湘南なぎさプランと湘南海岸公園の再整備
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「湘南海岸公園 (藤沢市)」の記事における「湘南なぎさプランと湘南海岸公園の再整備」の解説
塩害などによる砂防林の改修に際して、湘南海岸整備事務所は1967年、防風ネット・階段型防潮堤・クロマツとトベラなどの常緑広葉樹の混植・砂草等の対策工法を樹立した。この工法による砂防林造成は、翌年から国家の第3次治山事業5ヶ年計画に組み込まれ、国庫補助を受けて全面復旧が着手された。これはさらに1972年からの第4次治山事業5ヶ年計画に引き継がれた。 1978年の大規模地震対策特別措置法に基づく東海地震発生の予測から、相模湾岸の津波の波高が7m以上と計算された。同年9月、小田急ビーチハウス閉鎖。 1979年、台風20号による高潮は3.7mを記録し、東急レストハウス内に侵入、国道134号を越えた。 1983年、ハワイ生まれのビーチスポーツボディボードが鵠沼から辻堂にかけての海岸で見られるようになった。これは日本における最初だとされる。 1985年、神奈川県は「湘南なぎさプラン」を策定し、その中に「湘南海岸公園の再整備」・「国道134号の拡幅整備」「国道134号地下駐車場の整備」「駐車場の整備(西部・中部)」「階段護岸の整備」などを位置づけた。 1987年、鵠沼海岸で日本初のビーチバレー公式大会「ビーチバレー・ジャパン」が開催された。さらに1989年、これも日本初のスポーツカイト(スタントカイト)競技会が開かれる。 1988年には、湘南なぎさプランに基づく新植栽事業に着手した。さらに1989年から1994年にかけて、湘南海岸公園の諸施設を撤去(1991:小田急シーサイドパレス、1994:えのしまへるすせんたーなど)し、3m台だった基盤の高さを7mにかさ上げして、防潮堤の役割を持たせ、大型駐車場の設置、国道134号の改良工事など、湘南海岸公園再整備が進められた。 1990年、神奈川県は海と人との共生をテーマに相模湾沿岸全域でイベント「相模湾アーバンリゾート・フェスティバル1990(SURF'90)」を開いた。これは、湘南海岸公園にとって再整備スタートの行事と位置づけられる。 1991年6月、明治大学ラグビー部内で行われていたローカルルールのゲーム、ビーチ・タッチ・フットボールの最初の公式戦が鵠沼海岸で行われた。これは日本生まれのスポーツだから、世界初の公式戦となる。翌月に平塚で第1回関東大会が開かれ、以来平塚が中心地となり、現在はビーチフットボールと改称され、国際組織もできるほどに発展した。 国道134号の拡幅工事は、途中1990年9月の台風20号により引地川の鵠沼橋とみどり橋が崩落し、復旧に1年半を要するなどのハプニングがあったが、1994年には片瀬・鵠沼間が4車線になった。自転車・歩行者専用橋のみどり橋は廃棄された。 1994年3月、神奈川県は湘南海岸公園を辻堂海浜公園と共に「かながわの公園50選」に選定した。 この再整備で最も力を入れたと思われるものに駐車場の整備が挙げられる。西部駐車場・中部バス駐車場・中部駐車場(いずれも1992年完成)、緑陰広場駐車場(1997年)、片瀬海岸地下駐車場(2002年)が次々に開設された。 20世紀のうちには、目立つ施設としては1992年、サーフビレッジ・テニスコートが完成したのみで、ちびっこ広場(若干の遊具あり)、水の広場(子どもの水遊びができる)、芝生広場、ボードウォーク(海風のテラス)、多目的広場、クラゲ広場といった大小の広場が散在し、防砂柵で囲まれた砂防林がそれらの間を仕切っている。 砂浜との境には全長2kmに及ぶ階段状の防潮堤が続き、その上部は「海岸通路」という遊歩道になっている。この遊歩道は湘南海岸・砂浜のみちの一部区間となっており、片帆橋、鵠沼橋を経て「湘南海岸のサイクリング道路」に続く。夏の海水浴シーズンには、階段下の砂浜に「海の家」がずらりと並ぶ。 1995年、藤沢市によりサーフビレッジ前の砂浜に日本初のビーチバレー常設コートが設けられた。これは、厳密にいえば公園外の施設である。 以来、2000年からビーチアルティメット、2001年からザ・ビーチ選手権大会がそれぞれ第1回から毎年サーフビレッジ前の砂浜で開かれ、日本におけるビーチスポーツの拠点として知られるようになってきた。 そして、2004年4月16日には新江ノ島水族館とそれに附属する「なぎさの体験学習館」がリニューアルオープンして、湘南海岸公園の再整備は一段落した。 1970年代以来年間来客数が100万人台だった片瀬西浜・鵠沼海水浴場は、新江ノ島水族館の効果もあってか、2004年以降300万人台に復活し、日本一の来客数を持つ海水浴場に返り咲いた。 新江ノ島水族館は、PFI方式で建設・運営がなされているが、他の公園施設の運営は、以前から駐車場の管理を行ってきた株式会社湘南なぎさパークが、2006年4月1日から全面的に指定管理者として指定を受けている。なお、同社は、鵠沼海浜公園のスケートパークや駐車場、江の島湘南港の運営も行っている。 2007年12月、ビーチバレー常設コートを利用して日本で初めてのビーチテニス講習会が開かれ、2008年10月26日27日、日本ビーチテニス連盟主催の第1回鵠沼Beach Tennis オープン大会が開催された。 このように、湘南海岸公園は、「県立」と名乗りながら、実際の運営は民間業者が行う公園である。 また、その性格は、単なる観光地、市民の憩いの場であるばかりでなく、砂防・防潮といった防災施設であり、文化やスポーツの振興の目的を担う公園でもある。
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