航空機事業部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 08:35 UTC 版)
水陸両用航空機である飛行艇を製作、ボーイングやエアバスから航空機部品の開発・製造を受託、自衛隊が使用する航空機の改造・定期修理などを行っている。過去には、日本航空機製造(NAMC)の生産分担を行ったこともある。 2012年4月には後述の救難飛行艇 US-2のインド海軍への売込みを目指し、「飛行艇民転推進室」を設置、川崎重工業・島津製作所と連携した専任チームを発足させる等、活発な展開活動が行われている。 実験飛行艇 UF-XSPS-1を製作する段階で、技術不足を補うためにアメリカ海軍からグラマンUF-1を譲り受けて研究、それを元に改造した量産型の4分の3ほどの大きさの飛行艇である。1機のみ改造。 対潜哨戒飛行艇 PS-1(PX-S)対潜哨戒機。機体は後のUS-1と同型である。強力な境界層制御(BLC)システムによって高い短距離離着陸(STOL)性能を持ち、二式大型飛行艇譲りの良好な凌波性能を備えた機体である。しかし、対潜哨戒能力がP-3対潜哨戒機に及ばなかったこと等から、23機で調達が打ち切られた。 救難飛行艇 US-1(PS-1改)PS-1を元に開発した災害救助用モデルである。PS-1から対潜哨戒用機材を取除き、代わりに災害救助用機材を搭載、さらに降着装置等を備えて離着陸可能とした(多くの飛行艇は離着陸できず、離着水のみ)。6機製造。 救難飛行艇 US-1A US-1のエンジンを換装した救難用水陸両用の飛行艇である。海上自衛隊が運用し、岩国飛行場と厚木飛行場に配備されていた。飛行場の無い東京都小笠原村の父島・母島で急病人が発生した場合等、同機が派遣され羽田航空基地経由で東京23区の病院へ搬送していた。14機製造。「第三管区海上保安本部羽田特殊救難基地」も参照 2017年(平成29年)12月13日全機除籍。 救難飛行艇 US-2(US-1A改) US-1Aをベースにしつつ、大幅に近代化・性能向上を図った飛行艇である。与圧キャビン、グラスコックピット、フライ・バイ・ワイヤ等を取り入れ、運用能力が増している。2013年には、同型機を消防飛行艇仕様とした上で海外への輸出に向けた取り組みが行われている。 2020年(令和2年)2月20日新明和工業として通算50機目となる9907号機が完成し、海上自衛隊に引き渡された。 訓練支援機 U-36Aリアジェット36Aを改造して曳航標的やチャフポッド等を装備した機体である。6機改造。 生産協力ボーイング787 - 三菱重工業の下請けとして主翼桁(スパー)の製造を担当。 ボーイング777 - 翼胴フェアリングの製造を担当。 ボーイング767 - 川崎重工業・三菱重工業・富士重工業の2次下請けとして部品製造を担当。詳細は「YX#ボーイング767」を参照 エアバスA330/エアバスA340 - 主翼フィレット・フェアリングの製造を担当。 エアバスA380 - 主翼フィレット・フェアリングとランプ・サーフェス・パネルの製造を担当。 YS-11 - 後部胴体、翼端、ドーサルフィン(垂直尾翼前方の安定翼)を担当。詳細は「YS-11#機体製造」および「日本航空機製造#国産機の開発」を参照 その他U-36A、US-2の定期修理(PAR:Progressive Aircraft Rework)を実施している。 航空自衛隊U-4の航空機定期修理(IRAN:Inspect and Repair As Necessary)を実施している。
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