活用例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 17:09 UTC 版)
鉄道の廃止後も、整備・改修の上、廃線跡が活用されている事例としては、以下のようなものがある。 公園 ニューヨークなどでは鉄道高架路線の跡地が公園として整備されている。 遊歩道、緑道 東武熊谷線(埼玉県)、中央本線下河原支線(東京都)、山形交通高畠線(山形県)など多数の例がある。 一般道路 単線 の鉄道を道路に転用する場合、拡幅するのでなければ、トンネル部分を信号で制御するなど行き違いへの対策が必要になる。 柳ヶ瀬線(福井県)、大隅線(鹿児島県)など多数。 バス専用道路 白棚線(福島県)、秋保電鉄(宮城県)、名鉄岡崎市内線(愛知県)、富山地方鉄道射水線(富山県)などがあり、仙北鉄道や上記の柳ヶ瀬線も廃止直後はバス専用道路だった。 高速道路 東海道本線大谷駅 - 稲荷駅間の旧線跡のほとんどは名神高速道路の建設に利用された。 東北自動車道の川口ジャンクション北側から浦和本線料金所の少し北側までの区間は、戦前に存在した武州鉄道の神根駅 - 武州野田駅間のルートを廃線後30年以上を経て改修し再利用している。 サイクリングロード 廃線跡は勾配が緩く、峠越えの区間でも通常2 - 2.5%以下であるため、サイクリングロードへの活用に適する。 筑波鉄道→茨城県道501号桜川土浦自転車道線(つくばりんりんロード)、湧網線→北海道道1087号網走常呂自転車道線(オホーツク自転車道)など。 保存鉄道 観光向けにボランティア団体などにより運営されるもの。北海道ちほく高原鉄道の車両を旧陸別駅構内で動態保存している「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」などの例がある。高千穂線→高千穂あまてらす鉄道(宮崎県)も保存鉄道化を目指している。欧米には多数の例がある。 軌道自転車の運転用 観光用の軌道自転車(レールバイク)運転用として活用するもので、欧米には多数の例がある。 日本では、美幸線(北海道)跡の活用によるトロッコ王国美深がある。 歴史的建造物 廃線跡は、公に歴史的な価値を認められ、遺産として保全・整備される場合もある。 北海道の士幌線(登録有形文化財、北海道遺産に指定)、碓氷峠(群馬県)の旧信越本線(碓氷第三橋梁などが重要文化財に指定、一時期ユネスコ世界遺産である富岡製糸場と絹産業遺産群の構成資産候補であったが最終的に除外された)、神奈川県横浜市の汽車道(横浜市認定歴史的建造物に認定)など。 世界遺産 歴史的建造物の延長線上に位置付けられるが、世界遺産条約では所有者の財産権を保証していることから、観光向けに公開・開放する義務は生じない。 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業の構成資産に三池炭鉱専用鉄道敷跡と橋野鉄鉱山 の「採掘場と運搬路」にトロッコ軌道跡の廃線が含まれている。 住宅 大都市では廃線跡のような狭幅の土地でも住宅用地として転用されることが少なくなく、不動産業者などにより廃線跡を区画割りして一戸建て住宅や集合住宅が建てられることがある。特に鉄道のカーブは緩やかなため、航空写真や衛星写真で廃線跡に建てられた建物を見た場合には、そこだけかつての線路の形状に沿って建てられており、同じ地域の住宅の並び方とは異なるものになっていることがある。 日立製作所亀有工場専用線(東京都)、南海平野線西平野電停 - 平野電停間、福知山線(尼崎港線)金楽寺駅 - 尼崎港駅間など。 概して廃線跡は、利便性のあまり高くない場所に幅数メートルの狭い土地が延々と細長く延びるという形状になりがちであり、道路・線路・保存以外の活用例は少ない。
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