気象要素の一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 14:51 UTC 版)
大気の状態や気象現象はいくつかの要素で表すことができ、これを気象要素と呼ぶ。気象要素の多くは物理的な値だが、天気分類や雲形などの例外もある。 天気 - 地上から見た大気の状態。ある時点における雲の量、降水の種類や強さ、霧や砂嵐の状況などを総合したもの。快晴、晴れ、くもりや雨など。天気予報に供する国際的な報告で使用する国際気象通報式では96種類、日本の気象庁が独自に記録する天気では15種類、日本式天気図では21種類ある。 雲量 - 空全体に占める雲の割合。日本では十分率、国際的には八分率で表される。 雲形 - 雲の形状。積雲や層雲などの基本的な十種雲形のほか、副種や変種がある。 雲高 - 地表からの雲の高さ。雲の底部の高さを指す雲底高度、雲の頂部の高さを指す雲頂高度などがある。 国際気象通報式では上層、中層、下層それぞれ10、計30のパターンが定義されている。 視程 - 大気の見通しの程度。降水や霧、砂嵐、吹雪などによって低下する。航空の分野では重要視される。各方位の中で最も低い視程を指す最小視程、各方位の平均の視程を指す卓越視程などがある。 日射量 - 太陽放射の量。太陽の方向からのみの日射を指す直達日射量、太陽以外の方向からの日射を指す散乱日射量、全ての方向からの日射を指す全天日射量などがある。 日照 - 日光の照射。120W/m2以上の直達日射があるものを「日照がある」という。日照時間 - 一定時間当たりに日照があった時間。 気圧 - 大気の圧力。地上や海上のそのままの気圧を指す地上気圧(現地気圧)、海面更正をした海面気圧、気球などで測る上空の気圧を指す上空気圧などがある。 気温 - 大気の温度。 湿度 - 大気中の水蒸気量。一般的には相対湿度や露点温度を用いる。 学術的には、絶対湿度、蒸気圧、混合比、比湿、湿数などを用いることがある。 可降水量 - 鉛直大気中の水の総量。 大気が持つエネルギー量の表現 - 大気の持つ顕熱、潜熱、位置エネルギーなどを総合的に表現する。温位、相当温位、相当温度などが用いられる。 風 - 気圧差によって起こる大気の流れ。風向 - 風の(一般的には水平方向の)向き。学術的には鉛直方向の風向(上向き・下向き)を表現するほか、発散や収束という概念を用いて表現することがある。 風速 - 風の(一般的には水平方向の)速度。風速の代わりに風力を用いることもある。学術的には鉛直方向の風速を表現する。 渦度 - 回転性のある気流の回転の程度。 降水 - 様々な形で降る水。雨や雪などの降水の種類は「天気」として表現する。降水量 - 降った水の量。雪の場合は降雪量とも言う。 積雪量 - 積もった雪の量。 海水温 - 海水の温度。 大気安定度 - 力学的・熱力学的観点からみた大気の静的・動的な安定の度合。対流有効位置エネルギー(CAPE)、対流抑制(CIN)、ショワルター安定指数(SSI)、リフティド指数(LI)などがある。 これらの要素の中には、一定の期間やある地域内における最高値、最低値、平均値、閾値以上の回数や日数などを統計で取りまとめるものがある。例として気温では、最高気温、最低気温、平均気温を一日、1カ月、1年などの単位で算出するほか、日本の気象庁は最高気温30度以上の真夏日、最低気温0度未満の冬日などの日数を算出する。 また、気象要素を他の分野に応用したものとして、体感温度や不快指数、湿球黒球温度(WBGT)などの快適性指標や、火災の起きやすさを示す実効湿度などがある。
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