東西自由通路・大手スカイデッキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 13:50 UTC 版)
「長岡駅」の記事における「東西自由通路・大手スカイデッキ」の解説
後から竣工し、駅舎2階部分を経由して在来線ホームを横断する「長岡駅東西自由通路」は1980年(昭和55年)、現駅舎の建設に合わせて開通し、前述の地下通路と併せ駅舎東西間の歩行者動線が強化された。こちらは前述の通り歩行者のみが通行可能で、自転車は通行できない。 しかし大手口側には動線が無く、駅舎内では改札口付近もしくはCoCoLoのフロア内を大きく迂回しなければならない構造となっていたため、駅舎東西間の歩行者の動線が複雑化していた。加えて駅舎内はJRを利用する旅客動線と東西自由通路の歩行者動線とが混在し、また駅施設と駅ビル施設の配置が分散するなど、分かりにくい構造となっていた。 JR東日本では2000年(平成12年)11月に発表した中期経営構想「ニューフロンティア21」において、駅施設の利便性向上と高収益化を目指す施策「ステーションルネッサンス」への取り組みを掲げた。また長岡市は2001年度(平成13年度)から2002年度(平成14年度)にかけて「長岡市交通バリアフリー基本構想」を策定し、これに基づいてJR東日本新潟支社に対し駅舎内の施設改善を要請した。 これらを受けてJR新潟支社と長岡市は共同で「長岡駅ステーションルネッサンス計画」を策定し、2006年(平成18年)秋から2007年(平成19年)春にかけ、駅施設・駅ビル施設の再配置とバリアフリー化による駅舎内の移動円滑化を目的とした改装工事を実施し 、窓口や改札口などの駅施設を駅舎北側に、店舗などの駅ビル施設を南側にそれぞれ集約させたほか、各種バリアフリー設備の新設を行った。 この間、2007年3月28日から新幹線・在来線の改札口を分離して「のりかえ口」を新設し、在来線改札口で自動改札機の供用を開始。改装前は改札南側に設けられていた券売機・みどりの窓口・旅行センター(びゅうプラザ)を北側に移設し、在来線改札内コンコースに待合室を新設した。この待合室は、椅子や壁面などの内装材に新潟県産のスギ材(越後杉)を使用している。これはJR新潟支社が「越後のふるさと木づかい事業」(新潟県産木材の利用拡大を図って公共施設の木質化を推進する新潟県の事業)による補助金の給付を受けて設置したものである。また各ホームのエレベーターや多機能トイレなどバリアフリー設備の整備費用の一部には、長岡市の補助金が用いられている。 この一連のステーションルネッサンス計画により、改札口周辺の歩行者動線の整理が図られた。 その後長岡市では「長岡駅周辺整備事業」の一環として2009年度(平成21年度)から自由通路の改修と、それに直結する「長岡駅大手口ペデストリアンデッキ」の新規整備に着工した。まずCoCoLoの2階フロアを分割して自由通路を西側へ延伸し、大手口南口1階へ至る通路を新設する工事が実施され、2010年(平成22年)3月31日に竣工。 この改修により、大手口側と東口側の駅前広場の間は、駅舎2階部をほぼ一直線に直通できる構造に改善された。続いて大手口側では、自由通路から大手通り等へ至るデッキの新設が実施され、2011年(平成23年)12月22日に竣工。大手口バスターミナルや大手通り、城内通りとの徒歩連絡が可能となった。さらにアオーレ長岡のグランドオープンに合わせ、2012年(平成24年)4月1日にアオーレの東棟3階と直結する南西側のデッキが開通し、全面竣工した。 なお全面竣工にあたって大手口側のデッキは一般公募により、愛称「大手スカイデッキ」が付与された。このスカイデッキの開通により、駅の東西間は天候や交差点に関係なく、冬季なども雪や雨に濡れずに往来することができるようになった。 この一連の駅周辺整備事業により、大手口側の歩行者動線が改善されたほか、駅利用者および駅ビル来館者と、駅を利用しない歩行者の動線が分離され、駅舎東西間の通行環境が改善された。 これに合わせて、それまでの大手口側にある長岡駅前交差点の信号機は事故防止の観点から歩車分離式が採用されていたが、交通量の増加とスカイデッキ開業による通行者分散を見込んで、歩車分離式の採用を終了している。
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