消防飛行艇
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「Be-12 (航空機)」の記事における「消防飛行艇」の解説
Be-12P-200 チャイカБе-12П-200 Чайка 用途:消防機 設計者: TANTKベリーエフ 製造者: 初飛行:1996年8月9日 生産数:1 機 表示 Be-12P チャーイカ(Бе-12П Чайка)及びBe-12P-200 チャーイカ(Бе-12П-200 Чайка)は、Be-12の派生型として開発された消防機である。なお、この場合の「P」はロシア語で「対火災機」という意味になる「Противопожарный самолет」の略である。 ソ連崩壊後、TANTKベリーエフでは旧東側以外の各国への売込みを目指し、需要の高い消防用航空機の開発に力を入れている。そうした中、より近代的な大型両用飛行艇であるA-40MやBe-200などの開発に成功しているが、すでに堅牢な実績のあるBe-12の発展型も開発した。 最初の派生型となったBe-12Pは、基本型Be-12の設計を元に開発された。まず、Be-12からは爆撃関連等の装備が撤去され、代わって機首内に4500 l、特設タンク内に1500 lの合わせて6000 lの消火水用タンクが設置された。消火には海水を使用することが可能で、海水の収集には120 km/hで飛行しながら海面を滑走する方法が採られた。すべての消火水タンクを満載にするには、およそ50秒を要した。海水集積地点から火災現場までの距離は、100 km以内に限定された。Be-12Pは1992年に初飛行をこなし、翌1993年9月には販売アピールのためモスクワの航空ショーに展示された。 次の派生型となるBe-12P-200は、1994年8月から1996年6月にかけて開発が行われた。既存のBe-12から改修されたBe-12P-200初号機は1996年8月9日に初飛行を実施し、10月まで飛行試験を繰り返した。 Be-12P-200はBe-200の開発のための試験用に製造された機体で、Be-12Pに比べ収水能力が向上されていた。すなわち、Be-12P-200では4.5 tから6 tの水を15秒から20秒で取り込むことができた。制限波高は、0.8 mとされた。収水は海面の他、湖や河川からも収水可能であった。1回の飛行において、Be-12P-200は森林火災現場に対し140 tの消火水を投下可能であった。 Be-12P-200には航行のための各種機材が標準搭載されたが、それらに加えて国際運用に適合した電波航法装置や国籍識別装置の装備が可能であった。 消防分野は救難分野と並んで飛行艇の需要が高い分野であるので、TANTKベリーエフでは今後この分野での世界的地位の確立を目指している。その際TANTKベリーエフにとって最大のライバルとなるのは、CL-215およびCL-415を擁するカナダのボンバルディア・エアロスペース社である。これらの飛行艇は高い販売実績を持っているが、TANTKベリーエフではBe-12P/P-200やBe-200などより高度な能力を持った機体でそれらに対抗しようとしている。
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消防飛行艇
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「US-2 (航空機)」の記事における「消防飛行艇」の解説
阪神大震災の被災経験から2008年に開発が始まり、2018年2月にタンク単体での放水実験が行なわれた。同年8月には、胴体部分の燃料タンクを水タンクに置き換え、水上を約20秒間滑走することで最大15トンの水をタンクに貯められるとする基礎技術が発表された。この積載量は一般的な消防ヘリ約21機分に相当する。 この研究についてはすでにPS-1の5801号機で実験を行っており、データの蓄積は完了している。しかし、海上自衛隊向けの機体のため、日本政府の武器輸出三原則によって当時では輸出することは不可能であり、海外展開は三原則の緩和(あるいは解釈変更)を見越しての計画であった。 新明和ではJAXAや日本航空機開発協会 (JADC) と消火技術の研究を行っており、機体に空中消火が可能な消火システムを追加する中規模な改造で消防飛行艇とすることが可能としている。 消防庁では消防飛行艇を導入した際の調査を行い、全国の現場へ展開するには最低2機が必要となり初期費用は320億円、年間の維持費が20億円という結果を公表した。
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消防飛行艇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 08:19 UTC 版)
最近注目を集めている飛行艇の用法として、大規模火災の消火がある。山火事などの現場近くの海面・湖面に着水し、機内タンクに取水して再離水、現場上空にて放水するものである。 PBY カタリナなど旧来の飛行艇を改造する例も多いが、ロシアのベリエフBe-200などは最新式の双発ジェット飛行艇であり、消防飛行艇としての能力も高い。
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