 「物資輸送を必ず成功させる」とマクナラマを口説き落とした民間企業であるアラスカ・バージ社にMSTS輸送依頼したことで改善兆し見られ始めた。そこで、マクナマラ海運業最先端を行くマクレーンワシントン招致し現状説明をしている。その後マクレーンは度々コンテナ使用した輸送案をワシントン説いて回るが誰もが必要ない」との認識であった。これに業を煮やしたマクレーン海軍大将フランク・ベッソン直訴することに成功エンジニア2名と共にベトナム視察したマクレーンコンテナ使用すれば全て解決する判断し、この結果政府進言している。政府は軍に対し民間企業ノウハウ導入しろと圧力を掛けるが、軍は始まったばかりのコンテナリゼーションが何なのかを理解できなかったため狼狽し事態一向に進展することはなかった。そんな中シーランドの子会社「エクイップメント・レンタル」がサイゴンでのトラック輸送案件受注するコンテナとは一切関係なかったが、ここでの事業足掛かりMSTS対しオークランド[要曖昧さ回避] - 沖縄間の輸送に関する契約シーランド契約することを進言結果シーランドとの契約結ばれコンテナ使用した輸送開始された。12日毎に到着する476個の35フィートコンテナを軽々と捌いたシーランドMSTS感服しベトナムアメリカ本土間の輸送依頼懇願しており、この事業に数社が名乗り上げるが最終的にシーランド指名される結果となったアメリカ本土からコンテナ輸送開始されるが、ベトナムにはクレーン設置されていないため、フィリピンスービック湾までの輸送限定されている。MSTS沖縄見事なまでの手際を知っているため、ベトナム荷役統括する第一兵站司令部対しクレーン導入しろと強い口調指示するが、第一兵站司令部コンテナ乗り気では無く実際にクレーン設置計画すらない状況であった荷役混乱は一旦は小康状態になったものの、1966年半ばになると再び貨物量が前年より55パーセント増えたことで再発し、マクナラマの一声により突貫工事開始されたことでカムラン湾コンテナ港へと生まれ変わっている。これにより大型コンテナ船オークランド号が接岸できる様になり、一度今まで10隻分となる貨物陸揚げ開始され港湾作業輸送などコンテナ関わる全ての事業シーランド受注したことで荷役整然としただけでなく、破損盗難大幅に減り輸送コストまでも下がったことに軍は驚愕し問題全て解決された」と1967年の軍の記録誇らしげ記述されている。米軍その後の調査からコンテナリゼーション単なる輸送手段では無く、ロジスティクス・システムであると結んでおり、軍が開発したコネックス・ボックスは廃止され民間用20フィートコンテナを使用した兵站システム構築開始されている。ベトナムへ輸送1968年1969年シーランド収益40パーセント占めている。

※この「物資混乱」の解説は、「マルコム・マクレーン」の解説の一部です。
「物資混乱」を含む「マルコム・マクレーン」の記事については、「マルコム・マクレーン」の概要を参照ください。

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